内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

バッハ「6つのオルガン・トリオ・ソナタ」― 早朝に降り注ぐ澄明な音楽の恵み

2024-11-17 01:07:36 | 私の好きな曲

 一年を通じて音楽を聴かない日はほとんどないのですが、聴いた曲についてブログの記事を一本仕立てるには、ただ「よかった」ではさすがに体をなさないからと、曲の構成や成立史についてちょっと調べてみようかなぁ、でもそんな時間ないし、かといって付け焼き刃の知ったかぶりは恥ずかしいだけだしなぁと逡巡を重ね、そのうちに書く気が失せてしまうということがしばしばあります。それだけですでに時間の無駄ですよね。
 それに、WEB上には音楽情報が溢れ、それこそ無数と言ってよい音楽関係のブログがあり、それらのなかには本当に懇切丁寧に楽曲解説や名盤紹介をしていくださっているものも多数あり、かつてはそれらのブログに日参して多くのことを学ばせていただきました。それらを読んで思うことは、楽器一つできず譜面も読めない私ごときがある曲について何か付け加えることなどまったくない、ということです。
 とどのつまり、「ホントいいですよねぇ、この曲」くらいしか言えないわけです。それでも一言呟いてみたくなることもあります。それはどんなときかと言えば、その曲、その作曲家、そして演奏者に宛てて、「ほんとうにありがとうございます。この曲を聴けただけで、今日は佳日です」と感謝の言葉を記しておきたいときです。
 昨日土曜日の朝がそうでした。早朝のひと仕事を終えて、さて何か聴こうかなと思ったとき、いつもだとついアップル・ミュージックのストリーミングに頼ってしまうのですが、昨日は何故か手持ちのCDのなかから選んで聴く気になり、かつてのヘビーローテション・コレクション(バッハ率9割超)のなかで今もCDプレーヤーのすぐ脇に並べてある数十枚のなかから最左翼(一番プレーヤー寄り、ということです)に位置する一枚を選びました。
 その一枚とは、カイ・ヨハンセン(Kay Johannsen)の演奏によるバッハの「6つのオルガン・トリオ・ソナタ」(hänssler classic, 1997)です。この曲集は、その他のオルガン演奏も何枚か所有しているのですが、事実上このアルバムが私的一択です。
 早朝あたりが静まり返っているなかで聴くとき、音響が素晴らしい教会の身廊中央あたりに独り座り、バラ窓下のオルガンから天井まで立ち上り、そこから降り注がれる澄明な響きのなかに身を浸しているかのようで、ほんとうに心が洗われます。
 曲の詳細およびこのアルバムを含めた推薦盤については、こちらのブログを参照させていただきました。曲についての造詣と曲への愛情に溢れ、ユーモアも込められた素敵な記事です。ありがとうございました。
 皆様、どうぞ好き日曜日を穏やかに和やかにお過ごしください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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