今年度の日仏合同ゼミのテーマとして「ケアの倫理」を取り上げようかなと考えはじめたのは今年の二月のことでした。そう思うようになったきっかけの一つはNHKドラマ『お別れホスピタル』でした。
このドラマの第一回目を何の予備知識もなしに観て、いたく感動し、エンドロールを見てはじめて、同名原作漫画の作者が『透明なゆりかご』の沖田☓華さんだと知りました。躊躇なく、その時までに刊行されていた11巻の電子書籍版を直ちに購入し、全巻一気に読みました。以後、第12巻も発売と同時に購入し、今日は予約注文してあった第13巻の発売開始日でした。
そもそも終末期病棟をテーマとすること自体が漫画として稀有なことですが、一話ごとに細やかに描かれた患者さんのそれぞれに異なった最期にはその人の人生が凝縮されています。過酷な労働条件下でその最期を看取る看護師さんたちの姿から、末期のケアとは何なのかという問いへと自ずと導かれます。
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