北茨城市は夏の最高気温が特異的に低い。
水戸と比べてみれば、これが同じ茨城県とは思えないほど低いし、もっと北にある仙台などよりも低いのである。
それを体感してみたいと思い、この夏は毎年恒例の北海道暮らしを取りやめて、北茨城で家を借りてみた。
8月は異常な冷夏となったため参考にならなかったが、7月だけで、北茨城の過ごしやすさは十分に体験できた。
下表は7月の日別最高気温データである。
ここ北茨城と、自宅のある越谷市、それにボクの故郷である秋田を比較してみた。
30度超えには赤丸を付けてある。
30度超えの日数は、
北茨城市はたったの「1日」なのに、
わが越谷市は実に「26日」もある。
東北の秋田市でさえ「11日」あった。
次のグラフは、既に掲載した2015年7月のデータだが、やはり北茨城市には「避暑地」としての資格があると思う。
越谷に住む友人たちは「毎晩エアコンをつけないと眠れない」とこぼしていたが、ボクらは一度もエアコンのお世話にならなかった。
借家にエアコンが設置されていなかったからでもあるが、窓を開けて風を入れないと眠れない夜は1日も無かった。
夏の3ヶ月間、エアコンの無い部屋で、窓を締め切ったまま快適に眠ることが出来たというのは、驚きである。
暑さにもエアコンにも弱い、という人は多い。
そんな人には、北茨城市への季節移住がお薦めである。
北茨城はブランド避暑地ではないから、生活コストは高くないし、生活の利便性も良い。
古希を過ぎたボクは、北茨城は老人ホーム建設の最適地だと、密かに思っている。
ところで、この特異な涼しさは、北茨城市の誇るべき資源だと思う。
大して涼しくもないくせに「○○高原」というネーミングだけで、売っている避暑地がある。
涼しさの実力者である北茨城市が、温度データを示して、「最高気温の低い町」としてPRすれば、町おこしに繋がるかもしれない。
避暑地としてだけでなく、農業法人が高温に弱い作物づくりを狙って進出してくる可能性があるし、製造業にも高温を嫌う者が居そうな気がする。
同じ関東エリアにある熊谷市は、「暑さ」を町おこしに活用しているが、北茨城の最高気温は、熊谷よりも毎日7度ほど低いはずである。
熊谷の逆を行って、毎日、熊谷市の最高気温との差を発表したらどうだろう。
今年は北海道をやめて北茨城を選んだが、期待以上に涼しい夏を過ごすことが出来た。
ボクらの北茨城暮らしは、今週末で終る。