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二人芝居の観劇をしました

2009年02月08日 | Weblog
 中津文化会館で作家松下竜一さんの生涯を描いた二人芝居「かもめ来るころ~松下竜一と洋子」の中津公演がありました。二人芝居の公演の千秋楽でした。立ち見がでるほど満員でした。

 松下さんは、生まれながらに肺が弱かったのですが、家業の豆腐屋をついで、そのあと作家としてまた市民運動のリーダーとして、常に弱者の立場に立った生き方をしてきました。松下さんの話を始めて聞いたのは高校時代でした。高校の先輩ということで理科室に松下さんを招きました。そこで討論会がありました。

 松下さんは「豆腐屋の四季」で作家デビューしました。ベストセラーとなりドラマ化されました。松下さん役の緒形拳さんが主役で川口晶さんが松下さん連れ合いの洋子さん役でした。豆腐屋を営む夫婦の愛情などが描かれています。中津で何度かロケがありました。優しさとは・・・を感じさせる作品です。

 一方、周防灘開発、特に豊前火力発電所の反対運動をおこしました。学生時代、松下さんの運動を新聞やテレビで見てきました。環境権というものを社会に初めて訴えた闘争だったと思います。前面で松下さんの運動に協力しなくとも、心の中では松下さんの活動に支援していた人も数多くいたと思います。自分もその一人であったのかもしれません。

 学生時代に「豆腐屋の四季」を読みました。その中での優しさ、過酷で厳しくもあった豊前火力発電所反対運動の先にある優しさ。「鳥も草も祖先と共存してきました。私たちも後世に引き渡さなければなりません。」というのが松下さんの考え方でした。「優しさ」を守るために戦ってきました。その活動を俳優の高橋長英さんと斉藤とも子さんが演じました。観衆に多くの感動を与えてくれました。


 松下さん夫妻が、ラストシーンでカモメに餌をやるシーンが感動の集約でした。利権で必要とされていない多くの建物が作られ、また造成のために自然を破壊している様子をよく見ることがあります。松下さんは、その理不尽な社会の部分を訴えてきました。純粋な心からであったと思います。そして、生涯を閉じました。松下さんが私たちに「今、何が大切か」というものを教えてくれました。松下さんが残した功績は大きいと思います。

 舞台に心が奪われた時間でした。

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