かったかくんのホームページ

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教えた生徒から学ぶこと

2010年01月12日 | Weblog
3年前の夏休み、教えた生徒姉妹が職員室にやってきました。


「先生、ピアノを貸してもらえないですか。」
「どうするの。」
「お姉ちゃんの結婚式で演奏するんです。妹がピアノで、わたしが歌うんです。うちには、ピアノがないから、貸してくれませんか。お姉ちゃんには内緒で練習をしたいのです。」



 その言葉に、姉妹の優しさとほのぼのしたものを感じることができました。


 しばらくしてから音楽室に行って、窓越しに練習を見ていました。いい笑顔を浮かべながら、一生懸命に練習をしていました。あったかな雰囲気でした。


 式の中でお姉ちゃんは、この心温まる贈り物に、きっと喜んだことでしょう。何ものにもかえることができない素敵なプレゼントでした。式が終わってから、数日して、
「先生方、あの時はありがとうございました。」
とお菓子を持ってきてくれました。いろんなところに心配りができる生徒です。そして、姉妹です。



 そんな生徒は、高校を出てから、ケーキ店に就職。その頑張っている姿を何度か見たことがあります。白い作業着を着て、一生懸命にケーキ作りをしていました。ふだんとまた違ったプロを感じさせる手つきでした。




 きっとその仕事ぶりは、店の方から信頼されているのでしょう。ケーキ店のシェフと一緒に母校の食物科に、「ケーキづくり」の指導に行ったことが、昨年、大分合同新聞に掲載されました。


「教えることは、緊張するけれど、みんながしっかり話を聞いくれて、ケーキを作っているのを見ると、うれしく感じます。」




というコメントと写真が載っていました。


いろんなことにチャレンジをしています。2年続けて、指導に行ったそうです。
 後輩たちにもきっと、優しく接してあげたのでしょう。



 今日、その生徒が学校にやってきました。仕事が休みということです。
「みんなでロールケーキを食べて下さい。」
生徒がお店で作ったロールケーキ。きれいな箱に入っていました。
 箱の表には、きれいな文字で、
「感謝」という言葉が入っていました。
 「感謝という言葉を素直に使えるなんてすごいですよね。」
と職員室にいた先生たち。



 そうですよね。誰かに支えられているのだけれど、「感謝」するっていることをふと忘れてしまっていることは多いですね。先生たちが言っているように、いろんな人たちに、「感謝」できるっていうことを、生徒から学びました。



 心の美しさは、現代の社会の中で、本当に失われつつあると痛感することが多いです。でも、生徒は、家族のあふれる愛情の中で、しっかりと持ち続けています。
しばらく話をしました。正月の様子、仕事の様子・・・いろいろ悩みながらもまっすぐに進んでいることを感じました。



 職員室に新鮮な空気を感じる時間でした。