『産経新聞』からの取材に対するコメントの<長尺版>が、MSN産経ニュースに掲載された。
記事タイトル:
「何を改善したかも明らかに」日テレ勧告で碓井・東京工科大教授
東京工科大学の碓井広義教授(メディア論)の話
勧告の内容は非常に高く評価したい。この問題の対象者にきちんとヒアリングし、日本テレビの内部資料もきちんと精査している。
勧告の底流にあるのは、報道という仕事が、テレビというメディアにとっていかに重要なものか、という点だ。
テレビはバラエティーやドラマも作るが、免許事業であるテレビがその公共性を担保しているのが報道ではないか、ということが伝わってくる。
まさに今回の問題は、その報道の部分で起きた。勧告はそれを重要視した内容だ。
勧告は、報道番組の制作体制の問題点も厳しく指摘している。それは、テレビ局の報道セクションが少ない社員と多くの外部スタッフで制作されていること。
バラエティー番組に外部スタッフが多いことは一般の視聴者にも周知の事実かもしれないが、報道番組も社員単独ではできず、外部スタッフの力を借りないとできない状況であることを浮き彫りにしている。
その外部スタッフを、チームの一員として扱い、ジャーナリズム教育をしながら、報道番組を作らなければいけないということだ。
本件の番組制作の問題点については、日テレ社員を「頭脳」、外部スタッフが「手足」という役割分担のせいだったかもしれないとリアルな言葉で表現しているが、幹部スタッフである「頭脳」も現場を動いていれば、今回の問題を引き起こしていなかったということだろう。
日テレには、8月の検証番組で、何をどう間違えたのか、再発防止の具体策をきちんと自分たちの言葉で伝えるべきだ。
「バンキシャ!」は今も続いているが、問題発覚後、何を改善して放送してきたのかについても、検証番組で語られることを強く望む。