謎のキャラクターは、ジャムから生まれた「ジャムム」
発達障害も大切な個性である
「僕の大好きな妻!」
(東海テレビ制作・フジテレビ系)
難しいテーマに挑んでいるドラマだ。土ドラ「僕の大好きな妻!」(東海テレビ制作・フジテレビ系)である。
漫画家アシスタントの悟(落合モトキ)と知花(ももいろクローバーZ・百田夏菜子)は新婚の夫婦。ある日、知花に「発達障害」の特性があることが分かるのだ。
確かに知花は人の話を聞かない。忘れ物が多い。何かに集中すると他のことが出来なくなる。知花が通うクリニックの院長(中田喜子)によれば、「生まれつきの特性の問題で、障害という名前だが病気ではない」。
このドラマの長所は、2人の生活を「慌ただしくも楽しい日常」として描いていることだ。それでいて、本人の不安も周囲の戸惑いや誤解なども丁寧に物語化していく。
たとえば母親(中島ひろ子)が、娘を励ますつもりで「エジソンも発達障害だった」などと言い出す。知花は「私はエジソンじゃない。今の私のままじゃダメなの?」と反発するのだ。
また、発達障害の特性を持つ人が集まる「発達カフェ」で出会った霧島(窪塚俊介)は、障害のない人との交流を拒んでいた。だが悟は、彼からも学ぼうと頭を下げる。
百田は今回が民放連ドラ初主演。持ち前の明るさが知花に投影され、応援したくなるヒロインを現出させている。
見ていて、発達障害もその人の大切な個性であることが伝わってくるドラマだ。
(日刊ゲンダイ「TV見るべきものは!!」2022.06.29)
想像力を味方に 新鮮な表現
大塚製薬 ポカリスエット
「ふたりで海に行く」篇&「ふたりで金魚すくい」篇
かつて脚本家の倉本聰さんが新卒で入社したのは、ラジオのニッポン放送だった。
先日お会いした時も、「ラジオはテレビと違って聴き手が想像で映像を作る。それはプロが作る映像より優れています。ラジオドラマは最高の映像芸術なんですよ」と語っていた。
ポカリスエットの新作CMを眺めながら、そんな話を思い出す。家の裏庭にいるのは、吉田羊さんと鈴木梨央さんが演じる、おなじみの母と娘だ。
「ふたりで海に行く」篇では、母が金だらいに入れた豆を揺さぶり、波の音を聴かせてくれる。続けて、手のひらを中に入れて動かせば、今度は砂浜を歩く光景が目に浮かぶ。
また「ふたりで金魚すくい」篇は、金魚が描かれたテーブルクロスを水槽に見立て、一緒に金魚すくいに興じる1本だ。見えないはずの金魚が泳ぎ回る様子や、飛び散った水の冷たさまでもがこちらに伝わってくる。
ラジオドラマの世界にも通じる、受け取る側の想像力を味方につけた新鮮な表現。2人を見ていると、想像することは愉快な創造行為だと分かる。
(日経MJ「CM裏表」2022.06.27)
初夏のエンタメ・美女の魅力を語りつくす
「キレイだな」「かわいい娘だ」。そう思って見ていた女優たちは、いつしかおとなになった。その美貌は衰えたか? そんなことはない。むしろ、若い頃よりもオンナに磨きがかかったように見える。40・50代を迎えて、彼女たちはより魅力的になった。そんな「美熟女優」に、いま注目が集まっている。
今宵、女優に一家言ある有識者10人に彼女たちの魅力を語りつくしてもらおう。「フェロモン」「美貌」「演技力」「知性」「包容力」の5部門について評価をしてもらった。
最終的に、有識者たちの圧倒的な支持によって1位に輝いた女優が松たか子(45歳)だ。
「話題作となったドラマ『カルテット』(TBS系)や『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジ系)では、表情の変化だけでその場の空気感すらも視聴者に伝える技術を見せていました」(メディア文化評論家の碓井広義氏)
「三谷幸喜さんや坂元裕二さんなど大御所の脚本家から重宝されているのは、間違いなく演技力あってのことでしょう。三谷作品は派手な動きをする役者が多いなか、いつでも松さんはそつなく演じている。熟練の業だと思います」(キャスターの徳光正行氏)
「知性」部門は、二人の美熟女優が圧倒的な支持を得た。そのうちの一人で、2位につけたのは小泉今日子(56歳)だ。社会学者の太田省一氏はこう語る。
「読売新聞の書評欄を担当したりエッセイを書いたりと、女優業と同時並行で文筆業も続けるのは頭が良くなければできない。こうした実績があるからか、出演作には『グーグーだって猫である』など文学的・芸術的な作品が多いように感じます」
小泉とは僅差で1位に輝いたのは天海祐希(54歳)だ。『離婚弁護士』(フジ系)では弁護士役、『緊急取調室』(テレ朝系)では刑事役を務めるなど、天海は頻繁に知性的な職業人を演じている。
「こうした役柄は、誰にでも務められるわけではありません。視聴者に違和感を持たせず、説得力のある演技ができるのは地頭が良い証拠です。 番宣などで時々出演しているバラエティ番組を見ると、何気ない一言や自然な振る舞いからも彼女の知性を感じられます」(社会学者の太田省一氏)
何をしても見守ってくれそうな人
最後に「包容力」部門を見てみよう。有識者たちは「どれだけ自分を甘やかしてくれそうか」という点を重要視した。
「何をしても見守ってくれる。そんな男の願望をかなえてくれるのは和久井映見さん(51歳)ではないでしょうか。'17年に放送されたNHKの朝ドラ『ひよっこ』では寮の舎監を演じていましたが、これ以上ないほどハマッていました。和久井さんには、甘えたくなってしまう度量の広さを感じます」(メディア文化評論家の碓井広義氏)
他には米倉涼子(46歳)や真矢ミキ(58歳)などの名前も挙がった。
そうした中、栄えある1位に輝いたのは石田ゆり子(52歳)だ。
「石田さんからは何をしても許してくれそうな強烈な母性を感じます。彼女はSNSで愛犬や愛猫と過ごしている日常を発信しているのですが、見ていて本当に癒やされるんです」(キャスターの徳光正行氏)
「今年出演した『妻、小学生になる。』(TBS系)が印象に残っています。親から虐待を受けている女児に石田さんが話しかけるシーンがあるのですが、彼女の優しさが溢れていて、プライベートの彼女も本当に温かい人なんだろうなとさえ思えてしまいました」(社会学者の太田省一氏)
美熟女優ナンバーワンは!
では、「美熟女優」の中で総合ナンバーワンは誰なのか。
各部門の点数を足してみると、フェロモンで5位、美貌で3位、演技力で11位、知性で3位と、すべての部門で高評価を得た石田が全体でも首位に立つことがわかった。
そして2位は宮沢りえ、3位は天海祐希、4位は沢口靖子となった。
自分の「推し」が何位か確かめつつ、彼女たちの魅力を噛みしめてみてはいかがだろうか。
(週刊現代 2022年6月25日号より)
【旧書回想】
週刊新潮に寄稿した
2020年4月後期の書評から
立川談四楼
『しゃべるばかりが能じゃない~落語立川流伝え方の極意』
毎日新聞出版 1650円
他者に何かを伝えようとする時、その人の個性が出る。書けば文体、しゃべれば口調。立川談志の口調は「断定型」だが、真似ても劣化コピーにしかならないそうだ。かつての弟子として、落語家として、さらに師匠としての体験を交えて語る「伝わる」の極意だ。(2020.03.30発行)
三島邦弘
『パルプ・ノンフィクション~出版社つぶれるかもしれない日記』
河出書房新社 1980円
2006年、著者は単身でミシマ社という出版社を興した。動機はシンプル。自分が思う「おもしろい本」を出したかったのだ。本書は過去5年分の回想記であり、「本」をめぐる思考の記録でもある。この小さな版元は、なぜ今もリングに立ち続けていられるのか?(2020.03.30発行)
石原慎太郎『老いてこそ生き甲斐』
幻冬舎 2298円
87歳の著者は紛れもない現役作家だ。「老いること」の先達として仕事や人生を率直に語っている。その根底にあるのは「何事も老いてもあきらめてはならぬ」の精神だ。同時に「死」を見つめる冷静な視線が光る。弟の裕次郎について「死に様は無残なものでした」と告白。また三島由紀夫や江藤淳の死に触れた文章も、「男はやはり死に際」を持論とする、著者ならではの洞察と哀悼に満ちている。(2020.03.25発行)
柚月裕子『暴虎の牙』
角川書店 1799円
衝撃の警察小説『孤狼の血』から5年。一昨年の『凶犬の眼』に続く本書で、ついにシリーズが完結する。変らないのは登場する男たちが魅力的であることだ。破戒僧の如き圧倒的な存在感を放つ刑事、大上。その愛弟子である日岡。そして「わしらにあるんは、力だけじゃ」と突き進む、独立愚連隊の沖。命懸けで筋を通そうとする男たちの挽歌であり、ジャパン・ノアールの到達点を示す一冊だ。(2020.03.27発行)
梅山いつき
『佐藤信と「運動」の演劇~黒テントとともに歩んだ50年』
作品社 3080円
紅テントの唐十郎と黒テントの佐藤信。60年代後半から70年代にかけて、演劇の世界を大きく揺さぶったのがこの2人だ。著者は佐藤の愛弟子にして研究者でもある。本書は現在まで続く佐藤の活動、いや運動の本質に迫ろうとする試みだ。10代で出会った「演劇的なもの」に始まり、自由劇場、演劇センター68/71など、アングラ演劇の軌跡が明かされていく。巻末の年譜もそのまま現代演劇史だ。(2020.03.31発行)
【旧書回想】
週刊新潮に寄稿した
2020年4月前期の書評から
長谷部恭男『憲法講話~24の入門講義』
有斐閣 2750円
法は「人として本来すべき実践的思考を簡易化する道具」だと著者は言う。また頼り過ぎも危険であると。その上で使える道具としての憲法を講じていく。平和主義と自衛権。表現の自由と規制。内閣総理大臣の地位と権限。現代社会を再検証するための教科書だ。(2020.03.10発行)
小川和久『フテンマ戦記~基地返還が迷走し続ける本当の理由』
文藝春秋 1980円
軍事アナリストの著者は長年、普天間問題に関わってきた。本書はその回想録であると同時に、日本の民主主義に対する警鐘だ。無責任な首相や防衛官僚だけでなく、最高権力に近い奸臣の存在も指摘する。問題の経緯と原因を明らかにした貴重なドキュメントだ。(2020.03.15発行)
小田嶋 隆『ア・ピース・オブ・警句~5年間の「空気の研究」2015-2019』
日経BP 1760円
アベノミクス、モリカケ問題、文書改ざん、東京五輪など、現在まで続く事象の本質とは何なのか。5年分の時評コラムを読み進めながら、「そうだったのか」と何度も得心がいった。様々な局面で露呈する「事実」の軽視。それはコロナ禍の現在も変わらない。(2020.03.16発行)
崑プロ:監修『映画「東京オリンピック」1964』
復刊ドットコム 4950円
昭和39年10月10日、国立競技場。古関裕而作曲「オリンピック・マーチ」と共に5千人を超える選手が入場し、東京五輪が始まった。この世紀の祭典を記録したのが市川崑監督率いる550余名の制作陣だ。企画、準備、本番、編集など極秘作業の全貌が明かされる。(2020.03.29発行)
民放各局の「夏ドラマ」
注目ポイントをチェック!
4月からの春ドラマが続々と幕を閉じています。そして、もう少しすれば始まるのが、夏ドラマ。
各局の新作、その注目ポイントをチェックしてみたいと思います。
脚本・俳優・制作陣
新たなドラマを見ようとする時、確認したい要素が3つあります。
まずは、どんな物語なのか。それを書く脚本家が誰なのかも重要です。
次に、出演者(キャスト)。どんな俳優さんが、どのような人物を演じるのか。そのマッチングも気になります。
そして、3番目に制作陣(スタッフ)を挙げたいですね。プロデューサーや演出などの作り手によって、出来具合も大きく変わるからです。
日本テレビ系『家庭教師のトラコ』
『家庭教師のトラコ』は、『家政婦のミタ』などで知られる遊川和彦さんのオリジナル脚本です。
ヒロインの「謎の家庭教師」を演じるのは、久しぶりの連ドラとなる、橋本愛さん。
誰もが気づくように、タイトルの『家庭教師のトラコ』は「家庭教師のトライ」のパロディです。
とはいえ、「お金と教育」というシビアな裏テーマもありそうで、遊川さんが何を仕掛けてくるのか、興味深いです。
日本テレビ系 土曜ドラマ『初恋の悪魔』
『初恋の悪魔』の注目ポイントは、何と言っても、脚本が坂元裕二さんであることに集約されます。
坂元さんが、あの『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系)の次に、どんな作品を繰り出してくるのか。いい意味で、一筋縄ではいかないドラマになるはずです。
『初恋の悪魔』という、一見恋愛ドラマ風の可愛らしいタイトルと、「刑事コメディ」という中身とのズレが、見る側の想像を膨らませてくれますよね。
林遣都さんと仲野太賀さんのダブル主演で、そこに加わるのが松岡茉優さん。
演出は、『獣になれない私たち』などの大ベテラン、水田伸生さんです。
TBS系 金曜ドラマ『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』
金曜ドラマ『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』は、脚本・キャスト・スタッフの三拍子が揃った作品と言えるでしょう。
東大卒のパラリーガル「石子」と高卒弁護士「羽男」のコンビを演じるのは、有村架純さんと中村倫也さん。単独主演が可能な2人がダブル主演で臨む、「リーガル・エンターテインメント」です。
脚本は西田征史さん。NHK朝ドラ『とと姉ちゃん』や『怪物くん』(日テレ系)などを手がけてきた実力派です。
そして制作陣ですが、プロデューサーは新井順子さん、演出が塚原あゆ子さんという『アンナチュラル』などの名コンビなのです。この2人が担当すると聞いただけで、見たくなる1本となっています。
TBS系 日曜劇場『オールドルーキー』
視聴者の考察が盛んだった『マイファミリー』に続き、今月26日からスタートする日曜劇場が『オールドルーキー』です。
主人公は、現役を引退した元サッカー日本代表選手。セカンドキャリアとして、スポーツマネジメントの世界に挑戦します。
引退したスポーツ選手の話と聞けば、最近まで放送されていた木村拓哉さんの『未来への10カウント』(テレビ朝日系)と重なります。
脚本は、その木村さんの『HERO』シリーズなどで知られる、福田靖さん。
主演は、しばらくハードボイルド作品が多かった、綾野剛さん。
この2人が組んだら、どんな物語が展開されるのか。やはり注目です。
TBS系 火曜ドラマ『ユニコーンに乗って』
TBSの火曜ドラマ枠は、『逃げるは恥だが役に立つ』(16年)や『恋はつづくよどこまでも』(20年)など、特に女性視聴者の支持を集めてきました。
この夏、登場するのは『ユニコーンに乗って』。
脚本は、昨年の『ナイト・ドクター』(テレビ朝日系)などを書いてきた、大北はるかさんのオリジナルです。
プロデューサーに、『私の家政夫ナギサさん』などの松本友香さん。
若き女性CEO(永野芽郁さん)と、転職してきて彼女の部下となる中年男(西島秀俊さん)の物語ですが、ふと、米映画『マイ・インターン』(15年)を思わせます。
アン・ハサウェイが社長を務める通販会社に、シニア・インターン制度で採用されたのがロバート・デ・ニーロ。
はじめは異質だった“おじさん”が徐々に存在感を増し、女性社長との信頼関係も生まれていきました。
西島さんが演じる、冴えないおじさんも、きっと周囲を変えていくのではないでしょうか。
何より、映画『ドライブ・マイ・カー』など、近年の西島さん出演作にハズレなしだと思っているので、期待しています。
フジテレビ系 月9『競争の番人』
そして、夏の「月9」が『競争の番人』。
坂口健太郎さんと杏さんのダブル主演で、「公正取引委員会」という珍しい舞台が興味を引きます。
原作は『元彼の遺言状』と同じく、新川帆立さんの同名小説。
脚本を『半沢直樹』や『下町ロケット』などの丑尾健太郎さんが担当するので、キレのいいアレンジが加わるはずです。
テレビ朝日系『六本木クラス』
『六本木クラス』も、かなり話題になっていますね。
人気の韓国ドラマ『梨泰院クラス』のリメイク、果たしてどんなふうに置き換えられるのか。
主演は竹内涼真さん。相手役が香川照之さんというのも期待大です。
かつては日本でヒットした映画が韓国や台湾でリメイクされることが多かったわけですが、その逆パターン。
成功すれば、今後も韓国などのヒット作の日本版が急増するかもしれません。
テレビ東京系『晩酌の流儀』『量産型リコ─プラモ女子の人生組み立て記─』
テレビ東京の深夜は、夏も見逃せません。
『晩酌の流儀』(金曜深夜)は、栗山千明さんがいかに美味しく晩酌できるかを追求する作品。時間帯的にも、一緒に飲みながら見るのは楽しそうですね。
乃木坂46・与田祐希さん主演の『量産型リコ─プラモ女子の人生組み立て記─』(木曜深夜)は、女子がプラモデルにハマっていくというテーマが新鮮です。
夏ドラマの楽しみ方
先日、ある雑誌記者の方から、「かつて、春や秋と比べると、夏ドラマは制作側に力が入っていないという説もありましたが、いかがですか」と訊かれました。
今も少しはその名残はあるかもしれません。しかし、その分、キャストやテーマで冒険できる面もあります。
思わぬ発見があったりするのは、夏ドラマの楽しみのひとつではないでしょうか。
“令和の麻理鈴”を
全身で表現した今田美桜
「悪女(わる)」が
現代社会に問いかけたこと
先週、「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~」(日本テレビ系)が最終回を迎えた。
主人公は大手IT企業に入社したポンコツ新人、田中麻理鈴(今田美桜)だ。「備品管理課」を振り出しに複数の部署を回りながら、いつの間にか社内の空気を変えてきた。特に、女性の管理職5割達成を目指す「JK5推進室」に所属してからが興味深い。
たとえば、女性社員の誰もが管理職になりたいわけではないことが分かってくる。また、仕事の負担増で結婚生活が危うくなったり、お飾り的な存在で能力を発揮できない女性管理職もいたりする。
さらに、働く女性が抱える問題が、実は男性側の問題と背中合わせだと気づく麻理鈴。仲間の力を借りながら、男性社員の声なき声を収集していく。
30年前、同じ日テレ系でドラマ化された際に、麻理鈴を演じたのは石田ひかり(今回、特別出演)だ。今田は、働く女性をめぐる環境の変化も踏まえた、令和の麻理鈴を全身で表現して見事だった。
そして、麻理鈴が敬愛する先輩社員・峰岸雪(江口のりこ)の存在も大きい。女性の出世を阻む「ガラスの天井」に挑戦する峰岸が、時折見せるおちゃめぶりは江口ならでは。
終盤の麻理鈴と峰岸の対立も含め、あくまでもエンタメでありつつ、社会や企業への問いかけを盛り込み続けてきた制作陣にも拍手だ。
(日刊ゲンダイ「TV見るべきものは!!」2022.06.22)
週刊現代 2022.06.25号
今回の記事では、
石田ゆり子さん、
松たか子さん、
和久井映見さん、
井川遥さんについて、
話をさせて
いただきました。