酒を飲まないのに脂肪が蓄積して肝障害を起こす「非アルコール性脂肪肝」は、肝ガンへ進行する場合もある気を付けるべき「生活習慣病」のひとつです。
残念ながら脂肪肝の根本的な治療薬はまだないようです。この脂肪肝では、オートファジーが低下することが報告されています。
オートファジーとは細胞が自らの一部を分解する作用で自食作用と呼ばれており、細胞内のゴミの処理だけでなく、資源のリサイクルなどにも役立っていることが分かっています。
オートファジーが低下すると、p62というタンパク質が分解されず、肝臓内で増加していることがマウスの実験で明らかになっています。オートファジーの機能が低下した時に、量が増えたり減ったりしているタンパク質があれば、それがオートファジーの機能低下に関わっている可能性があります。
これを網羅的に調べた結果、量が変化していたタンパク質が「ルビコン」でした。そこでルビコンを欠損したマウスを作って実験を行いました。ルビコンを欠損したマウスに高脂肪食を4か月間与え続けたところ、肝臓の細胞に含まれるp62の量は増えませんでした。
これはp62がきちんと分解されており、オートファジーの機能が低下していないことを意味します。これらのことから、ルビコン量の増加とオートファジーの機能低下には因果関係があり、ルビコンの増加がオートファジーの機能低下の原因であることが明らかになりました。
相関関係と因果関係の違いを知り、分けて考えることは科学の基本です。科学では相関しているからといって因果関係があると決めつけるのではなく、因果関係があることを実験で証明しなければいけません。
こうした考え方は日常生活でも役立ち、因果関係があるかどうかをいつも考えるようにすると、誤った情報に振り回されることなく、自分で正しい判断ができるようになるでしょう。
さてヒトの肝臓での組織での実験を行いました。まずアルコールの摂取がなくウイルス性肝炎の既往もない患者の肝臓組織を、脂肪滴の有無を指標に脂肪肝とそうでないもに分け、ルビコン量を測定しました。
その結果脂肪肝ではルビコン量が増えていることが確認され、ヒトにおいても肝臓でのルビコンの増加が、オートファジーの機能を低下させ、脂肪肝を引き起こしていると考えられます。ここで重要なのは、脂肪肝は遺伝子疾患ではないという事です。
遺伝子の変異によってオートファジーが低下して発症する疾患はいくつか知られています。今回の結果は遺伝子変異が無くても、食生活という環境要因によってオートファジーが低下して疾患が引き起こされることを示したものです。
生活習慣病の中には、動脈硬化や糖尿病などオートファジーの機能が低下していることが報告されている疾患があります。
今回機能低下とルビコンの増加の因果関係が証明されたことにより、新たな治療薬の可能性が出てきたと言えるようです。
残念ながら脂肪肝の根本的な治療薬はまだないようです。この脂肪肝では、オートファジーが低下することが報告されています。
オートファジーとは細胞が自らの一部を分解する作用で自食作用と呼ばれており、細胞内のゴミの処理だけでなく、資源のリサイクルなどにも役立っていることが分かっています。
オートファジーが低下すると、p62というタンパク質が分解されず、肝臓内で増加していることがマウスの実験で明らかになっています。オートファジーの機能が低下した時に、量が増えたり減ったりしているタンパク質があれば、それがオートファジーの機能低下に関わっている可能性があります。
これを網羅的に調べた結果、量が変化していたタンパク質が「ルビコン」でした。そこでルビコンを欠損したマウスを作って実験を行いました。ルビコンを欠損したマウスに高脂肪食を4か月間与え続けたところ、肝臓の細胞に含まれるp62の量は増えませんでした。
これはp62がきちんと分解されており、オートファジーの機能が低下していないことを意味します。これらのことから、ルビコン量の増加とオートファジーの機能低下には因果関係があり、ルビコンの増加がオートファジーの機能低下の原因であることが明らかになりました。
相関関係と因果関係の違いを知り、分けて考えることは科学の基本です。科学では相関しているからといって因果関係があると決めつけるのではなく、因果関係があることを実験で証明しなければいけません。
こうした考え方は日常生活でも役立ち、因果関係があるかどうかをいつも考えるようにすると、誤った情報に振り回されることなく、自分で正しい判断ができるようになるでしょう。
さてヒトの肝臓での組織での実験を行いました。まずアルコールの摂取がなくウイルス性肝炎の既往もない患者の肝臓組織を、脂肪滴の有無を指標に脂肪肝とそうでないもに分け、ルビコン量を測定しました。
その結果脂肪肝ではルビコン量が増えていることが確認され、ヒトにおいても肝臓でのルビコンの増加が、オートファジーの機能を低下させ、脂肪肝を引き起こしていると考えられます。ここで重要なのは、脂肪肝は遺伝子疾患ではないという事です。
遺伝子の変異によってオートファジーが低下して発症する疾患はいくつか知られています。今回の結果は遺伝子変異が無くても、食生活という環境要因によってオートファジーが低下して疾患が引き起こされることを示したものです。
生活習慣病の中には、動脈硬化や糖尿病などオートファジーの機能が低下していることが報告されている疾患があります。
今回機能低下とルビコンの増加の因果関係が証明されたことにより、新たな治療薬の可能性が出てきたと言えるようです。
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