庭戸を出でずして(Nature seldom hurries)

日々の出来事や思いつきを書き連ねています。訳文は基本的に管理人の拙訳。好みの選択は記事カテゴリーからどうぞ。

久々のサイクリング

2007-01-28 17:49:28 | 自転車
もう20年以上ほとんど日曜も月曜もないような生き方をしている私も、週末になると少し心が浮き上がりワクワクして世界が楽しく見えてくる。子供の頃から身に付けた生活のリズムはやはりそう簡単には抜けないものだ。今日は若干風が冷たいものの天気もまずまず。久しぶりに自由になった日曜日の午後をサイクリングに使うことにした。

何年か前に膝の不具合を解消するために、市内の移動は全て自転車に変えたことはどこかに書いた。その結果、数年続いた正座もできないくらいの痛みが数ヶ月で消え去り、完全に自転車の世界にハマルことになるのだが、ここしばらく何やかやと忙しくてまとまった距離を走れないでいたのだ。

サイクリングといっても、私のスタイルは基本的に“ゆっくり走る”ということで平均時速15kmを超えることはめったにない。視線を3mほど前に落として10km/h前後でゆっくり漕ぐのは思索にも適するということを確認している。机の上でゴチャゴチャと錯綜していた問題が自転車を漕いでいるだけでスッキリ解決したりする。途中で歩きたくなったら右手でハンドルの根元を軽く押さえて歩く。これがまた気持ちが良い。ゆっくり進むほど多くのものがはっきり見えてくるということも、私は既に知っている。

近現代文明が生んだ最高の発明品を三つ挙げよと言われたら、私は迷いなくその一つに自転車を選ぶであろう。漱石がイギリスでの自転車修行に成功していたら、ひよっとしたら彼の頑固な胃潰瘍も平癒してもっと長生きしたかもしれないし、マーク・トゥエインがもうちょっと辛抱強く自転車操縦の練習をしていたら、晩年あんなに悲観的にならずに済んだかもしれない・・・とさえ思ったりする。

さて、今日のコースは街の北はずれにある自宅から市街地を南に横切って郊外まで出る、河川敷の長い土手を遡上して国道に突き当たったら北に曲がってまた市街地を抜けて帰ってくる、という25kmほどのコース。途中には河口部分もあるから、海も見える鳥も見える遠くに四国山系も臨める。

このコース取りでのひと工夫は、それなりに自然の力を考慮してあるということ。この辺りは、晴れた日の午後はほぼ西からの海風になるから、西に向かうときは風除けの多い市街地を、東に向かうときは河に沿って吹き上がってくるリバーウィンドを最大限に利用する。河口から国道までの土手道路数kmは若干の上りになっているのだが、今日も5m/sほどの風に押されて実に快適であった。




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