


国井アナ、ヒロさん

オクラホマ藤尾さん

ファイターズガールの和音さん

今週の「国井美佐アナウンサー」

日刊ゲンダイに、この春、大活躍している俳優、杉本哲太さんに関する記事が掲載されました。
タイトルは、「50歳 杉本哲太が迎えた男盛り」です。
現在、同じクールで、日テレ『世界一難しい恋』と、テレ朝『グッドパートナー 無敵の弁護士』の2本に出演中。
この記事の中で、杉本さんについて解説しています。
高視聴率ドラマを下支え
50歳 杉本哲太が迎えた男盛り
50歳 杉本哲太が迎えた男盛り
俳優・杉本哲太(50)が円熟の“男盛り”を迎えている。
日本テレビ系「世界一難しい恋」(水曜22時)では、主演の嵐・大野智(35)扮するホテルチェーンの若社長のお抱え運転手役。竹野内豊(45)&松雪泰子(43)による元夫婦でライバル弁護士が奮闘するテレビ朝日系「グッドパートナー 無敵の弁護士」(木曜21時)では、2人の同僚弁護士を演じている。
春ドラマのラインアップがほぼ出揃う中、両作品ともに各回視聴率12%超をマーク。勢いある作品にいずれも名を連ねているのだ。
上智大の碓井広義教授(メディア論)が言う。
「NHK朝ドラ組のキャスティングが多くみられる春ドラマの中でも“あまちゃん俳優”の杉本さんはひときわ目を引きます。理由のひとつは演技のストライクゾーンが広いだけでなく、肩書や職業そのままではない裏側、あるいは“オチ”を期待させる役者だからです。『世界一』では人のいい実直な運転手役ですが、そうではない素顔や過去を期待してしまうし、『グッドパートナー』では敏腕を気取っていてもどこか抜けている独身男の役を見事に自分のものにしている。主役を引き立てながら、物語に深みを出す“隠していない隠し味”。視聴率の底上げに一役買っているといえるでしょう」
渡辺えり(61)や堤真一(51)、段田安則(59)といった舞台出身の俳優が多く在籍するシス・カンパニー所属。杉本自身は「横浜銀蠅」の弟分としてデビューし、神奈川・藤沢では知られた暴走族メンバーからリーゼントヘアのロッカーを経て、今から35年前の連ドラ「茜さんのお弁当」(81年)への出演を機に俳優の道へ。そんな杉本の演技の“地金”となっているのが「名匠・熊井啓監督との出会いです」というのはさる映画関係者だ。
「20代のときに熊井監督の『式部物語』『ひかりごけ』『深い河』といった文芸大作に出演。熊井組の現場で徹底的に鍛えられた。奥田瑛二ら先輩たちの凄みにも触れた経験は役者としての“足腰”の強さにつながっている」
近年の当たり役といえば、朝ドラ「あまちゃん」(13年)のコミカルな駅長役も。その後はすぐさま、「隠蔽捜査」(14年)で民放連ドラ初主演をゲットし、古田新太(50)らとともに上層部と現場の板挟みに悩む刑事を好演。中年俳優の底力を見せた。
「長年のキャリアを今まさに開花させている印象。演出家レベルで自分に求められる役割を察するから、使う側も起用したくなる。悪目立ちすることなく視聴者と制作陣の心に“杉本哲太印”を刻んでいく。貴重な存在ですね」(前出の碓井氏)
勢いのある中年俳優といえば遠藤憲一(54)が頭一つリードした感があるが、エンケンに続くのは“スギテツ”だ。
(日刊ゲンダイ 2016.04.27)

日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。
今週は、NHKドラマ10「コントレール~罪と恋~」を取り上げました。
NHKドラマ10「コントレール~罪と恋~」
“ひこうき雲”から目が離せない
“ひこうき雲”から目が離せない
今期ドラマは序盤戦の真っ最中だが、見逃してはならない1本がある。石田ゆり子主演「コントレール~罪と恋~」だ。
通り魔事件に巻き込まれて亡くなった夫。残された妻(石田)は夫に愛人がいたことを知る。事件現場に居合わせた弁護士(井浦新)は犯人と揉み合い、結果的に石田の夫を殺してしまう。井浦はショックで声が出なくなり、弁護士を辞めてトラック運転手となった。
6年後、街道沿いで食堂を営む石田は、客として来た井浦に魅かれる。だが、その素性は知らない。井浦は自分が殺めた男の妻だと分かるが、石田へと傾斜していく。しかも、かつて事件を担当した刑事(原田泰造)も石田に思いを寄せている。さて、3人の運命は・・。
石田が演じる45歳の未亡人が何ともセクシーだ。幼い息子の母親としての自分と、一人の女性としての自分。その葛藤に揺れながらも衝動を抑えきれない。鏡の前で、久しぶりにルージュを手にする石田の表情が絶品だ。
井浦にとっても、会ってはならない女性との危うい恋愛だ。失声症だった井浦が、ベッドの上で石田の名を呼べた時の戸惑いと喜び。その心情の複雑さも、脚本の大石静がきっちり描いている。
大人の女性のココロとカラダが、今後どう動くのか。鮮やな軌跡を見せ、やがて消えていくコントレール(ひこうき雲)から、しばし目が離せない。
(日刊ゲンダイ 2016.04.26)

立木早子さんの漫画「早子先生、婚活の時間です」。
早子先生のキャラクターがいいんだよなあ。
ほわわ~んとしていて、時々チクッと鋭くて、でも、やっぱりほわわ~んとしていて(笑)。
フジテレビ版のタイトルは、「早子先生、結婚するって本当ですか?」。
って、ダ・カーポか!?(笑)
ドラマ化の話を聞いた時、黒木華さんが30代半ばならぴったりだけど、と思った。
原作漫画の印象は、少なくとも松下奈緒さんじゃないんだよなあ。
それに、ストーリーも、なんだかなあ。
8コマ漫画の、あののんびりした雰囲気はどこかに行っちゃってるしなあ・・・。
何でもドラマ化すればいいってもんじゃないし。
ぜひ、漫画のほうを、一度、ご覧ください。

映画「スポットライト~世紀のスクープ」を観ました。
アカデミー賞の作品賞&脚本賞受賞作です。
新聞記者たちがカトリック教会のスキャンダルを暴いた実話を、「扉をたたく人」のトム・マッカーシー監督が映画化し、第88回アカデミー賞で作品賞と脚本賞を受賞した実録ドラマ。2002年、アメリカの新聞「ボストン・グローブ」が、「SPOTLIGHT」と名の付いた新聞一面に、神父による性的虐待と、カトリック教会がその事実を看過していたというスキャンダルを白日の下に晒す記事を掲載した。社会で大きな権力を握る人物たちを失脚へと追い込むことになる、記者生命をかけた戦いに挑む人々の姿を、緊迫感たっぷりに描き出した。第87回アカデミー賞受賞作「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」で復活を遂げたマイケル・キートンほか、マーク・ラファロ、レイチェル・マクアダムスら豪華キャストが共演。
「新聞、やるじゃん」「活字ジャーナリズム、大事じゃん」と思わせてくれます。
実話であり、結末もそれなりに知っているつもりでも、観ている間、ずっと緊張感がありました。
脚本がいいんですね。
エンタメ化のためにと、無理やり恋愛をからめたりしないのも好感度高し。
ボストンという街の落ち着いた雰囲気もよかった。
観る前は、「大統領の陰謀」をイメージしたりしましたが、淡々とした描き方も含め、独自の作品として、やはり見事です。
6月に、この作品の上映とリンクした講演をする予定があります。
その詳細はまた、あらためて。

脚本家・倉本聰さんの新著、「見る前に跳んだ 私の履歴書」(日本経済新聞出版社)が出版されました。
今年1月に81歳となった倉本さんの自伝で、昨年、日経新聞で連載された「私の履歴書」が一冊になったものです。
連載時も読んでいましたが、こうしてまとまると、面白いだけではなく、貴重な証言になっています。
実は、倉本さんからご指名を受けて、この本の巻末に、10ページほどの「解説」を書かせていただきました。
題して、「倉本ドラマの魅力――『北の国から』を中心に」。
併せて読んでいただけたら、嬉しいです。

以下は、アマゾンに掲載されている、「見る前に跳んだ 私の履歴書」の内容紹介文です。
<内容紹介>
「北の国から」「前略おふくろ様」……これらは老若男女がお茶の間のテレビにかじりついたドラマ黄金期の著者の脚本になる作品である。脚本家の名を冠にしたテレビドラマが大衆の人気を博した世代、向田邦子、山田太一と並ぶ巨匠の自伝的エッセイが本書。
テレビ草創期の作り手が円熟期を迎え、良質のドラマが作られていた時代。とりわけ倉本氏はテレビに異議申し立てを行う作風で、ドラマになりにくい題材を人気ドラマに仕立ててきたことで知られる。そのドラマはどこから生まれたのか。現在のテレビへの思いまでほとばしる、とにかく熱い自伝である。
純と蛍の成長物語「北の国から」についての説明は不要だろう。「時代と寝る」作家が多い中で貫いた反骨精神は、生い立ちから現在の自然保護活動まで一貫している。
語られる数々の製作秘話や高倉健、八千草薫、ショーケン、田中邦衛から岩城滉一、桃井かおりまで深く関わった名優たちとの想い出、ゼロから切り開いた富良野での生活と若者たちとの芝居づくり……かつてのテレビに、日本人は何を見ていたのか、それが言葉になっていることがこの作品の最大の魅力である。
本書は二部構成。第一部は幼少期から修業時代、売れっ子作家の時代、北海道の大地に根を下ろし無名の人たちと共に迎えた円熟期、そして現在までを自身のドラマのように骨太な筆致で綴る自伝エッセイ。第二部が年譜形式で、テレビドラマ、映画、ラジオドラマ全脚本作品と作・演出を務めた演劇全舞台のキャスト・スタッフ・内容を網羅した50ページにも及ぶ放送・上演記録決定版。
テレビマンユニオン時代から倉本作品を熟知する碓井広義・上智大教授が同時代における作品解説を加え、冒頭に同時代の大物脚本家のエッセイも収録する予定。
(アマゾン 2016年4月)
・・・ちなみに、「同時代の大物脚本家のエッセイも」とありますが、これは山田太一さんです。

「週刊新潮」の書評欄に書いたのは、以下の本です。
榎本博明 『中高年がキレる理由(わけ)』
平凡社新書 821円
往来で自分にぶつかってくる“歩きスマホ”の男。その手の中にあるスマホを叩き落としたくなること、ありませんか? 私はあります。しないけど。
最近、キレる中高年の姿を目撃するのは珍しいことではない。人身事故で電車が不通となったホームで駅員を罵倒する40代。金融機関の窓口や病院の待合室で、待たされたと大騒ぎする50代。現代ほど中高年がキレやすい時代はない。
心理学者である著者は、中高年が衝動的な行動に走りがちな理由として、「人生の折り返し点」を迎えたことを挙げる。仕事や家庭をめぐる「これでよかったのか」という不安。「何とかしなければ」という焦り。時間もお金も能力も、常に足りていないような憤り。さらに、他人からバカにされるのではないか、軽くみられるのではないかという「見下され不安」も、中高年心理の特徴だという。
溜め込んだストレス、負のエネルギーが突然噴出するのが中高年のキレ方だとして、どうすべきなのか。まずは本書を通じて敵の正体、つまり衝動と不安のもつ意味を知ることだろう。
その上で著者のアドバイスは、「役割に徹する」。自分という個人ではなく、役割として対処すること。また、「許せない!」とキレたりしないよう、「価値観の棚上げ」をする。相手が同じ土俵にいると思えば腹が立つ。ちょっと見方を変えてみるのだ。歩きスマホにキレないためにも。
小林玖仁男 『あの世へ逝く力』
幻冬舎 1188円
著者は懐石料理屋の主人。ある日、「間質性肺炎」と診断され、余命2年半の宣告を受ける。それ以来の心情や葛藤や本音をまとめたのが本書だ。命の終わりと向き合いながら、魂の模索を続ける日々。死の準備書としてだけでなく、生の指南書として参考になる。
佐藤正午 『小説家の四季』
岩波書店 2052円
昨年、『鳩の撃退法』で第6回山田風太郎賞を受賞した著者。デビュー当時と変わらず、今も故郷の佐世保で書き続けている。本書はこの10年の“生活と意見”を収めたエッセイ集だ。句読点をめぐる煩悶からサイン会という難事業まで、日常の中の冒険が語られる。
住吉史彦 『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』
晶文社 1728円
震災や戦災で破壊された浅草が、なぜ今も賑わっているのか。また老舗の暖簾が続いているのはなぜなのか。すき焼き「ちんや」六代目が、昭和の浅草を生き抜いた人たちの話に耳を傾ける。江戸前鮨、どぜう鍋、洋食から演芸ホールまで。もてなしの文化がここにある。
中島らも 『中島らも短篇小説コレクション 美しい手』
ちくま文庫 950円
なぜこの作品が未発表だったのか。そう訝しんでしまう名作「美しい手」などを初収録したオリジナル編集。妖しいユーモアも、怪しいホラーも、すべてが“らもワールド”だ。六代目笑福亭松鶴がモデルといわれ、マキノ雅彦監督が映画化した「寝ずの番」も読める。
(週刊新潮 2016.04.21号)

ニッポン放送のスタジオで
1951年4月21日、全国各地のラジオ16社が、民放初の予備免許を取得しました。
これを記念したのが「民放の日」です。
この年の9月1日には、名古屋の中部日本放送(現在のCBCラジオ)と大阪の新日本放送(現在の毎日放送)が、本放送を開始しました。
65年を経て、現在はラジコを通じて、全国各地のラジオ放送をリアルタイムで聴くことができます。
信州で過ごした中学生時代、深夜、苦労してチューニングしながら、TBSやニッポン放送、さらに大阪のMBS(毎日放送)などのラジオ番組を聴いていたのが懐かしい。
ともあれ、本日、日本の民放ラジオは65歳になったわけですね。
誕生日、おめでとう!

日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。
今週は、TBS「重版出来!」について書きました。
TBS系「重版出来!」
クセ者たちの波状攻撃を受けて立ち、
きっちりと返している
クセ者たちの波状攻撃を受けて立ち、
きっちりと返している
黒木華の連ドラ初主演となる「重版出来!」。タイトルは「じゅうはんしゅったい」と読む。重版は本など出版物の増刷のこと。
増刷になれば、いわばお札を印刷するようなもので、出版社が儲けるのはそこからだと言われている。また重版出来は多くの読者を獲得した証しであり、著者や版元の達成感も大きい。
主人公はコミック誌の新米編集者・黒沢心(黒木)だ。柔道の日本代表候補だったバリバリの体育会系女子。頑健、元気、明るさ、さらに勝負勘も武器になる。先週の初回では大御所漫画家(小日向文世)の引退危機を、持ち前の鋭い観察眼で救っていた。
映画「小さいおうち」や大河ドラマ「真田丸」での“和風でおっとり”とは大きく異なるキャラクターのヒロインだが、黒木はコメディエンヌとしての才能も発揮しながら生き生きと演じている。
また脇を固める編集部の面々が豪華だ。指導係の先輩がオダギリジョー、編集長は松重豊、編集部員として安田顕や荒川良々、そして社長は高田純次だ。
これらクセ者たちが繰り出す芝居の波状攻撃を、黒木は一人で受けて立ち、きっちりと技を返している。とても連ドラ初主演とは思えない。
漫画家の世界やコミック誌の現場を垣間見せてくれる“お仕事ドラマ”として、また20代女性の“成長物語”として、先が楽しみな1本だ。
(日刊ゲンダイ 2016.04.19)