内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

夢の通い路、あるのかも知れない ― 『瘋癲老人酔夢譚補遺』(刊行予定なし)より

2024-09-29 10:16:19 | 雑感

 先週、ちょっと、いや、かなり、不思議な経験をした。
 半年以上お互いに無沙汰をしていたある人からメールが届き、会って話がしたいという。驚いた。なぜなら、その人のことをその前週に私は夢に見ていた。その夢の前に確かにその人のことをときどき思い出してはいた。しかし、その夢を見る直前の覚醒時の現実のなかにその人のことを思い出させる直接的なきっかけはなにもなかった。
 その夢のなかではその人となぜかパリで会っている。会話の内容その他、細部はすっかり忘れてしまったが、何か中世の面影を残す古い建物のアパルトマンの仄暗い一室でのことであったことは覚えている。その人はとても元気そうで、輝くような笑顔であった。私としては実に珍しいことに、気持ちを穏やかにしてくれる雰囲気に満たされた夢であった。
 このブログでなんどか言及しているように、私は普段碌な夢を見ない。目覚めては、なんで夢の中でまで毎晩こんなに苦しめられなくてはならないのだろうと嘆息ばかりしている。夢違観音に詣でたいところだが、フランスではそれも叶わぬ。その夢はだから私にとって実に例外的な内容だったのである。
 で、昨日その人と会い、Les Innocents というレストランで夕食を一緒した(このレストラン、私的特薦です)。楽しかった。話していてさらに驚いたのは、私が夢にその人を見た日の前後、普段はストラスブールで暮らしているその人が実際にパリに居たというのである。
 夢の通い路、あるのかも知れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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