里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

干し柿づくり'19~硫黄燻蒸して吊す

2019年11月20日 | 干し柿づくり

 干し柿づくりで、柿を剥いた後はひもに通し、硫黄で燻蒸します。
 今回は助っ人が二人います。
 私が前日から持ち越している2箱の柿の皮を剥く間に、助っ人には剥いた柿を移動し、ひもに通してもらいます。


 用いる主な道具はこれです。プラスチックパイプの枠は硫黄燻蒸の際に柿を吊すために使います。柿を並べる道具は大きさに合せて3種類。ひもはごく普通の干し柿用ビニールひもです。


 我が家では、柿をひもに通す時に、竹を割って作った柿を並べる簡単な道具を使っています。柿によって大きさが違うので竹は3種類あります。
 この辺りでは、昔から1本のひもに20個が標準とされてきましたが、大きさによって16個から20個にしています。昨年は大玉のものが多く大半が16個と18個、14個というのもありましたが、今年はほとんどが20個でした。特大級の並べる道具の出番は全くありませんでした。


 我が家の硫黄燻蒸のやり方は、プラスチックパイプで作った枠をブルーシートで覆い、その中に柿を吊して密閉し、硫黄粉を焚いて燻蒸します。昔沢山作っていた頃は専用の木箱を使っていました。
 これが硫黄粉。

 
 ひもに通した柿は、このようにパイプ枠の中に吊します。
 30連くらい吊すのに適当な大きさなのですが、大幅に上回ったため、少し細工をして容積を大きくしました。


 吊し終わったら、シートで密閉し硫黄燻蒸します。我が家では、炭火を少々おこし、それで硫黄粉を燻しています。少量ならコンテナなどに剥いた柿を入れて硫黄燻蒸することも出来ます。覆いの段取りをよくしておいて、火を着けたら素早く密閉します。


 硫黄燻蒸することで、カビを防ぎ、きれいに仕上がります。硫黄はすぐに空中に拡散し無害となるので心配は無用です。これをしないと、カビが出たり、干しているうちに酸化し黒い干し柿になってしまいます。我が家の柿は過半が贈答用になるので必須です。
 燻蒸は30分ほど密閉すれば十分と思いますが、今年はここまでの作業に時間がかかり、昼休みしている間に行ったため1時間以上放置しました。
 その後シートを解放し、乾燥用に設置した横竹に吊します。

 硫黄粉が燃えた跡。小さな鍋に少しの炭を種火にして硫黄を燻します。容積1㎥当たり硫黄粉15~30gが目安です。


 燻蒸は漂白効果もあるので、皮をむいて時間の経過とともにわずかに黒ずんできた柿もきれいな色と肌になっています。
 作業場の2階の窓際に吊すので、作業はやりやすいです。窓を開放すると十分に風は通り、雨に濡れる心配がなく直射も当たらないので、干し上がりは悪くありません。


 今、干し柿生産者の方々はひもを横にして吊すのが主流ですが、我が家では昔ながらの縦に吊すやり方です。この方法は後で玉回しの作業が必要になります。


 全部で37連と昨年より2割多くなりました。個数にすると大幅に多く700個はあります。大玉が少なく手間暇がかかり有り難くない結果となりました。


 この作業場は、昔は葉たばこの乾燥場だったので、乾燥には都合のよい構造になっています。今は1階は機械や道具、収穫物などの置き場に使っていますが、2階は洗濯物の干し場くらいにしか使っていません。干し柿づくりには便利な空間になっています。


 これから食べられるようになるまで1ヶ月あまり。いい干し柿になるよう、あまり気温が上がらず乾いた風が吹いてくれれば最適です。

干し柿づくり'19~皮剥き

2019年11月19日 | 干し柿づくり

 今年も干し柿を作る時期になりました。
 柿の皮を剥くことからスタートです。昨日昼過ぎから始めました。(昨年の皮剥き
 昨年は、一連の作業と春先までの干し柿の様子をかなり詳しく記録しました。今年も大きく変ることはないので、ポイントを記録していきたいと思います。
 干し柿にする蜂屋柿は、すでに数日前に助っ人が収穫してくれました。蜂屋柿は採りがけを剥くより数日おいた方が綺麗に仕上がり、皮剥きのスピードも上がります。


 りんご箱などの段ボールで8箱あります。昨年と箱の数は同じですが、山盛りで、しかも小粒傾向なので数はかなり多そうです。


 皮剥きに使う道具は、例年同様で、幼少の頃から使い続けられてきたものです。6、70年たっているピーラーとナイフ。ピーラーなどとは言わず皮取りと言っています。父や母が使い続けたものを、未だ使い続けているというわけです。皮剥きのスピードと仕上がりがまったく違うので、変えようという気持ちが起きません。


黒光りしているのは、柿渋によるもので汚いわけではありません。ナイフは当初からみれば相当短くなっているはずですが、使い続けています。出番は柿の皮剥きの時、1年に1回だけですが、サビもほとんどついていません。柿渋がサビを防御します。さっと砥石はかけます、
 私が子供の頃ですが、我が家では干し柿を作り出荷していました。当時は、子供も有力な働き手で、盛んに柿の皮むきを手伝いました。それは何千個という単位ですから、何年経っても体が覚えていて、手が自然に動きます。柿もただ剥けば良いというわけではなく、綺麗に剥くにはそれなりのコツがあります。
 まず、この辺りでは肩回しという作業。
ヘタの部分にナイフを入れ、ナイフは動かさず柿の方を回して皮を剥きます。ナイフの背を柿の軸にあてテコの要領で、一回してヘタを取り、さらに肩の部分を1、2回回すと皮も薄くなめらかに剥けます。
こんな感じになります。


 次に、皮取り。皮取り器いわば木製のピーラーといったところですが、これを親指と人差し指で鉛筆を持つようにして持ち、中指、薬指、小指をテコにして手首を使い、左手に持った柿も動かしながら先端まで縦に一気に剥きます。細く薄く一気に剥くことできれいに仕上がります。途中で切ると綺麗になりません。
こんな感じに仕上がります。


 本来は、干し柿を吊すまで、すべてを1日で終わりにするのですが、少々無理があるので2日がかりで完了させるようにしています。
 昨年は大粒のものが多く、特大級のものもかなりありましたが、今年はやはり小粒で、特大級はほとんどありません。


 昨年は、結局前日にすべて終わらせましたが、今年は夜なべをしても終わらず、段ボール2箱を持ち越しました。玉数は2、3割は多そうです。これから残りを剥かないといけません。


ほうれんそう大雨に耐えきれず

2019年11月18日 | 畑:葉菜類

 台風19号が通過して間もなく、10月末から収穫を始めたほうれんそうですが、ここに来て良くありません。


これは、9月18日に播種したほうれんそうで、品種はサカタのタネの「クロノス」。
収穫の出だしは、見かけ上は悪くありませんでしたが、無事では済まなかったようです。


生育の進んだものから順次収穫し、始めのうちは青々として問題なかったのですが、次第に葉先から黄色くなってきました。


 台風で水浸しになり、さらに1週間後に100ミリ以上の大雨にあって、耐えきれなかったようです。根が窒息状態になって傷んでいるのは当然なので、ある程度予想はしていたものの、多少希望的な期待もしていたので残念です。すぐ隣のコカブやシュンギク、またターサイやチンゲンサイも、これほどの影響を受けていないので、軟弱野菜の中ではほうれんそうが一番弱いことがよく分りました。本来なら今が収穫本番で、いつもは収穫が追いつかなくなるところですが、今年は復活できないでしょう。


 こちらは、10月8日に播いたほうれんそう。直後に台風に遭遇しましたが、何とか発芽し、ここまで育ってきました。

 本当は、前のほうれんそうが終わる頃から収穫が始まるように作っているのですが、どうでしょうか。12月中には穫れそうにみえますが。


 例年、10月下旬には3回目のほうれんそうを播くのですが、台風19号の後も再三雨が降り、ぬかるんで畑に入れませんでした。管理機だけで畝を上げ、11月5日に何とか播いて、不織布を掛けてはみたものの、自信はありません。

 発芽はしてきました。うまくいけば来年2月くらいに収穫できる思いますが、どうなりますか。


ターサイ、チンゲンサイが食べ頃に

2019年11月17日 | 畑:葉菜類

 今、ほとんどの秋野菜が出揃い、穫り頃になっていますが、ターサイ、チンゲンサイもその一つ。
 これはターサイ。近くにケヤキの大木があり、その落ち葉が付いています。


 9月17日に種を播き、これまで間引きを兼ねて何度か収穫していますが、気温が下がってきて、正にこれからがターサイの食べ頃です。


 収穫初めのうちは葉が立っていましたが、少しずつ葉が広がり、ターサイ特有の姿を見せてきました。ターサイは寒さが強くなるとともに地面に這いつくばるように広がっていきます。


 収穫しながら最後の株間は30センチ間隔くらいにしたいところですが、毎年穫りきれず、そこまでは広く出来ていません。しかし、葉物として穫りきれなくても、春先出てくるとうはおいしく食べられます。始めのうちは雪菜に似ていますが、生長すると姿が変化してくるので違いがすぐ分ります。もともと葉の緑の濃い野菜ですが、気温が下がると一層濃緑となり、いかにもビタミン豊富に見えてきます。


味に癖がなく肉厚で食べ応えがあり、私は好きな野菜なので、かなり前から作っていますが、どういうわけか周りではあまり見かけません。

 こちらはチンゲンサイ。大雨による湿害で、黄色になった下葉が少し見られます。


 チンゲンサイは周りでもよく作られ、店にも出ているので、ターサイより馴染み深いようです。


 ターサイと同じで9月17日に種を播き、やはり間引きを兼ねて何度か収穫していますが、今が一番の穫り頃になっています。


 私の好みは、どちらかというとチンゲンサイよりターサイ派ですが、チンゲンサイ派もいるので、ずっと作り続けています。それぞれの良さがあるということでしょう。何といってもチンゲンサイは栽培がしやすいのがなによりです。


 昔はパクチョイを作ったこともありますが、いつの間にか止めてしまいました。
 かつてチンゲンサイは青軸パクチョイと言われていたので、パクチョイのほうが本家のはずですが、葉柄の白いパクチョイより緑のチンゲンサイの方がおいしく見えるのか、今はあまり見かけません。


小菊を水墨画で描く

2019年11月16日 | 水墨画:草花
画仙紙 半切1/3

 小菊を水墨画で描きました。
 庭先で自然に咲いている小菊のイメージで描いてみました。店で売られている小菊は茎がしっかりとして全体が整っていますが、庭先では、管理の問題もありますが、自由気ままな感じに咲いています。蕾から開いたものまで多数花を付けましたが、少し締まりがなくなったかもしれません。