庭戸を出でずして(Nature seldom hurries)

日々の出来事や思いつきを書き連ねています。訳文は基本的に管理人の拙訳。好みの選択は記事カテゴリーからどうぞ。

革命

2007-01-22 16:01:48 | 言葉
Every generation needs a new revolution.

全ての世代が新しい革命を必要としている。

A democracy is nothing more than mob rule, where fifty-one percent of the people may take away the rights of the other forty-nine.

民主主義は暴徒の支配以上の何ものでもない。51%の人々が他の49%の人々の権利を奪うかもしれないのである。



これらはマルクスのものでもレーニンのものでも毛沢東やカストロのものでもない。アメリカ建国の父の雄、トマス・ジェファーソンの言葉だ。

「人民の2人の敵は犯罪者と政府である。したがって、第2(政府)が1番目(犯罪者)の合法化バージョンにならぬように、憲法の鎖で羽交い締めにしよう。」
・・・これも彼の言葉で、この簡単な一言に立憲主義の本質がある。

日本という国は紛れもなく立憲国家だが、現在の政府の長は、何故かできない(してはいけない)はずの“改憲”を声高に叫んでいる。つまり「立憲」という言葉の意味も知らない、は知ろうとしない、あるいは知っていても知らないこととする人間が国家権力の中枢にいるということだ。国民にとってこんな危険なこともない。

では、なぜ多くの国民が結果的に自分たちを痛めつけることになるであろう人間や政権を支持するのか・・・思い付く原因はいくつかあるが、詰まりは“衆愚”としか言いようがないであろう。自分を守る最高の武器を持ちながらその扱い方を知らず、敵に玉を与え、錆付くにまかせるという愚かさである。

「政府は、共同体一人ひとりのメンバーを強力な権力でつぎつぎと押さえ込み、都合よく人々の人格を変質させたあと、その超越的な権力を社会全体に伸ばしてくる。この国家権力は細かく複雑な規制のネットワークと、些細な事柄や征服などによって社会の表層を覆った。そのために、最も個性的な考え方や最もエネルギッシュな人格を持った者たちが、人々を感銘させ群集の中から立ち上がり、社会に強い影響を与えることができなくなった。



人間の意志そのものを破壊してしまうことはできないが、それを弱めて、捻じ曲げて、誘導することはできるのだ。国家権力によって人々は直接その行動を強制されることはないが、たえず行動を制限されている。こうした政府の権力が、人間そのものを破壊してしまうことはないが、その存在を妨げるのだ。専制政治にまではならないが、人々を締め付け、その気力を弱らせ、希望を打ち砕き、消沈させ、麻痺させる。そして最後には、国民の一人ひとりは、臆病でただ勤勉なだけの動物たちの集まりにすぎなくなり、政府がそれを羊飼いとして管理するようになる 
―アレクシス・ド・トクビル(Alexis de Tocqueville、1805年 - 1859年)『アメリカの民主体制』より (ウィキペディア)

これは予言的歴史家とも呼べるトクヴィルの実に分かりやすい洞察だ。昨今のわが国の様子を見ながら、おしまいの一文に思い当たることはないだろうか・・・。
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無得を楽しむ

2007-01-21 22:08:13 | 言葉
It is the greatest of all advantages to enjoy no advantage at all.
-Henry David Thoreau
 
全く得のないことを楽しむことが、全ての得の最大のものである。
- H・D・ソロー


荘子の“無用の用”を連想させる一文だ。人生の目的は一言で言うと幸福であることに誰人も異論はないであろう。ところが大概の人間はその幸福のための方法・手段をいつまでも追っかけているうちに本来の目的の方を忘れてしまうことが多い。

私の拙い見方では、その理由は、幸福を“なるもの”だと思っているからで、幸福は“あるもの”だと捉えれば全ての手段がすなわち目的となる。得があろうが無かろうが、その方法そのものを楽しむことができれば、これすなわち幸福ではないか。

損得に絡めて貧富について言えば、「佐賀のがばいばあちゃん」の一言は全くの真実を言い当てている。「貧乏にも暗か貧乏と明るか貧乏があるばい。うちは明るか貧乏じゃけん、それで良か・・・」貧乏を反対の金持ちに言い換えても全く同じことだ。問題は明るいか暗いか、つまり幸か不幸か、それを決める要因はこの次元の問題ではないということである。
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パソコン

2007-01-20 14:14:00 | その他
正月にOSを再インストールしてからメールソフトのOEで日本語改行ができなくなった。設定を確認してもちゃんと半角76字で自動改行になっている。おかしいなぁ・・・若干読みづらいけどまあ特段の不都合もないだろうとそのままにしていた。

しかし今朝、どんな結果にも必ず原因があるはずだから一往調べとこ・・・と、“OEの自動改行”で検索かけたら、ちゃんと丁寧な説明があった。「SP2を導入した場合:レジストリに新しい項目と値を加えて・・・」

あれぇ?これだいぶ前に一回やったことがあるぞぉ!・・・と、途端に記憶がよみがえった。

振り返ってみれば、本格的にパソコン触り始めて12年・・・この間、ハードもソフトも凄まじい勢いで進歩を重ね、端から文系の私は、まさに見様見真似・試行錯誤の連続の中で同じ手順や間違いを何回も繰り返してきた。

OSがXPになった頃から全てのPC環境がだいぶ安定して、“有用な無駄”に無駄な時間を使うということも少なくなったが、今度はVistaとかいうのが新しく出るらしい。マイクロソフトのHPには「想像以上の驚きを、あなたも・・・」なんて広告が踊っている。

あんまり驚いてばかりもいられないし、そうそう簡単に“新しいもの”に踊らされることもないが、人が不慣れな分野で前に向かって進もうとする限り、多少の試行錯誤は避けられないことなのだろう。ともあれ、同じ種類のつまらん間違いを何度も繰り返すことだけは、そろそろお仕舞いにしたいものだ。
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精神の彩

2007-01-20 10:32:29 | 自然
Nature always wears the colors of the spirit.
- Ralph Waldo Emerson

自然は常に精神の彩(いろどり)で装っている。
- R・W・エマソン


彼は同じことを別に「あらゆる自然的事象は何らかの精神的事象の象徴である」(Every natural fact is a symbol of some spiritual fact.)と表現している。

目に見える現象世界の奥底に、目には見えないけれども確かに存在する精神世界を見出そうとする思想は、西欧ではプラトン辺りに源を持つのだろうが、太陽や月や星・・・海や河や山や風・・・あらゆる自然的存在・活動の中に何らかの偉大な意思を感じ、畏敬の念と共に生を送るという姿勢は、人類が文字を持たない太古の昔からずっと続いてきた、まさに自然なあり方のように思える。

さて今の我々が、たかが200年かそこらの近現代文明の眩(まぶ)しさの中で、その本来のあり方を忘れ去りつつあるとしたら、それは果(は)たして自然なことであろうか・・・。
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現在

2007-01-19 16:38:27 | 言葉
Write it on your heart that every day is the best day in the year.
- Ralph Waldo Emerson

毎日が年中で最も良き日であることを自身の心に銘記せよ。
- R・W・エマソン

With the past, I have nothing to do; nor with the future. I live now.
- Ralph Waldo Emerson

過去についてはもうすることがない。未来についてはまだすることがない。だから、私は現在に生きる。
- R・W・エマソン




過去を後悔したり未来を心配するという無駄な習いをなくして、自分の奥に内在するエネルギーを今この時の現在に注ぎ込むことに習熟すれば、どれほど偉大な仕事ができるだろう。

後悔や心配の総量を量れるメーターでもあれば、たぶん人はその貴重なエネルギーの浪費の大きさに驚愕するにちがいない。これら無駄なことを半分でも止めれば、大概の病気はたちまち消滅するような気さえする。
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仕事の質

2007-01-18 14:09:32 | 言葉
It is the quality of our work which will please God and not the quantity.
- Mohandas Gandhi

神を喜ばせるのは、我々の仕事の量ではなく質である。
- マハトマ・ガンジー




最近の不二家の事件も金儲けのために質を失って量に走った良い例であろう。これでは神は喜ばない。ほんとうの神は私たち自身の中に住んでいるはずだから、つまりは質を忘れた自分自身も喜ばない。

質よりも量に重きを置く、資本主義的利潤追求原理に振り回されると真の幸福を見失う所以である。

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アル・ゴア

2007-01-17 17:37:30 | 自然
I feel right now and I want you to feel.The first indication that this beautiful earth is slipping from our grasp.
And I want you to hold on and I want you to safeguard it and bring it back to health, so that from that advantage point in the future, people will say in 2007 in Japan and in the US and all around the world, they opened their eyes and opened their hearts and they held firm and stopped the process by which we're losing this beautiful place. We have to choose that future, now!
- Al Gore

今この時、私は感じています。皆さんにも感じてほしい。この美しい地球が私たちの掌の中から滑り落ちる最初の兆候を。
地球をしっかり握り、保護し、健康な状態に戻してほしい。そうすれば、未来の人々は言うでしょう。2007年という年に、日本やアメリカや世界中の人々が、目を開き心を開き手を硬く取り合って、この美しい場所が失われようとしたプロセスをくい止めたのだと。私たちはその未来を“まさに今”選択しなければならないのです。
- アル・ゴア



音声ファイルMP3 1.2Mb

昨夜の筑紫哲也のニュース番組に招待されたゴア氏の締め括りのメッセージ。その語り口には誠実な響きがあり、画面にあふれる熱意は感動的でさえあった。

既にその気は一切ないそうだが、彼のような人物が大統領になれば、アメリカもその太鼓持ちの日本も大きく変わり、世界の未来ももう少し明るいものになるだろう。彼の講演をまとめた映画「不都合な真実」・・・1/20から日本でも公開されるらしい。ぜひ観に行きたいと思う。
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欠点

2007-01-17 14:35:41 | 言葉
I criticize by creation - not by finding fault.
- Marcus Tullius Cicero 

私は欠点を見つけることではなく、創造することによって批判する。
- キケロ


人間がなんらかの創造的行為に没頭しているときは、他人の欠点の非難などしている暇はないものだ。

これは自分自身に対しても言えることで、ジョン・ラスキンも「自分の欠点、まして他人の欠点について考えてはいけない。善きもの強きものを探し出し、それを真似るようにしなさい。そうすれば、時が来て枯れ葉が落ちるように、あなたの欠点も落ちてなくなっているだろう。」(Do not think of your faults, still less of other's faults; look for what is good and strong, and try to imitate it. Your faults will drop off, like dead leaves, when their time comes.)と言っている。
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戦争

2007-01-16 14:29:08 | 言葉
An unjust peace is better than a just war.
- Marcus Tullius Cicero 

不正義の平和は正義の戦争に勝る。
- キケロ


どこかの国の指導者たちに聞かせてやりたい。戦争とは国家による組織的殺人行為であり、正義・・・つまり“人として行うべき正しい道義”からは最も遠いところにある絶対的愚行であろう。同様の理由で、私は死刑制度にも反対する。
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感謝

2007-01-15 14:22:47 | 言葉
Gratitude is not only the greatest of virtues, but the parent of all the others.
- Marcus Tullius Cicero 

感謝の念は最高の美徳であるだけでなく、あらゆる美徳の親である。
- キケロ




感謝は人に対してするものとは限らない。どんな時にも何があっても天地万物に感謝できる人、更に自分自身に感謝できる人ほど幸せな人間はいないだろう。
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