碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

“特番の日” の「やらせ」報道

2010年01月31日 | テレビ・ラジオ・メディア

なんて間が悪いんだろう。

名古屋のCBC(中部日本放送)のことだ。

30日14時から、CBCが制作した“特番”が放送された。

西村雅彦が旅をする『赤道大紀行』の最終章だ。

「3年12万キロの旅、クライマックスへ!」ということで、もちろんTBS系全国ネットである。

この「大紀行」自体にどんな意味(意図)があるのかは知らない(笑)。

番組を見てみると、西村はアジアのジャングルを歩き、4千メートルの高山に登り、奇習ともいえる地元の葬儀にも参加していた。

ごくろうさま。

最近は、「地方局発、上りネット(全国放送)」という特番が減っている。

キー局は視聴率を気にして、あまり歓迎しないし(今回も土曜午後の枠)、地方局にとっては時節柄セールスが大変だったりするからだ。

CBCは地方局といっても、それなりに大きいし、TBSに対してもそれなりのチカラがある。

で、この特番だ。

今日の『朝日新聞』朝刊、テレビ欄のページには、カラー刷りの大きな広告も載っていた。

ところが、同じ紙面で、CBCの「やらせ取材」が報じられたのだ。


見出し:
やらせの街頭取材 TBS系局 答えた女性は関係者

記事本文:
TBS系のCBC(名古屋市)が情報番組で放送した街頭インタビューの映像が、実際には通行人ではなく関係者だったことが分かった。同社が29日、明らかにした。

番組は、23日午前に東海地区で放送された「なるほどプレゼンター!花咲かタイムズ」。

女性の通行人20人に女性向けフリーペーパーの認知度を聞く街頭アンケートで、このフリーペーパーの編集に携わっている、名古屋市内のモデル事務所関係者3人を回答者に含めた。

また、そのうち2人のインタビューなども放送したという。27日に視聴者から指摘があり、社内で調査して判明した。

3人は、担当ディレクターの社員がモデル事務所に依頼し、取材に立ち会ってもらっていたという。

理由について、同社広報部は「街頭インタビューで人を集める大変さから、安易な方向に走ったようだ。スタッフの再教育を徹底したい」と話す。

今後、社員らの処分を検討するほか、社内に調査委員会を設置し、原因究明や防止策を考えていくという。

番組内の「やらせ」を巡っては、昨年1月にもテレビ愛知(名古屋市)が、トークバラエティー番組で番組制作スタッフを通行人のように装わせてインタビューした映像を放送する問題が起きている。
(朝日新聞 2010.01.30)


・・・ほんと、なんてタイミンが悪いんだろう。

ハレの特番オンエアの日に、「やらせ」が伝えられるなんて。

しかも、記事の通りであるなら、なんとも安直な、まったくレベルの低い「やらせ」だ。

この手のものは、今までに何度も繰り返され、その都度テレビは信用を落としてきた。

その辺りを知らないのか(そんなはずはないが)、知っていても平気でやっちゃうのか。

最近だと、そう、一番近い「やらせ」は、同じ名古屋のテレビ愛知だったんだし。

プロのテレビマンなら、やらないでしょ、普通。

いや、もはや“普通じゃない”人々が、現場で番組を作っているということか。

なんとも情けない「特番の日」になったわけです。

1968年、そして革命的世代

2010年01月30日 | 本・新聞・雑誌・活字

厚い。

分厚い本だ。

小熊英二さん(慶大総合政策学部教授)の『1968~叛乱の終焉とその遺産』(新曜社)である。

『大系 黒澤明』も4センチ近くの迫力本だが、『1968』の厚さは5センチを超える。しかも上下2巻本。まさに大著だ。

その下巻を読む。

68年から69年にかけての章で、全共闘運動が“質的衰退”をたどる過程が、やはり痛々しい。

それと、連合赤軍の章も。

しかし、それら以上に90ページに及ぶ「結論」が強烈だ。

「あの時代」の若者たちの叛乱が何であったのか。その問いへの答えとして、小熊さんは書く。

「一言でいうなら、あの叛乱は、高度経済成長にたいする集団摩擦反応であったといえる」。

また、全共闘世代が、集団的に「現代的不幸」に直面した初の世代であり、その「心」の問題を、「政治」運動という形態で表現したのが、「あの時代」の叛乱の一側面だった、と。

さらに、日本史上初めて「現代的不幸」に集団的に直面した世代がくりひろげた大規模な<自分探し>運動であった、とも。

その上で、「あの時代」の叛乱が抱える、明確に批判すべき点を挙げていくのだ。

ひとつは、あまりに無知かつ性急に、それ以前の「戦後民主主義」を一面的に非難しすぎたこと。

次に、運動後の去就。

3番目は、運動のモラル。

そして最後に、運動内の責任意識だ。

厳しい言葉だが、この分厚い『1968』上下巻を追ってくると、十分な説得力を持つ。

さらに、この本で印象的な文章は・・・

「あの時代」の若者たちは、「戦後民主主義の欺瞞」の一語のもとに、数多くの遺産を投げ捨てた。しかし、一度目は悲劇だが、二度目は喜劇である。


『1968』下巻と一緒に購入したのが、産経新聞取材班による『総括せよ!さらば革命的世代~40年前、キャンパスで何があったか』(産経新聞出版)だ。

全共闘世代を扱ったノンフィクション、ルポルタージュには、全共闘運動の当事者や同世代によるものが多かったが、これは違う。

30~40歳の記者が、多くの全共闘世代を対象とした取材を行い、書き上げたことが特色だ。

有名人が多数登場するし、その証言も読みやすい。

だが、何か、もどかしい。

どこか、「そうなのかなあ」と、腑に落ちないところがある。

それが何なのか、まだよく分からない。


40年という時間の経過によって見えてきたこと、逆に見えないこと、その両方が、2冊の本の中にある。

やはり黒澤明はすごいです

2010年01月29日 | 本・新聞・雑誌・活字

昨年の秋から刊行が始まった『大系 黒澤明』(講談社)。

黒澤監督の「全著述・全発言を集大成」というフレコミに嘘はない。

雑誌に載った小さな文章や、埋もれていた座談会もしっかり収められているし、初めて見る写真も満載だ。

編・解説の浜野保樹さん(東大教授)の労作である。

ようやく、その第2巻を入手した。

このシリーズは時間順で構成されているが、今回は1952年から73年。

「東宝への復帰」から「時代劇三部作」を経て「黒澤プロダクション」へと、ダイナミックな時代に当たる。

嬉しいのは、この時期に生み出されたのが『七人の侍』『用心棒』『天国と地獄』などで、私の好きな作品が多いことだ。

11両編成の「特急こだま」を借り切って行われた『天国と地獄』の撮影裏話は、読んでいてもわくわくする。

また、撮った作品だけでなく、実現しなかった企画や作品に関する文章や発言を読めるのも有難い。

たとえば、1964年に開催された「東京オリンピック」の記録映画についてなど、とても興味深かった。

黒澤側が提示した予算と、組織委員会のそれとが大きく食い違い、結局、この仕事から降りてしまうのだ。

代わりに撮ったのが、市川崑監督だった。

そういえば、黒澤さんは『トラ・トラ・トラ!』も降りたが、その辺りの文章も出てくる。

ともあれ、残りは3巻と4巻。

楽しみにしています。

『アバター』が史上最高の興行収入

2010年01月28日 | 映画・ビデオ・映像

映画『アバター』の興行収入が史上最高を記録したそうだ。

「読売新聞」の記事では・・・


ジェームズ・キャメロン監督が3D(立体)技術を駆使したSF大作「アバター」の世界興行収入が、同監督の「タイタニック」(1997年)を抜き、史上最高額を記録した。

配給会社の20世紀フォックス映画が25日、発表した。

同社などによると、同日現在、「アバター」の世界興行収入は18億5500万ドル(約1670億円)。

「タイタニック」の記録は18億4290万ドル(約1659億円)で達成までに1年半かかったが、「アバター」はわずか39日で更新した。
(読売新聞 2010.01.27)


・・・確かに、普通の映画体験とは、一味違っていたことは、このブログにも書いたけれど(http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/s/%A5%A2%A5%D0%A5%BF%A1%BC)、いやはや1670億円の興行収入。

それだって、もしも製作費が2000億円だったら、赤字だ(笑)。

もちろん、そんなことはなくて、「アバター」の製作費は約300億円だったはず。

これもすごい数字だし、プロデューサーなら使ってみたいが(笑)、これだけ巨額の製作費をかけても、すでに元を取るどころか、差し引き1370億円の利益だ。

というところで、ようやく「こりゃ、すごいや」となる。

「アバター」のプロデューサーであるジョン・ランドーは、これまでも「ダイ・ハード2」や「スピード」などを手掛け、そして成功させてきた人物だが、どこかのインタビューでこんな意味のことを言っていた。

「映画界はコストに比例した料金で商品を売ることの出来ない唯一の業界だ」と。

うん、おっしゃる通り。

数千万円で作られた映画も、何百億円の作品も、同じ1800円の入場料だ。

それを踏まえて、300億円を投じる、いやブチ込むには勇気以上のものがいる。

クリエイティブセンスとビジネスセンスを合わせたもの、さらにプラスアルファ。信念とか、哲学とか、自分の運を信じるチカラとかだ。

まあ、そんなこんなの「史上最高の興収記録」なわけですが、一方で、超低予算で作られた傑作もあれば、莫大な製作費をかけた駄作もある。

映画は、そこが面白い。

「アバター」の3D版はすでに観ているので、今度は“IMAX3D”版を観たいと思っている。

『エンタの神様』も『THE NEWS』も消える春

2010年01月27日 | テレビ・ラジオ・メディア

1月もこの時期になると、春の番組改編の情報が外に出てくる。

たとえば、日本テレビ『エンタの神様』の3月終了。

視聴率にシビアな日テレとしては、当然の措置だ。

番組開始が2003年だから、よくもったほうだと思う。

05年から06年の視聴率は20%超えが頻繁だったといわれるが、そうなれば当然、他局にも“類似品”が出てくる。

やがて、どこでも似たような“お笑い系”番組が並ぶ。

一種の飽和状態となり、『エンタの神様』もひとケタの数字が増えていた。

何組ものお笑い芸人を登場させ、その“芸”を、短時間ずつ見せる。

短時間だから、延々と観客を引っ張っていくような内容は無理。

短時間だから、いわゆる“一発芸”もウケたりする。

それに、画面に出てきた時からインパクトが必要で、衣装やメイクといった外見、特殊なしゃべり方など“異形の者”が乱立した。

確かに『エンタ』のおかげで、発見された者、後押しされた者は多い。

一方『エンタ』のおかげで、テレビにおける“笑い”が、いい方向へ進んだとは、あまり思えない。「功罪」のうち、「罪」のほうもあるのだ。

ちなみに、後番組は「嵐」のバラエティ。「とにかく数字を取ろう」ということなんでしょう。


3月終了番組の中には、TBS『総力報道!THE NEWS』もあるらしい。

そうですか。

“報道のTBS”復活を目指したはずが、1年で撤退ですか。

4月から、この枠はバラエティになるそうで、『フレンドパーク』などが、また19時台に帰ってくるとのこと。

つまり、元に戻すわけだ。

これも、「なんだかなあ」であります。

「数字が取れれば、もう何でもいいのね」という気がする。残念だけど。

テレ朝版「華麗なる一族」は見どころ満載

2010年01月26日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』の連載コラム「テレビとはナンだ!」。

今週は、テレビ朝日の連ドラ「宿命」(金曜夜9時)について書いた。

原作は、楡周平さんの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京」だが、小説を読んでイメージした登場人物たちから、見事にジャンプしたナイスなキャスト(笑)に特徴がある。


見出し:

テレ朝版「華麗なる一族」は見どころ満載

コラム本文:

ドラマ「宿命 1969-2010~ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京」(テレビ朝日)。

長いタイトルだ。 

69年の「東大安田講堂」以来、別々の道を歩いてきた男女が再会する。

30年の歳月は一人を大病院の経営者に、もう一人を与党の大物政治家にしていた。しかも互いの息子と娘が政略結婚だ。

というわけで、テレ朝版「華麗なる一族」である。

しかし、TBSのそれとは雰囲気が違う。話の筋もさることながら、キャスティングが大きい。

男は奥田瑛二で、妻が松坂慶子。女は真野響子で、息子が北村一輝。北村に捨てられる恋人は小池栄子である。全体に、華麗というより泥臭い。

いや、その泥臭さがいいのだ。

中でも北村一輝の“怪優”ぶりが際立っている。

「政治家を目指すエリート官僚」には絶対見えないところが面白い。いつ豹変してくれるのか、目が離せないではないか。

小池栄子もまた「敏腕トレーダー」とはびっくりだが、北村に裏切られて復讐を始めた途端、生き生きしてきた。映画「20世紀少年」で見せてくれた狂気に期待しよう。

つまり、このドラマの第一の見どころは“意外な配役”にある。

二番目がゴールデンタイムであることを忘れさせる“昼ドラ”的テイストだ。

団塊世代の闘争体験も、その後の処世もヘンに美化したりせず、“どろどろ”感で押して頂きたい。
(日刊ゲンダイ 2010.01.26付)

曲名だけでタイムスリップしてしまう

2010年01月25日 | 本・新聞・雑誌・活字

新潮新書の新刊、北村薫さんの『自分だけの一冊』と、富澤一誠さんの『あの素晴らしい曲をもう一度』を読む。

『自分だけの一冊』は、副題に「北村薫のアンソロジー教室」とあるように、自分だけの本を編む、つまり<マイ・アンソロジー>作りのススメだ。

確かに、読書の楽しみ方として、かなり有効かもしれない。

そして、『あの素晴らしい曲をもう一度』。

こちらは、フォークからJポップまで、“僕たちのメロディ”50年史である。

60年代の終わりから現在までの、音楽の流れが俯瞰できる。

あの頃、あんな人の、こんな曲があり、その時代背景と若者たち(当時の私たち)はどうだったのかという、実に懐かしく、嬉しい同時代史だ。

特に巻末の「名曲ガイド50」が泣ける。

ここに並んだ、66年のマイク真木「バラが咲いた」から、06年の秋川雅史「千の風になって」まで、50曲すべてを知っているだけでなく、どれも歌えてしまうことに驚く。

というか、曲名を眺めているだけで、いろんなことを、それこそ思い出さなくていいことまで、思い出してしまう。

私にとっては“悪魔のリスト”(笑)なのだ。

ちょっと書き出してみると・・・

「この広い野原いっぱい」森山良子 67年
「帰ってきたヨッパライ」ザ・フォーク・クルセダーズ 67年
「友よ」岡林信康 68年
「風」はしだのりひことシューベルツ 69年
「遠い世界に」五つの赤い風船 69年 
「しおさいの詩」小椋 佳 71年
「戦争を知らない子どもたち」ジローズ 71年
「あの素晴らしい愛をもう一度」加藤和彦と北山修 71年
「出発の歌」上條恒彦と六文銭 71年  
「結婚しようよ」よしだたくろう 72年
「学生街の喫茶店」ガロ 72年
「春夏秋冬」泉谷しげる 72年
「神田川」南こうせつとかぐや姫 73年
「心もよう」井上陽水 73年
「あなた」小坂明子 73年
「精霊流し」グレープ 74年
「岬めぐり」山本コウタローとウイークエンド 74年
「22才の別れ」風 75年
「我が良き友よ」かまやつひろし 75年
「いちご白書をもう一度」バンバン 75年
「あの日にかえりたい」荒井由実 75年
「なごり雪」イルカ 75年
「時代」中島みゆき 75年

・・・いかん、また泣けてくる(笑)。もう、これくらいにしておきますね。

フジは女子アナ中心!?

2010年01月24日 | テレビ・ラジオ・メディア

必要があって、オリンピック関連の本を集中的に読んでいる。

その中に、“アナウンサーから見たオリンピック” といったものが、いくつかあった。

元NHKアナウンサーの北出清五郎さん(大相撲中継でも有名)が書いた『栄光のドキュメント~私の見たオリンピック』や、同じくスNHKのポーツ・アナだった西田善夫さんの『オリンピックと放送』などだ。

いずれもオリンピックの、まさに現場にいた人たちが語るエピソードが面白い。


来月はもうバンクーバー五輪。

「まだあまり盛り上がっていないなあ」と思っていたら、ようやく、それらしい話題が出てきた。

いわゆる<五輪キャスター>である。

『サンスポ』によれば・・・


見出し:
民放五輪キャスター、フジは女子アナ中心

記事本文:
タレントのベッキー(25)がNHKのバンクーバー五輪キャスターを務めることになり21日、東京・渋谷の同局で会見した。

同局が五輪関連番組のキャスターにタレントを起用するのは初めて。

民放のバンクーバー五輪中継キャスターでは、日本テレビが嵐の櫻井翔(27)とフィギュアスケート金メダリストの荒川静香(28)を起用。

テレビ朝日はスポーツキャスターの松岡修造(42)、テレビ東京はV6の井ノ原快彦(33)をメーンに据える。

フジテレビは現地キャスターとして派遣される平井理央(27)、遠藤玲子(27)、大島由香里(25)の同局女子アナ3人が中心。TBSは未発表。
(サンスポ 2010.01.22)


・・・この中では、フジテレビの「女子アナ中心」が光る(笑)。

経費節約かどうかはともかく、それでいいじゃないですか、と思う。

各局に、それぞれわんさといるアナウンサーが伝えて、何が悪いんだろう。

視聴者側にしてみれば、ことさらに「五輪キャスター」を立てていただく必要はない。

むしろ、うるさいだけだったりする。

ベッキーも、櫻井も、松岡も、井ノ原もいなくていいから、しっかり競技を見せてください、と言いたいくらいだ。

そういう意味では、バレーボールで、あれだけジャニーズの面々を露出させた(客引きに使った)フジが、内部の人材で五輪に臨もうとしているのは、エライじゃないですか。

TBSは未発表だそうだが、ここでこそ小林麻耶キャスターの起用でしょう(笑)。

「地デジ」に関するアンケート結果

2010年01月23日 | テレビ・ラジオ・メディア

(株)メディアインタラクティブと(株)ジー・エフが共同で行った「地上デジタルテレビ放送」に関するアンケートの結果が発表された。

「GIGAZINE」の記事によると・・・


「地上アナログテレビ放送」から「地上デジタルテレビ放送」(地デジ)に移行する理由について、「知らない」と回答した人が、4割以上(電話調査:41.6%、ネットリサーチ:41.4%)にのぼる。

また、移行するメリットについても「十分知っている」という回答は1割弱。

総務省のホームページでは、地デジへの移行理由として、通信や放送などに使用できる電波の周波数が過密状態であり、デジタルテレビ放送では大幅にチャンネルを減らせることから、空いた周波数を他の用途への有効利用できることなどを挙げている。

現在はテレビ CM などでも、2011年7月でアナログ放送が終了する旨はアナウンスされているが、その理由まで説明していることは少なく、結果、移行理由の認知度不足を招いているのではないかと考えられる。

次に、地デジ対応テレビの保有について聞いたところ、「ある」と回答した人は、電話調査:71.2%、ネットリサーチ:63.0%となり、ネットリサーチ回答者の方が8.2ポイント低いことがわかった。

特に、1人住まいのネットリサーチ回答者では、保有率が46.2%と他の世帯に比べ少ない割合を示している。

地デジ対応テレビの保有者に対して購入理由を尋ねたところ、「故障など買い替えの時期だったから」(電話調査:51.7%、ネットリサーチ:50.2%)が最も多い結果に。

また、年代が高くなるにつれ「エコポイント制度などの値引きがあったため」の割合が増加傾向にあった。

地デジ対応テレビの未保有者に対して、地デジ対応テレビの購入予定を尋ねたところ、「地上アナログテレビ放送が終了する際」(電話調査:38.7%、ネットリサーチ:45.1%)が最も多い結果となった。


・・・完全移行まで、あと1年半。

これまで、講演会やセミナーでは、「日本中のアナログ波を、いっぺんに止めるのは、無理です」と言ってきた(笑)。

いや、今でも、そう思っている。

もちろんデジタルへの流れは当然なのだが、“国策”としての進め方に、あれこれ問題があるからだ。

1年半後の“その日”、果たして、この国の全てのアナログテレビは、プチッと消えるだろうか。

「未内定4年生」と資格・留学・大学院

2010年01月22日 | 大学

研究室の4年生たちの“卒論提出”が終わった。

後は“卒論発表会”である。

発表会では、研究室の指導教員が「主査」で、他の研究室の先生が「副査」を務める。

自分の研究とは別ジャンルの先生が副査となったりもするわけで、初めて聞く人にも分かるように発表しなくてはならない。

つまり、自分がよく分かっていないと、十分な説明ができないのだ。

4年生は、ただ今、その準備中。

その一方で、発表会の準備をしながら、引き続き“就職活動中”というメンバーもいる。

何しろ、日本の大学4年生全体の4分の1以上が、就職先が決まらないまま卒業しようとしているご時世だ。


『日刊ゲンダイ』(1月22日付)で、実に明快な記事を見かけた。

見出しは、「わが子が資格、留学、大学院を言い出したら、親はNO!と言え」。

記事の中身は、まんまタイトル通りだ。

就職の決まっていない4年生が、<専門学校入学>とか<留学>に走り始めている。

特に、専門学校に進む学生には、3つのパターンがあるという。

「公務員・教員志望」・・・民間同様に採用者を絞っているから厳しい
「資格取得」・・・資格をズラズラ並べても評価は上がらない
「緊急避難」・・・最悪のケースだが一番多い

留学に関しては、企業が求めるような語学力が、1年やそこらで身に付くとは考えにくい。

また、大学院進学は修士1年の途中で就活をこなさなければならず、学部生より忙しい。

そして、これらに比べて「まだマシ」なのが<留年>、という結論だ。


・・・うーん、確かにマシだと思う。

卒業してしまえば「既卒者」であり、採用に関しては「(仕事の)経験者」と一緒の扱いとなる。

あるジャンルで仕事をしてきた人たちと比較されるわけで、結構しんどい。

留年すれば、2回目とはいえ、あくまでも大学4年生であり、「新卒」枠に挑戦できるのだ。

もちろん、留年も、親の負担を含め簡単なことではないが、ずるずると卒業して“無職の若者”になったり、安易な専門学校進学などよりは、「まだマシ」かもしれない。

しかし、留年策のリミットも来ているのだ。

悩ましい「過去最悪の就職氷河期」は、まだまだ続く。

関係者によると・・・

2010年01月21日 | テレビ・ラジオ・メディア

「クロスオーナーシップ」規制に続いて、原口総務相の発言が話題となっている。

テレビの報道が情報源を「関係者によると」と表現しているのは、「不適だ」と批判した、というのだ。

「読売新聞」によれば・・・


見出し:
TV報道「関係者」表現、総務相の批判に波紋

記事本文:

民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件について、テレビの報道が情報源を「関係者によると」と表現しているのは、「不適だ」と批判した原口総務相。その発言に波紋が広がっている。

テレビ各局は「取材源秘匿のため、関係者という表現を使うことはある」などとコメントする一方、放送免許を与える権限を持つ総務相が報道に注文を付けたことには、有識者から「報道規制と思われても仕方ない」と厳しい批判があがっている。

「我々は『報道の自由』という原則にのっとって対応している」

20日午後、東京・渋谷のNHK放送センターで開かれた定例記者会見。今井環報道担当理事は、原口総務相が前日、テレビ報道の情報源について、検察側の関係者か弁護側の関係者か分からないなどと発言したことについて、「取材源の秘匿という意味から、どうしても明かせない場合、『関係者』という表現を使っている」と説明した。

NHK広報局によると、NHKは一昨年12月、事件報道の情報の出所を可能な限り明示するよう定めた指針を策定。陸山会の事件を巡る報道では、情報源を単に「関係者」とする時もあるが、20日朝の報道は「小沢氏側の関係者への取材でわかった」と表現した。

NHKの予算などが議題になった20日午前の総務省政策会議でも、民主党の福田昭夫衆院議員が報道批判を展開。これに対し、有識者の立場で出席した東大の長谷部恭男教授らは、報道は「改善されている」などと語り、批判はあたらないという見解を示した。

民放各社は、総務相が報道の内容にまで踏み込んで批判したことについて、読売新聞の取材に「コメントはない」(フジテレビ広報部)と回答。

ただ、情報源については、TBSが「できる限り明らかにするよう努めている。一方で取材源の秘匿が必要な場合もある」と答え、日本テレビは「公平性・中立性に留意した客観的な報道に努めている」、テレビ朝日は「情報源秘匿の原則に反しない範囲で、情報の発信元を明らかにするよう努めている」とコメントした。

読売新聞は20日、原口総務相に取材を申し込んだが、原口総務相は同省を通じて「お答えする時間がない」と回答した。
(読売新聞 2010年1月21日付)


・・・さて、これをどう見るか。

報道する際、実名にすると情報源に影響がある(迷惑がかかる)場合とか、匿名だからこそ明かされた情報だとか、「関係者によると」という表現で、かろうじて伝えられるケースは多い。

これを完全に“禁じ手”にしてしまうと、市民(国民)が知るべき情報に接することが出来なくなることにもつながる。

一方、「関係者によると」という“曖昧”な形をとることで、本来なら出せない(出すべきでない)情報や、世論をある方向へと誘導する意図を持った情報を、世の中に伝えることも可能だ。

つまり、“もろ刃の剣”なのだ。

原口総務相の発言に関しては、今という、微妙なタイミングで飛び出したことが問題となる。

小沢一郎VS.検察という構造の中で、マスコミ報道の中に、「検察側のリーク」と思われるものが含まれているのは確かであり、それが原口さんの「関係者によると」発言の動機になっているように見えるからだ。

ただ、そうなると、「不適だ」という批判が、小沢幹事長擁護のためのものではないのか、と勘繰られてしまう。

小沢幹事長VS.検察ではなく、小沢幹事長VS.検察・マスコミだという認識なのか、と。

それと、放送行政のトップである総務相が「報道の内容にまで踏み込んで批判した」と受け取られた点が大きいだろう。

原口さんの発言の“真意”がどこにあるのか。

「報道内容に踏み込む」という“意識”がどこまであるのか。

総務相として、きちんと説明したほうがよさそうだ。

梅の花と中学受験

2010年01月20日 | 日々雑感

我が家の“梅の花”が満開だ。

この時期になると、数年前の、息子の中学受験を思い出す。

15の春どころか、12の春もまた大変なのだ。

息子は入学以来、ずっとバスケット三昧の日々。

今は、近づいた合唱コンクールの練習に夢中になっている。

学校が大好きで、毎日が楽しそうで、羨ましいほどだ(笑)。


中学受験最大のヤマ場は2月1~3日。

4年生くらいから頑張ってきた子どもたちにとって、最後の10日間となる。

新たなものではなく、これまで自分がやってきた(苦楽を共にしてきた)参考書や問題集を繰り返し見直すことだ。

過去問も、再度チェックを。

それぞれに、いい結果が出ることを祈ります。

風邪などに気をつけて、頑張ってください。

新聞社とテレビ局の関係にメス!?

2010年01月20日 | テレビ・ラジオ・メディア

気になる記事が「日刊スポーツ」に。

同様のものは「読売新聞」などにも掲載されているが、読売は当事者なので・・・。


ニッカンの見出し:

新聞社からテレビ局への出資制限を検討

記事本文:

原口一博総務相は19日の閣議後の記者会見で、「新聞と放送を同一資本が支配するのは言論の多様性にとって問題」と述べ、新聞社からテレビ局への出資を制限する「クロスオーナーシップ規制」の導入の検討を進める考えを示した。

原口総務相は「巨大な資本が新聞、テレビ、ラジオも統合すれば資本の思惑で言論が一色になってしまう。現行のルールが機能しているか検証し見直しを検討したい」として、現状の規制では不十分との認識を示した。

今後、総務省の作業部会や、通信、放送の行政を担う独立行政機関について話し合っている有識者フォーラムで議論を進める。民主党は先の衆院選の政策集で、クロスオーナーシップ規制を検討する方針を示していた。(共同)


・・・読売新聞と日本テレビ(写真)、朝日新聞とテレビ朝日など、新聞社とテレビ局の関係は深い。

そもそも民放テレビ局のスタート時から、新聞はテレビの“親”だったのだ。

それを“分離”するというのだから、実施となれば、良くも悪くもかなりの大ごとになる。

日本版FCC構想も含め、原口さんによる“放送界の改革”から目が離せない。

期末試験ウイーク

2010年01月19日 | 大学

今週は、ずっと期末試験。

「持込不可」、「ノート可」、「手書きノートのみ可」といった試験用語は、昔も今も変わらない。

普段より、ちょっとだけ緊張感のある教室も、いいものだ。

今日の富士山

2010年01月19日 | 大学

昨日より、だいぶ暖かい今日。

大学へ向かう途中、富士山を目撃した。

富士山が見えた日は、なんとなく得した気分だ。

日本人だねえ(笑)。