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燃料電池車

2014年11月18日 | 時事
燃料電池車、トヨタが世界に先駆け来月市販へ
一時は1台1億円と言われていた燃料電池車(FCV)が、ついに量産体制に入った模様です。

名前もずばり「MIRAI/未来」ということで、新幹線の命名則のように象徴的な言葉を持ってきたようです。確かハイブリッド車であるプリウスも、ラテン語で「~に先立って」と言う意味があるらしいですしね。そのプリウスは1997年、リーフは2010年ですから、燃料電池車の登場は2020年頃かと思っていましたけど、予想外に早い印象です。もしかしたら東京五輪の頃には東京中この車が走っている未来があるかもしれません。
ハイブリッドでなくとも、ガソリン車自体かなり燃費が向上し、最近ではガソリン価格の下落傾向が続いていますが、それでもリッター150円と高水準であり、将来的な原油枯渇の危機が回避されたわけではありません。日産が進める電気自動車路線も、東日本大震災をきっかけに原発依存の電力事情に警鐘を鳴らす動きも出てきています。そもそも火力発電で作る電気はエコだとは言えません。その点燃料電池車は「水素」というどこにでもある物質を使い、「水」を排出するだけであるため、日本の抱える化石燃料の輸入依存という問題を解決しつつ、さらに二酸化炭素やその他の有害物質を排出する問題まで一気に解決できる、夢のような技術であるわけです。まあ、「水素」は水を電気分解して作りますから、環境的に結局電気自動車と同じに見えるかもしれませんけど、大きな違いは車体に取り込める容量と補給にかかる時間の差です。電気自動車は電池の関係でそれほど長距離は走れませんし、充電は最低30分、普段は夜通しかかりますから、遠出には向きません。一方燃料電池車は水素と言う燃料を積み、必要に応じて発電する仕組みですから、電池容量を問わず、補給も3分とガソリンの給油と大差なく済み、それでいて600km走るそうですから、ガソリン車並みに走るわけです。以前ガソリン価格と入れ方で検証しましたが、1km走るのに必要なガソリン価格は安くて10円、現状は12円と言った所です。水素の価格もそれに習い、1km10円程度で供給されるようですし、国の方針によってさらに4割ほどの安値を目指すとの事ですから、将来的には1km4円と、ハイブリッド車(1km5円)以上に安くなる可能性もあるそうです。

ただし、いかに価格や燃料代を抑えたとしても、既に巷に溢れ返っているプリウスのような普及を目指すのはまだまだ夢物語でしょうね。少なくとも自分には手が出せません。まず現状、補給所と鳴る水素ステーションが少なすぎて、地方在住者には手が出せない代物であることは明らかです。ガソリンスタンドが各地にあるからこそ、我々は安心して車で遠出ができるわけですが、水素ステーションの設置にはかなりコストがかかりますし、電気自動車のように家庭で充電と言うわけにはまだ行きません。例えば水を電気分解し、自宅で水素を作るような供給設備をつけようとすると、それだけで車体価格を上回りそうです。また、安価に作れそうな都市ガスなどから水素を発生させるシステムでは、残念ながらCO2が発生してしまい、意味がありません。あと、大気中の酸素を消費するという仕組みも少々引っかかりますね。大丈夫なのでしょうか?
そもそも価格が500万とまだまだ普通車の2倍ですし、それすらも国から200万も補助をもらっている始末です。これ、個人レベルではお得かもしれませんけど、国の補助と言うのは税金が財源ですから、我々1人1人が燃料電池者を持つ人達にお金を払っている形になるわけです。ただでさえ未来世代に対する無慈悲な借金戦争をしかけている現代人が、このMIRAIを冠する車のせいで未来人にさらなる追い討ちをかけることは好ましくはありません。ある程度普及するまでは仕方がないとしても、どうせ買うのは高所得の方達ばかりでしょうから、いずれは受益者負担で考えてもらいたいものです。

ついでに、何故名称が「燃料電池車」なのでしょう?水素発電車でないのこれ?