〇今の世界も日本もスペイン風邪パンデミック(1918年~1919年)以後で最大のウイ
ルス・ストームに見舞われている。コロナ災禍は安倍晋三氏が好んで使った偽物「国難」ではなく、本物の「国難」ではありませんか。
〇「コロナに勝った日本をオリンピックで世界に見せる」と浮かれていないで、
オリンピックを中止してコロナ禍の制御・脱出に専念し、地道に日本の再建に
集中するべき時だ。
〇今の飲食事業支援策は片手落ち。盛り場飲食店への支援金は店舗賃料の支払い
の足しに消え、店舗所有権者の不動産収入になるだけ。一方、アルバイトから正
規従業員まで、収入減コロナ生活苦者すべてへの救済は「放置」に等しい。
〇今のコロナ経済は長期に続く。コロナ不振事業の支援をしても、不振事業が助か
るのは無理です。GoTo政策も財政の浪費。財政は、息をして生きている個人の
収入減生活苦援助に振り向けるのが良い。必ず社会全体の立ち直りにつながる。
〇上のコロナ生活苦援助制度は、コロナ廃業事業主、コロナ倒産事業主、コロナ失
業者を含むすべての生活苦個人対象に、生活保護制度とは別に3年ていどの期間
限定臨時制度として、生活再建につなげてほしいという国政指導者への夢です。
〇コロナ禍が収束するころにはコロナ特別資金制度を創始して、コロナに倒れた事
業者による新規起業に対する、あるいはまったく新たな新規起業者に対する、思
い切った起業資金供給をすることが経済活性化につながる。もちろん資金の取り
逃げを計る倒産詐欺師のような悪党には注意が必要だ。
政商・竹中平蔵の言う「ベーシックインカム7万円」計画など相手にできませ
ん。彼は新自由主義経済の権化。人の価値を金利計算で値踏みする人です。
<目次>
・昨年12月、英国コロナ変異株・南アコロナ変異株を英国政府が確認
・「新型コロナ変異株、世界に拡大 収束に向けたシナリオ狂い生じる」
・私たちはまだまだ、新型コロナ世界大流行の渦中にあります
収束時期は見えていません
・ウイルス感染症への予防法――隔離
・自宅待機陽性者1月2日時点――全国6271人、うち東京都3056人
・ノーテンキなGoTo政治の悪影響と見られる数字
自宅待機やホテル療養で症状急変に対応できず死亡している
・医療危機、医療崩壊という現実が始まっている
・ワクチンさえあれば、は間違いのもと
・オリンピック7月開催前に全国民にワクチン接種完了はできない
・オリンピック選手、オリンピック大会運営関係者にワクチン優先接種
それでも外国から選手村や競技施設に新型コロナ侵入の恐れあり
・オリンピックで外来コロナが侵入すれば医療崩壊まちがいなし
■昨年12月、英国コロナ変異株・南アコロナ変異株を英国政府が確認
イギリスは今、コロナ大流行に大変苦しんでいます。この大流行は日本に先駆けて実施したGoTo政策が影響したかもしれない、とボリス・ジョンソン英首相が記者会見で話していました。
そのイギリス首相は、昨年2020年12月20日に、英国変異種を確認したと発表しています。英国変異種は感染力がcovid-19よりも強く、年少者への感染率もcovid-19より高い傾向にあるそうです。
その3日後、昨年12月23日に、英国のハンコック保健相が第二の英国変異種が2例見つかった、この2例とも感染者は発表時より過去2週間に南アフリカへの渡航歴がある、と発表しました。これは南アフリカ変異種と見られています。
■「新型コロナ変異株、世界に拡大 収束に向けたシナリオ狂い生じる」
これは1月10日産経新聞の見出しです。
1月8日時点で、英国変異種の感染者は、英仏独など欧州、米国、日韓などアジア、中東の34カ国・地域で確認されていると産経は伝えています。
また、別のニュースでは、日本の変異株感染例は1月10日現在で、海外諸国から帰国入国した人から33例確認されていて、33例中の1人との会食者から国内感染1例の計34例確認されています。
■私たちはまだまだ、新型コロナ世界的大流行の渦中にあります
■収束時期は見えていません
新しい変異株=突然変異新型ウイルスの確認報告が相次いでいます。このように次々にウイルスが突然変異を遂げているということは、ウイルスがヒトを宿主にして大いに活発に、増殖していることを表しています。
今の情勢は、新型コロナ世界的大流行のさ中にあって、収束に向かう兆しさえ見えない。逆に、大流行が今以上に深刻になる勢いを表しています。
私たちは今、1918年~1919年スペイン風邪の世界大流行以後では最大のウイルス・ストームに見舞われているのだと正確に状況を見極める必要があります。
かつて死の病であった結核は「抗生物質」ができてから、生の病へ劇的に変わりました。
■ウイルス感染症への予防法――隔離
ウイルス感染防御法で中世の昔から取られてきた対策は「隔離」です。
2000年前後にダニエル・デフォー「ロンドン・ペストの恐怖」を読んで、このたび再度ところどころ読み流していますが、17世紀のロンドンで、ペスト患者を隔離病院に入れるという原則が書かれてあります。この本は事実を詳細に調べてうえで1722年に小説仕立てで発表され、死者数や症例や生活の描写が事実通りでルポルタージュのようだと今でも評価が高い。
隔離病院に入れない場合は、ペスト患者を家族と別の場所に住まわせる。それもできない場合は、家族ごと家に閉じ込めて見張り番を立てる一軒封鎖。感染していない同居人も含めて家ごと隔離するのです。金銭的な事情によるもの(格差問題)と思われますが、一軒封鎖が死者数を大きくしたという記述が本書中にあります。感染家屋で一家丸ごとの死滅も日常的のことでした。
亡き私の叔母は二十歳前のころ、1年ほど結核療養所に入っていたと言っていました。私の母方の祖父は結核のため大阪府堺市の海べりに転地療養をして三十代後半の歳で亡くなりました。漁師が毎朝地引網を引き上げている浜のそばの林の中の広い一軒家を借りていたと亡母から聞きました。「隔離」という予防法が日常生活の中で定着していました。
今のホテル療養は「隔離医療」療養の例であり、今あるコロナ病床は「隔離医療病棟」の例です。
■自宅待機陽性者1月2日時点――全国6271人、うち東京都3056人
ホテル療養や入院ができないで自宅待機中のコロナ陽性者が、1月2日時点全国で6271人(千葉日報2021.1.11.―厚生労働省発表)。
同様の自宅待機者数、1月2日時点で東京都内で3056人(読売新聞2021.1.6.厚生労働省発表)。
コロナ陽性患者の自宅待機というのは、「放置に等しく」、上記に触れた17世紀ロンドン・ペストの1軒封鎖と同類です。隔離宿舎療養でさえ確保できないというのは、安倍晋三前首相―菅義偉首相が余りにも無能無責任すぎるので激しい憤りを覚えております。もちろん東京都については小池都知事、大阪も同じ状態のはずなのでそうであれば吉村大阪府知事も同じことでです。
■ノーテンキなGoTo政治の悪影響と見られる数字
■自宅待機やホテル療養で症状急変に対応できず死亡している
(読売新聞 2021.1.6.)
東京都 2020.12.5.までの自宅待機感染者 のべ 745人
2021.1.2.までの 自宅待機感染者 のべ3,056人
(千葉日報 2021.1.11.)
全国 2020.12.5.までの自宅待機感染者 のべ1,096人
2020.1.2.までの自宅待機感染者 のべ6,271人
これまでの病院外死亡者の例では、自宅待機で数日間経過観察をしていて、平熱から9度近くまで乱高下することがわかっている。下がったからと安心していると急死してしまったという例ばかりです。これはコロナの癖と見ておいた方がいい。
スペイン熱のときも急死が多く、解剖結果では肺臓そのものが異常に膨れていたりする例があって、呼吸困難の時間を長く経過せずに死に至る者が多かったといいます。新型コロナとスペイン風邪には、急死に到る例で似たところがあります。
■医療危機、医療崩壊という現実が始まっている
私は医療危機がいかに深刻な状態にあるかを知りたいと同時に、他の人にも知ってほしいと思って医療危機に関するブログ記事をいくつか書きました。
2020-12-10付ブログは、北海道医療センター(国立、札幌市在)のクラスター発生の経緯を書きました。入院の時はPCR検査陰性だった患者が、実際には感染者だったのが発生原因でした。 (参照クリック → <コロナ医療危機> 北海道旭川市は「医療崩壊」状態、大阪府は目前の危機、北海道医療センター院内クラスター発生の経緯 「北海道医療センター(国立、札幌市在)でクラスター 」の項)
北海道医療センターのクラスター発生源患者は、入院前PCR検査「陰性」で一般病棟に入院しました。しかし入院後の2回目PCR検査では陽性になっていました。
その後の一般病棟や介護施設などでは、2回目の陰性を確認した後に入院・入所するよう慎重に対応しています。コロナは病院や介護施設などの従事者の方々に、寝ても覚めても心安らぐ暇もなく精神的緊張を強いています。
また、新型コロナウイルスの特徴は、感染者で無症状の人がいること。症状が出る前の2~3日が最も他への感染力が強いこと。陽性反応が出る前の段階で、すなわちまだ陰性反応の段階でも他への感染力が強いのかもしれません。このうえなく厄介な代物です。
2020-12-11付ブログでは,大クラスターが発生した旭川厚生病院の毎日の広報を追いました。追記を重ねて、2020,11.22.~12.31.まで記載しました。毎日の院内感染発生数、看護師さんの毎日の感染数と職場復帰数を見ていると、院内感染が1回起きるだけでも病院が大きなダメージを受けることがわかります。 (必見クリック → 旭川厚生病院60日間の記録)
旭川厚生病院は12月31日現在でも、正常な外来診療が止まっています。救急車の受け入れもほとんど止まっています。その行えなくなった救急診療や外来診療は旭川市内の他の病院が引き受けています。一つの病院での院内感染は直ちに他の病院の医療業務に影響を及ぼします。
看護師さんの職場復帰数を見ていると、院内感染者の職種が何であれ、あるいは患者であれ、接触者は一定期間、職場から離れなければなりません。その間、職場内の業務従事時間数が殺人的なほどに増えて、関係者は疲れ切ってしまいます。
2020-12-22付ブログでは,医師会、病院会、看護師協会、歯科医師会、薬剤師会など医療関連9団体共同の「医療緊急事態宣言」を転載しました。
――新型コロナウイルスの感染拡大はとどまることを知らず、このままで は、新型コロナウイルス感染症のみならず、国民が通常の医療を受けら れなくなり、全国で必要なすべての医療提供が立ち行かなくなります。医療崩壊を防ぐために最も重要なのは、新たな感染者を増やさない ことです。(宣言文の一部)
必要な時に診察と治療が受けられない。医療崩壊はたいへん恐ろしいことですが、すでに始まっている。医療崩壊したから自宅待機者が居るのです。あちこちの病院で、あちこちの医院で、その兆候はすでに現れているはずです。
私たちに医療崩壊の現実を突きつけて見せているのは、コロナ感染者の自宅待機者数です。この人たちは医療サービスを受けられていない。感染者も同居家族も大変な苦労をしなければなりません。自宅待機者やホテル療養者の中から、現実にコロナ死亡が起きているのですから。
2020-12-23付ブログでは、日本看護協会会長メッセージ2020.11.26.を転載しました。
国民の皆さまにお願いします。
医療現場は限界に近づいています。
医療が崩壊すれば救うことのできる命も助から なくなります。
医療現場をお支えください。
看護職をはじめとする医療従事者を物心両面から支えてください。
そして最大の支援はご自身が感染しないことです。
規則正しい生活を心がけ免疫力を低下させないこと、マスクをする
医療現場は限界に近づいています。
医療が崩壊すれば救うことのできる命も助から なくなります。
医療現場をお支えください。
看護職をはじめとする医療従事者を物心両面から支えてください。
そして最大の支援はご自身が感染しないことです。
規則正しい生活を心がけ免疫力を低下させないこと、マスクをする
こと、こまめな手洗い、3 密を避けるなどの感染予防の徹底をお願
いします。 (以上2020.11.26.メッセージの一部)
治療現場に立つ切実なメッセージが胸に迫ります。自分自身が感染しないという心構えで日常を送ることが医療従事者を支えることになり、自分自身のためにもなるというお願いです。「自他共の喜なり」、「自利他利」の精神の一つであります。
2020-12-22付ブログでは,病院外でのコロナ急死の実例2件を記載しました。先進国日本で、有ってはならないことが起きているのです。
■ワクチンさえあれば、は間違いのもと
今度の新型コロナは感染力が強い。後遺症に悩んでいる人の例もいくつか報告されている。命を落としている陽性者は、つるべ落としのように急激な症状悪化の末に落命している。
一方、ワクチンは万能ではありません。インフルエンザ・ワクチンの発症抑制効果は50%以下であるようです。有効期間も長くはないようです。したがって一般的なインフルエンザ・ワクチンは流行季節より少し前に接種しています。
■オリンピック7月開催前に全国民にワクチン接種完了はできない
ワクチン接種がオリンピック7月開催前に全国民に行き渡ることはありません。まだワクチン接種が始まっていないのですから、「全国民に」ということであれば、オリンピック7月開催日までに完了することは不可能です。
昨年2月、3月ごろからPCR検査を全国民にという声があがっているにもかかわらず、検査能力の整備さえできなかった安倍政権でした。菅政権はそのまま踏襲しています。
■オリンピック選手、オリンピック大会運営関係者にワクチン優先接種
■それでも外国から選手村や競技施設に新型コロナ侵入の恐れあり
オリンピック選手、ボランティアやアルバイトに至るまでの運営関係者に優先的にワクチン接種することになるでしょう。
5月ごろから外国のオリンピック関係者の入国が始まると思いますが、ワクチン接種不完全な外国関係者の入国をどうしてチェックできるのでしょうか? こういうときの入国検疫、すなわち水際ストップ作戦は困難なのですが、一定期間に大変な多人数の入国をチェックしきれるでしょうか? 何かのまちがいが発生する、と考えておくべきでしょう。
入国時にワクチン接種の証明書があっても、抗体効果を発揮しない場合もあります。北海道医療センターで起きたように、入院前PCR検査で陰性だった患者が調査の結果、院内感染源になっていたということがあります。
一時期に世界中の国々から多数の人々が集まってきて、短期間とは言え、選手村やホテルで暮らします。今日までの日本国内のクラスター発生状況から見れば、クラスター発生を根絶することは不可能です。
オリンピック関係施設や宿泊先ホテルでクラスターが必ず発生することでしょう。そうなれば、外国人相手で言葉が通じませんから、医療現場は今以上に人手を集中的に要するでしょう。
今、日本は医療崩壊が始まっている状態です。1月2日現在で、コロナ感染者6271人が自宅にいます。病院の隔離病棟か専用宿泊施設に隔離すると決められているにもかかわらず、6271人が自宅に居ます。その中にはコロナ症状が出ている人が多数いるはずです。
コロナは発症すると軽症でもきつい。中等症なら、私たちの普通の感覚では「重病」だ。そういう状態でも自宅待機を余儀なくされている人々がいる。
そして、2020-12-28付ブログでは,病院外でのコロナ急死の実例2件の日時を追った経過を記載しました。先進国日本で情けないことが起きているのです。
■オリンピックで外来コロナが侵入すれば医療崩壊まちがいなし
オリンピックをやって、オリンピック関連クラスターが発生したり、オリンピック関連の選手団や観光客といっしょにコロナが入国する恐れが強い。もし、そうなれば日本のコロナ収束の希望は来年に持ち越しとなるでしょう。
オリンピックは一日も早く中止決定するべきだ。