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誤報から学ぶ

2013年08月09日 | 時事
「関西で震度7」と誤報=緊急地震速報、新幹線一時停車―地震計トラブル・気象庁
誤報でよかった・・・第一に感じる皆の共通認識はこれに尽きますね。

ただ、問題だと思うのは「二の句」です。「なぜ誤報が起きてしまったか」・・・どのメディアもこの論調で、気象庁の謝罪会見をメインにしていました。確かにまだ的中率100%でない分野ですし、気持ちとして今後頻発しては困る事例であることは当然理解できるので、原因究明が必要ないとは言いません。しかし、自分としてはそんなことは一番最後でいいと思うのです。「誤報でよかった」と思った次に考えないといけないのは、「その際どうしたか」を振り返り、次に生かす策を考えることなのではないでしょうか。

「水を飲むと人間は200年以内に100%死ぬ」というジョークがありますが、大地震に関しても文献が示す通り、千年以内に100%起こるものであるということもまた自明なことです。そして、古今東西、いまだそれを完璧に予知した人は存在していません。緊急地震速報は「既にある場所で起きた地震をすぐ日本全国に知らせるシステム」なわけで、予知でなくその名の通り“速報”なのですが、その性質上、往々にして一定の割合で誤報が混じることは言わば仕方のないことだと思います。そもそもこんなシステムが日本に存在していること自体が画期的なことであり、まだどの国も真似できない世界の最先端テクノロジーの結晶が「緊急地震速報」なのです。もし今回のことで気象庁に文句を言って、「じゃあもう速報止めます」と言われてしまったら、メディアは責任を取れるのでしょうか。

自分の記憶では、東日本大震災直後の混乱期は別にして、これほどの規模で広範囲にまたがる誤報は初めてだったのではないかと思います。「オオカミ少年のようになっては困る」と言いたくなる気持ちもわかりますが、そういうコメントをする人が、本当にあの物語の羊飼いのような「イタズラ心」で気象庁が今回の誤報を発したと思っているとは、考えたくありません。彼らは真剣にオオカミが来ると思って誤報を出したのです。それを聞いた人間が、同じくらい真剣に事に当たれたかどうか。つまり、今回行政や自治体、各種業界、学校や施設等が速やかに被害が最小となる行動を取れていたのか、そちらを重点的に検証する必要があるでしょう。

では、今回の速報を知って僕はどうしたか・・・。実は、全く知りませんでした。夕方自宅でテレビを見て、この誤報騒動を初めて知ったわけです。携帯も手元にありませんでしたし、鳴った形跡もありませんでした。テレビもネットもつけていませんでした。もし本当に速報通り岐阜にまで被害が及ぶ大地震であった場合、致命的な立場にいたと言えるでしょう。これは、自分の身を守るという意味だけではありません。教員には公務員として、有事の際に学校の子ども達やその地域を支える義務があります。情報が活用できる環境にいなかった点を、大いに反省しないといけないと思いました。

仮にこういう誤報が頻繁にあったとしても、いずれ本当のオオカミが100%やってくることが分かっている以上、抜き打ち避難訓練よろしく毎回真剣に事に当たる癖を身につけたいものです。