ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

「慢性腎臓病」の初の治療薬が承認

2021-11-05 10:28:42 | 
5か月ほど前に健康診断をしたところ、尿の潜血反応が出てしまいました。そこで尿の精密検査を受けたところ、ガンを含めた腎臓にも何ら異常がないという結果が出て一安心しています。

腎臓の機能が徐々に落ちていく「慢性腎臓病(CKD)」は、成人の8人に1人が患者とされ国民病といわれているようです。腎臓は血液をろ過して老廃物や余分な塩分を尿として体外に排出したり、血圧を調整する働きがあります。

CKDはタンパク尿が出るなど、腎臓に障害が起きていることが明確である場合、老廃物などをこしとる糸球体のろ過量(GFR)が60未満になるのどちらかか、両方が3か月以上続く状態と定義されています。

喫煙や飲酒、運動など生活習慣と関連するとされていますが、初期はほとんど症状がありません。CKDの患者は、国内で推計1330万人とされ、加齢とともに増え80歳以上では4割を占めるという報告もあります。

CKDになると心臓病や脳卒中のリスクが高まり、進行すると人工透析や腎臓移植を検討するようになります。透析患者は30万人を超え、年間3万人以上が亡くなっています。

腎臓病の治療薬はこれまでなく、糖尿病などの一因となっている病気の治療薬を服用したり、禁煙や運動、食事などの指導が行われてきました。

今年8月にアストラゼネカの飲み薬「フォシーガ」が、CKDの治療薬として承認されました。これはSGLT2阻害薬と呼ばれ、これがどんな受容体か分かりませんが、血糖を尿と共に体外に排出しやすくする働きがあるようです。

この阻害剤は糖尿病や心臓病の薬として使われてきましたが、腎臓の機能低下を抑えることが分かってきました。臨床試験で腎機能の悪化や脂肪などのリスクを約4割下げる効果が確認されました。

現在まで腎臓だけでなく、臓器の機能低下を改善する薬はないといってよく、今回のフォシーガはその点で画期的な薬と言えます。今後フォシーガ以外の治療薬も登場する可能性があるようです。

田辺三菱製薬は8月に既存のSGLT2阻害薬を、おもに生活習慣による「2型糖尿病」があるCKD患者にも使えるよう厚生労働用に申請しています。SGLT2阻害薬は、糖尿病治療薬として使われた当初、重い脱水症状などの副作用が見られました。

フォシーガの治験データを見る限り、重篤な副作用は目立っていませんが、医師の指導の下での適切な使用が重要となっています。

この薬がどの程度腎機能低下を改善するのかは、ある程度の使用が広がらないと判定できませんが、腎機能の指標が改善するところまで行くのか今後注視する必要がありそうです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿