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パーキンソン病を血液検査で診断

2019-07-23 10:36:11 | 健康・医療
順天堂大学の研究チームは、血液検査でパーキンソン病かどうかを診断する手法を開発しました。

手足の震えなどの症状が出る前に発症するかが分かる可能性があり、治療薬の開発にもつながる成果としており、2年後の実用化を目指しています。

私の知人にも何人かパーキンソン病を発症しており、それほどひどい状態ではないようですが、車の運転などがし難くなっているようで、歳をとると注意すべき病気なのかもしれません。

パーキンソン病は高齢者に多い神経の難病で、国内の患者は15万人いるとされています。脳内の神経伝達物質のドーパミンが減ることで、手足の震えなどが起きて体が動かしにくくなります。症状が出るまでに数年かかり、早期発見は難しく、治療はドーパミンを薬で補うなど対症療法が中心です。

研究チームは、健康な人49人とパーキンソン病患者186人の血液を調べました。患者では「スペルミン」という物質が血液中に大幅に少なくなっていることを見つけました。

また「ジアセチルスペルミジン」という別の物質の濃度も着目し、健康な人に比べて患者での濃度が高く、重症ほど高いという結果が得られました。スペルミンは体内に存在するポリアミンの一種で、オルニチンなどから生合成されると考えられています。

細胞の新陳代謝に関わるDNAと相互作用し、その遺伝情報の読み出しなどに密接にかかわる重要な化合物とされています。スペルミンは精液に多量含まれ、その独特の臭いはスペルミンのもののようです。

昔先輩がスペルミンを実験で使用した後電車で帰るとき、他の乗客から遠ざけられたといっていましたが、変質者と思われたようです。スペルミンもできたら使いたくない化合物のひとつです。

さてパーキンソン病はこれまで震えなどの症状から診断していましたが、この物質を指標に使えば性格で簡単に診断ができるほか、重症度をきちんと判別できます。また症状が出る前に発症のリスクが分かる可能性があるとしています。

研究チームは今後スペルミンを生み出す物質を体内に摂取して症状が出るのを遅らせたり、改善したりする治療薬の開発を進めるとしています。

研究チームは、パーキンソン病は脳の病気ですが、血液中にある代謝産物にも変化が出ていることは興味深い知見と述べています。

スペルミンのようなポリアミンは、生合成的にはかなり難しい類の化合物と言えますが、うまくデザインして体内でスペルミンに変換されるような化合物ができれば、全く新たな治療薬となる可能性もあるようです。


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