(株)カプロラクタム-blog

果たしてココは何処なのだろうか・・・
否!ココは(株)カプロラクタム代表取締役兼社員αのweblogである!

学力調査都道府県大会

2013年08月28日 | 時事
学力調査、地域の差に改善傾向 文科省「底上げ進んだ」
今更ですが、なぜテスト結果が発表されると内容をかっ飛ばして都道府県別の争いになるのでしょう?

この学力調査の問題点については過去にも何度か指摘していますが、そもそも報道がこの都道府県別の結果分析に終始していることに違和感を覚えます。例えば秋田がこれで調査開始以来6回連続トップなわけですが、だからといって次回のPISA調査に秋田県から精鋭を送り込めるわけではありませんし、秋田出身の人物が何か名高い発見をした人物を量産したとか、革新的な事業を成功させたと言う話はまだ聞こえてきていません。マスコミがアホなのはいつものことですが、何をもって国民の学力とするかの尺度すら曖昧な状態で、しかもそれを評価する問題すらまともに作られていないのに、たかが12歳や15歳の子どもが何点取ったかで一喜一憂している都道府県の教育委員会というのも、非常に滑稽に映りますね。そもそも成績上位の子ほど我先に県を飛び出して大都市の有名大学を目指し、そっちで就職してしまいますから、郷土の子どもの学力が県の未来に寄与するなんてことはほとんどないのですが。

誰も指摘しないのも不思議なのですが、この調査の最大の落ち度は追跡調査になっていないことです。例えば前述のように秋田県の小6では毎回1位なわけですけど、実は中3になると依然高いにしろ毎回1位ではありませんから、ある意味年齢が上がるにつれ退行しているとも取れます。逆に岐阜県では、小6では毎回2~30位台と振るわないものの、中3では今回3位と毎回上位を占めているという「伸び代最大県」です。秋田のチートと岐阜の小→中躍進については不肖この私めが過去に論破させていただきましたが(笑)県教委ときたらそれに気づいて誇るどころか「岐阜はなぜ中学校は高いのに小学校は低いのか」をテーマに議論しているのです。全国では珍しい小中で教員異動が当たり前の県なのに、県教委の脳内ではあたかも岐阜に「小学生」と「中学生」が別種として存在しているような論調です。これでは岐阜のお偉方に小学生を経て中学生になるという認識が欠落しているとしか思えません。そもそも人の脳細胞というのは10代半ばで最盛期を迎え、後は後退していくばかりですから、15歳時の学力が最も重要であるというのは真理かもしれません。PISA調査も15~6歳を対象に行いますしね。しかし、優秀な子どもが将来優秀な結果を出すとは限りませんし、優秀がゆえに間違った道に手を染める場合も往々にしてあるのが世の中です。学力調査もこれで7年目になり、初年度に15歳だった子も来年には大半が社会人になる年齢に達するわけです。学力が将来にどう影響するかを本気で追跡調査するなら、中3と同じ問題でいいので、ぜひ来年は第1回にこのテストを受けた23歳の人達に学力調査を行って欲しいですね。学力がいかに日本の将来を担う人材の底上げを成したかの確かな指針になると思うのですが、そんな勇気は文科省にはないでしょう。なぜなら23歳はもう文科省の管轄でないわけですから。

こんな無責任なテストに来年もまた50億かけるのか・・・いい加減、そのお金で福島に漏れないタンク作ろうよ。