ごっとさんのブログ

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錦織残念 しかし準決勝進出

2016-11-20 10:35:20 | テニス
現在開催中のツアーファイナルの予選リーグ(ラウンド・ロビン)が終了し、上位4名が決定しました。

このブログでは、錦織は初戦のワウリンカ戦に勝ち、2戦目の対マレー戦で3時間20分の熱戦を繰り広げ、1-2で逆転負けとなったことを書きました。その後のメディアでは、この試合が記録に残る名勝負と評価されていましたが、観戦していても時間が気にならない良い試合でした。

試合後錦織は「良い試合をしても負けては何にもならない」というようなコメントを出していました。しかし負けたもののマレーから1セットとったことが大きな意味を持ってきたのです。2戦目にワウリンカがチリッチに2-0で勝利し、終わった段階でマレー2勝、ワウリンカ・錦織1勝1敗、チリッチ2敗となりました。

この予選リーグは上位2名が準決勝に進み、各組の1位が他の組の2位と対戦することになっています。この時の順位の決定法は、勝敗が同じときはセットの獲得率で決まります。チリッチの2敗は共に0-2ですので、この段階で予選敗退が決まりました。ですからもしワウリンカがマレーに負けると、錦織がチリッチに負けても3人が1勝2敗で並び、セット率で錦織が2位となるわけです。

錦織-チリッチは夜の試合で(日本時間午前5時)、その前にマレー-ワウリンカ戦がありました。当然この試合も見ていましたが、ワウリンカらしさが出ないまま4-6、2-6のストレート負けで、この時点で錦織の2位が確定しました。

これでチリッチ戦は気楽に見ていましたが、1セットは錦織らしさが随所に見られ、チリッチ得意の高速サーブが入らないこともあり、6-3で錦織がとりました。

チリッチは1昨年初めてこのツアーファイナルに出場しましたが、全敗で予選敗退しており、まだここまでファイナルで勝ったことがありません。チリッチは今年も全敗ではかわいそうなどと、余裕を持ってみていました。

しかし2セットは、後の無くなったチリッチが勝負に出てきたのです。錦織も1セットをとり、やや集中力が落ちていたということもありますが、チリッチの鋭い球がほとんど入るようになり、高速サーブも復活しました。2セットは錦織の自滅的な要素もあり、6-2でチリッチがとりました。

それでも1セットの錦織が戻ってくれば、ファイナルセットは取れるだろうと思っていました。しかし錦織が体力を温存して次のジョコビッチ戦に備えるなどということは無いと思いますが、錦織の動きは悪いままでした。ここで気持ちよく勝って次の準決勝に臨んでほしかったのですが、3-6で敗けてしまいました。ファイナル初勝利を狙うチリッチと、負けても2位確定の錦織では、メンタルが負けていたのかもしれません。

準決勝のジョコビッチ戦で、マレー戦やチリッチ1セットの強さが出れば、勝てるかもしれないと期待して観戦します。

ワイン酵母を用いてビールを醸造

2016-11-19 10:45:25 | 自然
キリンビールは、ワイン酵母を用いた柑橘香と甘味を付与するビール醸造技術を開発したと発表しました。

ビール醸造において、酵母はホップの香気成分を変換するとともに、甘味・苦味のバランスを取るのに重要な役割を担っていることが知られています。同社は今回、酵母、清酒酵母、ワイン酵母、ウイスキー酵母など合計約1100株からなる独自の酵母バンクを活用し、ホップ由来のゲラニオールから柑橘香物質であるβ-シトロネロールへの高変換能を持つ酵母を選抜しました。

この反応はゲラニオールへの水素の付加反応ですが、生成するシトロネロールはバラの香り成分としても知られています。焼酎酵母、ワイン酵母、および上面発酵酵母株114株について試験管スケールでの発酵試験を実施しました。

その後、β-シトロネロール生成能の高かった株については、スケールアップして再評価を行いました。さらに、仕込み工程における糖化条件を最適化することにより、単糖対マルトースの比率を制御し、発酵後にマルトースを残留させることで甘味付与にも取り組みました。

この結果、β-シトロネロール生成能の高い株として、高変換能を持つワイン酵母WIY40株を選抜しました。さらに、このWIY40株を用いて、仕込み・発酵の条件を最適化し、マルトースを残留させることで甘味付与を実現したそうです。

同社は今回の成果について、柑橘香が豊かで自然な甘みが強調され、苦味が抑えられたビールの開発が可能となったようです。

こういった試みはビール各社で行われているようで、サッポロビールもブドウ果汁に含まれる「アントシアニン」が酵母に作用することで、赤ワインの特徴的なアロマ成分の一種である「ジアセチル」の量を高めていることを明らかにしたと発表しました。

ジアセチルはアロマ成分かもしれませんが、男性のいわゆる加齢臭の原因物質とされ、どちらかというと嫌な臭いとされています。香料というのは不思議なもので、そのもの自身がかなり嫌な臭いであっても、他の香料と混ざり合ったり、ごく微量だと良い香りに感じるようです。

ジアセチルは、赤ワインの特長的なアロマのひとつで、ほかの酒類や白ワインと比べ、赤ワインでは含有量が高く、少し甘い後香を残したり、味の厚みにもつながる香りを醸すといわれています。

同成分が赤ワインで高い理由はこれまで、赤ワイン特有の乳酸菌発酵によるものとされてきました。今回これがアントシアニンによって発酵中の酵母が作用されることが分かり、ジアセチルの変化にかかわる酵母の遺伝子も特定したようです。これはワインの話ですが、酵母は酒に関しては本当に面白い働きをするようです。

テニスファイナル ラウンドロビン(予選リーグ)

2016-11-18 10:27:42 | テニス
先日書きましたように、ついにツアーファイナルという特別の大会が始まりました。

この大会は前回書きましたように、世界のトップの8人が集まり世界一を決定する大会ですので、非常に贅沢な大会となっています。例えば選手が使う大きなタオルには、選手の個人名が入っており、非常に立派なものです。いわばここまで拘っていると言えるのかもしれません。

4人ずつ2組に分かれて予選リーグを戦うのですが、錦織は奇数の組に入ったことは前回書きましたが、ここはNo1となったマレーと3位のワウリンカ、5位錦織と7位チリッチという非常に厳しい組となりました。開催前の論評ではこの組は「死の組」と評されていました。

それでも錦織なら何とかしてくれるのでは、という期待を込めて観戦しています。初戦はワウリンカ戦でしたが、これに勝てば準決勝進出も見えてくる代わりに、負ければ全敗もありうるという大切な試合でした。ワウリンカは強烈なサーブと、フォアの強打、そして世界一という片手バックを持つ強敵で、グランドスラムも2回制覇しています。

試合が始まると、どうもワウリンカの調子があまり良くありません。ワウリンカはもともと好調不調の波が激しい選手ですが、この試合は不調の波の様で錦織にとってはついていると言えます。錦織もミスの多い試合になってしまいましたが、なんとワウリンカのサービゲームを2度もブレークし、6-2でセットを取ってしまいました。

この流れで2セット目も6-3という一方的な展開でストレート勝ちを納めました。本当に大きな1勝です。この後の試合でマレーが順当にチリッチに勝ちましたので、2戦目はマレー戦となりました。

これは本当に良い試合となりました。1セットはあまりサーブがよくない錦織が本当に頑張り、サービスゲームをキープし6-6のタイブレークまで行きました。これも取ったり取られたりで目の離せないゲームでしたが、11-9でなんと錦織がとったのです。

この流れで行けば勝てるかと思ったのですが、さすが王者となったマレーで、2セット目の最初の錦織のサービスゲームをブレークし、錦織は追いかける展開となりました。中盤素晴らしい展開で追いついたのですが、終盤底力を見せられ4-6で取られてしまいました。これでファイナルセットにもつれ込みました。

この試合は長いラリーも続き、ジュースまでもつれることも多かったので、非常に長い戦いとなりました。この第3ゲーム錦織のサーブでしたが、さすがに疲れが出たのか2つもダブルフォルトをしてブレークされてしまいました。この流れで1-5でマレーのサービスゲームで、ここまでかと思いましたが、錦織は本当に粘り4-5まで巻き返しました。しかし最後は王者の強みを見せ、4-6でマレーに負けてしまいました。

しかしこの史上最長の3時間20分を本当によく戦い、王者から1セットを取ったというのは素晴らしいことです。これで最終のチリッチ戦となりますが、勝てばもちろん準決勝進出ですし、ワウリンカの試合次第では負けても2位になる可能性が出てきました。

においセンサー搭載ロボット

2016-11-17 10:43:06 | その他
神奈川科学技術アカデミーと東京大学などの研究グループが、蚊の嗅覚を利用した「においセンサー」を搭載した移動型小型ロボットを開発しました。

人間の汗のにおいを感知できることから将来災害現場などで活用できるようです。

この嗅覚受容体というのは、もう30年も前ですが、非常に注目を集めた時期がありました。このころタンパク質の構造解析技術が進み、色々なタンパク質の機能解析や立体構造が分かるようになってきました。この中に広い意味での受容体タンパク質も含まれており、受容体の結合部位などが分かってきた時でした。

中でも嗅覚受容体は、非常に感度が高く最先端の分析機器の何万倍も優れていると言われていたのです。そこでこの嗅覚受容体をうまく使えば、非常に感度の高い分析機器ができるとして、非常に多くの研究が行われました。

しかし多くの受容体のように、嗅覚受容体も膜タンパクという分類であり、タンパク質が膜の中に埋まっているという構造をとっていました。つまり膜の外側に受容体があり、そこで受けた情報を膜の内側に流すという性質だったのです。このためだけではないようですが、結局嗅覚受容体の利用という研究は成功しませんでした。

それが蚊の嗅覚とはいえ、ロボットに組み込むまで進んだというのは素晴らしいことだと驚いています。研究グループは、蚊の触角にあり人間の汗のにおいを感じる嗅覚受容体に着目しました。

この嗅覚受容体を人工的に合成とありますが、このこと自体すごい成果だと思っています。さらに人工細胞膜に組み込んでにおいセンサーを作成しました。汗のにおい成分を検出すると、膜の導電率が変化して電気的な信号が流れる仕組みで、このセンサーを小型の無線装置が装着されたロボットに搭載したようです。

30年前はいわば夢であった研究が、ロボットに組み込むまでの実用化ができるようになるまで、この分野も進歩したことになります。研究グループが開発した小型ロボットの周辺に、汗のにおい成分(オクテノール)を漂わせると、においセンサーが反応してロボットも駆動したといいます。

同グループは、視界が悪い土砂崩れなどの災害現場で、人間のにおいを感知して不明者を探すロボットへの応用を目指しているようです。

このように嗅覚受容体が合成可能で、センサーとして働くようにするという技術は、非常に多くの分野に応用できそうですので、近い将来驚くような装置が発表されるのかもしれません。

内臓脂肪型肥満と免疫老化

2016-11-16 10:43:34 | 健康・医療
慶応大学の研究グループが、内臓脂肪型肥満が免疫老化を加速させることで、様々な疾病を引き起こす原因となることを見出しました。

内臓脂肪型肥満では、お腹がぽっこりと出てくるなど見た目の老化が進むだけでなく、糖尿病や脂質異常、高血圧が進行して、心筋梗塞、脳卒中、心不全の危険性が数倍高まり平均余命も短くなることから、内臓の老化が加速していると捉えられています。

内臓脂肪の蓄積が心臓や血管、腎臓、肝臓、骨格筋などの全身の臓器にまで影響を及ぼすのは、内臓脂肪組織の中での活発な免疫応答が過剰な炎症反応を引き起こし、その影響が全身に波及するためであることが分かってきました。しかし、どの細胞が、どのような炎症性サイトカインを出して、内臓脂肪および全身で過剰な炎症反応を引き起こしているのか、そのメカニズムはこれまで分かっていませんでした。

研究グループは内臓脂肪型肥満と免疫老化の関連について検討しました。まず、高脂肪食を食べさせて太らせた若齢マウスの内臓脂肪のTリンパ球の解析から、痩せたマウスの内臓脂肪にはほとんど存在しない細胞表面にCD153とPD-1を発現するTリンパ球(CD153陽性PD-1陽性Tリンパ球)が現れて、わずか3、4ヶ月足らずの短い間に著しく増加することを発見しました。

このTリンパ球は、正常なTリンパ球の持つ獲得免疫応答能を失い、代わりに細胞老化の特徴をもち、強力な炎症性サイトカインを大量に産生する特有な性質を持っており、もとの正常なTリンパ球とは、機能的にも大きく変化していました。

このTリンパ球集団は、高齢マウスの免疫老化の原因となるTリンパ球と非常によく似た性質を持っていたようです。またPD-1は正常なリンパ球では、免疫のブレーキ役を果たしていますが、このTリンパ球集団ではこのブレーキがほとんどかからないことも分かったようです。

どうも免疫システムの詳細な部分は、私もよく理解していないため書いていてもすっきり分かった気がしないのですが、この特殊なT細胞が出現することによって、過剰な炎症や糖尿病の発症などが起こるようです。

研究グループはこの特殊なT細胞を標的とした免疫機能の回復により、生活習慣病の発症予防を目指す治療法の開発の可能性を示唆しているとしています。具体的方法はよくわかりませんが、今後は食餌療法などによる肥満が解消した場合、このT細胞がどのような挙動を示すか追跡するようです。