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Japan country living Katoh, Amy Sylvester

2020-08-15 | 読書

先日買ったJapan The Art of Livingと同じ著者、カメラマンの、田舎の暮らしの写真集です。

 

著者は女性で、日本人と結婚し、この本の出版当時、東京の麻布で古い藍染や雑貨の店を開いているとのこと。カメラマンは日本人男性。

ということは日本で出版された外国人向けの本でしょうか。

日本各地を訪ねて、伝統的な暮らし、道具などを集めた写真集。

とてもよかった。

私くらいの年で地方出身者なら、故郷に帰ったような懐かしさがあると思う。

写真は著作権があるのであまり出せませんが、少しだけ。

藍染め布をかけているのは「菰こも」を編む道具。

菰は、稲わらで織った薄い・・・なんて言えばいいか、敷物。主にモノを包むのに使う。今でいうプチプチと同じ用途。

横棒に10㎝置きくらいに溝があり、細くてざっくりした縄を木の糸巻きに巻いて、前後に二本ずつ垂らして置く。

織り方は、湿らせた藁を数本、横木の上に載せ、垂らしていた縄を前後に交差させて固定、また藁を、今度は根元の方を先ほどとは逆に置いて、縄を交差・・・ということを繰り返す。

原理としては機織りと全く同じ。

雨の日や農閑期、納屋で母が菰を作っていたのを思い出す。

昭和30年くらいまででしょうか。

弟と二人、外で遊べないので「退屈」と不平言ったら面白い話として「鯛が靴履いとった」と言われ、余計退屈したことも。

菰はざっくりと何でも包むのに便利、やがて古くなると堆肥に混ぜる。

縄も作っていた。足踏みの縄編み機があり、二つの口から藁を入れて足でペダルを踏むと回転して縄になる。

縄は俵を絞めたり、藁ぐろ(取り入れ後の稲わらを田んぼで積んで保管。積み方は地方によっていろいろ。我が家では丸く積むのと家形と二種類あった)を固定したり、用途も様々。

これは肥納屋こいなや(堆肥を作る専用の納屋)の入り口付近にあって、母が編んでいた。少しの時間も無駄にせずに働くのが農家の主婦の美徳。

縄は巻いて保管していると、近所の非農家の人が、引っ越し荷物作るのに買いに来たりしていた。昭和30年代後半にもまだしていたように思う。

ずっと以前、NHKBSの番組で、昔のニュース映画を連日流していて、昭和30年前後と思うけど、国立競技場で全国縄ない競技会みたいなのがあり、我が実家と同じ道具を使っていた。決められた時間でどれだけたくさん、きれいな縄をなえるかの競技です。

国立競技場は前の東京オリンピックのまだ前、学徒出陣のあの会場ですね。

手拭い、布巾を縫い合わせた大風呂敷?

柄のハーモニーが楽しい。私も作ろうかな。これならすぐできそう。もちろん手縫いで。

絹の定紋入り風呂敷より、絶対楽しい。

どこかの地方の鏡餅。

下から杉の葉、昆布たくさん、クマザサ、鏡餅一段、橙。

お餅はあらかじめ食べやすい大きさにカットしているので、鏡開きの苦労がなさそう。

面白いのは小豆で目を、ササの葉で耳をつけてウサギにしていること。

これなら楽しいし、孫受けすること必定。年末には忘れずにやりましょう。クマザサないので、ウラジロか庭の南天で。

人物像もたくさん。私のおじいちゃんみたい。おじいちゃーーーん。

昭和51年、89歳で死去。かわいがってもらった。何してもほめてくれた。私のこと、恥ずかしいくらい自慢していた。

正信偈と御文章各種は祖父に教えてもらった。

といろんなとことを思い出す本でした。

手元に置いて眺めることにします。

右の方は立派なリビングのインテリアが多くて、取り入れるのはいろいろ難しいのですが、見るのは楽しかった。

コメント
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