雑貨屋さんで、つい購入(笑)
日刊ゲンダイに連載している番組時評「TV見るべきものは!!」。
今週、取り上げたのは、フジテレビ「アイアンシェフ」だ。
今どき珍しい、バブリー臭充満の“新番組”だった。
贅沢に見えるセット。
一般市民にとっては敷居の高そうな料理店。
そこで腕をふるう、一流といわれるらしい料理人。
彼らが作る、贅沢と思われる食材を使った、贅沢そうな料理。
それを、「私たち美食家は味がわかるから」という“したり顔”で
食べるセレブ風審査員たち。
2012年の今、視聴者は、何が悲しくて、そんな光景を、テレビの
こちら側から眺めていなくてはならないのか。
下の原稿を書き送った時点では、まだ数字は出ていなかったが、
豪華2時間スペシャルに仕立てた初回の視聴率、10.7%。
フジテレビ側の皮算用の半分だろう。
あまり視聴者を侮ってはいけません(笑)。
「アイアンシェフ」
“凱旋帰国”と豪語していたが・・・
“凱旋帰国”と豪語していたが・・・
フジテレビが鳴り物入りで“復活”させた「料理の鉄人」、いや「アイアンシェフ」。26日にその1回目が放送された。フジは記者会見で、単なるリメイクや逆輸入ではなく「凱旋帰国」と豪語していたが、そうは見えなかった。
確かに変わった点はある。かつての鹿賀丈史に代わって勝負を仕切るのは玉木宏だ。当然、鉄人たちも審査員も当時とは違う。
しかし「キッチンコロシアム」という舞台が象徴するように、基本的な中身は同じだ。一定条件の中で料理人を競わせ、それを過剰ともいえる演出でショーアップすることに尽きる。
成功した過去の番組が語られる時、最高視聴率など「よかったこと」のみにスポットが当たる。一方、その番組が衰退し淘汰されていった理由に触れることはない。
はっきり言って、「料理の鉄人」も中期以降はあまり感心しなかった。その最大の理由は審査員にある。途中から芸能人が目立ち、当の料理人はもちろん視聴者も「あんたに言われたくないよ」とツッコミを入れたくなったのだ。
今回もその感が強い。秋元康や林真理子などに混じって、明らかに映画の宣伝のために出てきた周防正行・草刈民代夫妻や伊藤英明が審査しているのは一体何なのか。岸朝子や平野雅章などが、専門家としての名前を賭してジャッジしていた姿が懐かしい。
(日刊ゲンダイ 2012.10.30)
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さてさて、プロデュースしたドキュメンタリー「テルミヌス神と美の匠たち〜駅と街の記憶」。
北海道で、このあと午前2時前から(笑)放送です。
2012年10月30日(火)
25時58分~26時53分(55分)
札幌テレビ(NTV系)
「テルミヌス神と美の匠たち〜駅と街の記憶」
25時58分~26時53分(55分)
札幌テレビ(NTV系)
「テルミヌス神と美の匠たち〜駅と街の記憶」
札幌駅には、ギリシャ神話の「テルミヌス神」をテーマに創られた作品が多くある。作品に込められた芸術家の想いと創作風景を織り交ぜながら、普遍的な「駅」のあるべき姿を探っていく。
出演: 流政之、田村能里子、八鳥治久、五十嵐威暢、臼井幸彦
撮影・ディレクター: 藤島保志
プロデューサー: 碓井広義
制作: アウンビジョン