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はだしのゲン

2013年08月19日 | 時事
「はだしのゲン」閲覧を制限 松江市教委「描写過激」
広島の反対側ではピカドンについて知ることもできないのですね。

「蛍の墓」もですけど、戦争をモチーフにした作品はきれいな描写だけでは描ききれません。それは、「風立ちぬ」から喫煙表現を取り除くように無意味なことです。全体を見ずに、一部の表現だけを捉えて文句をつけたり揚げ足を取ったりする風潮が最近ことさら多いように思うのは気のせいでしょうか。

小学校では3年生から多くの国語教科書で戦争教材が始まるので、それに合わせて「はだしのゲン」を読ませたりすることは多いです。自分も3年生の時に読んだ覚えがありましたが、とにかく絵のグロさで最後まで読めなかったような気がします。教員になってこっそり図書館で読み、しっかり読めばこの作品が戦争の頃の様子や雰囲気、考え方を知る上で最高の教材となることは間違いないと思いました。ただ、残酷なシーンや差別的な表現、性的な描写などがたくさん含まれているのは事実です。まあ、我々が子どもの頃はいろんな漫画でよく首や内臓が飛んだり漫画の表現を用いて人を罵倒したりモッコリしたり(笑)したものですが、今のキレイな漫画に慣れた子ども達には、我々以上に刺激が強いのかもしれません。

しかし、だからといって禁止するのではなく、そこで大人がしっかり説明すれば済むのではないでしょうか。昔は大体家の祖父母に聞けばいつでも戦争について聞けたわけですが、今ではその祖父母ですら戦争を知らない世代になってしまっています。それでもちゃんと聞いていれば伝えることはできるはずです。
自由に好きな本が読める図書館で、「はだしのゲン」を手に取る子どもは滅多にいません。絵も古臭く、興味をひくタイトルでもないので、小さい子が知らずに読んでしまうことはありえないといってもいいかもしれません。でも、だからといって棚に置かないのは、戦争について我々大人が子どもに教える責任を放棄しているのに等しい行為だと思います。もし子どもが読んでいたら、戦争について親子で考えるまたとない機会を得たと捉えて大いに褒め、過激な表現についてはさりげなく補則してやればいいのではないでしょうか。むしろ時機を見て、遭えて手に取るように促したりしていく必要がある本だとさえ思っています。

ちなみに報道している人も含め、もっともらしく批判している人のどれくらいが読破しているのか気になりますね。