内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

根本的な問いと向き合う「千載一遇」のチャンスとしての非常時

2020-04-11 20:38:58 | 哲学

 医療、治安、政治、報道、郵便・輸送、電気・ガス・水道、農業、食品生産とその流通、その他国民の最小限の生活に必須なものに係る分野に携わっている方たち以外は原則外出が禁止されるという空前の非常事態がしだいに日常化しつつある。こんな状態から一日も早く解放されたいと私も思うが、少なくともあと数週間はこのような状態が続くと見込まれ、それは自分の力ではどうにもできないのだから、こちら側で考え方を変える必要があるだろう。
 これまで迂闊にもそう簡単には崩れないだろうと暢気に構えていた社会の基盤が揺るがされつつあるのを目の当たりにし、いや身をもってそれを経験し、毎日増え続ける多数の犠牲者の方々のことを思うとき、「人は何によって生きるのか」という根本的な問いを避けようもなく突き付けられ、それと毎日向き合うことを求められていると感じる。幸いにもいまだ生かされているものは、この非常時をこの根本的な問いと向き合う「千載一遇のチャンス」にしなければいけないのではないかと私は思う。