こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2016年1月8日 金曜日 備忘録 -フリップ師匠との日々-

2016-01-08 22:22:59 | 音楽帳

キング・クリムゾンの12月来日ライヴに感銘を受けて以降、ロバート・フリップのソロをいろいろ調べては聴いていた。
改めて聴くものと知らなかったもの(サウンドスケープ類)と。

フリップのギターをたくさん聴くことになったのは1981年であり、リーグ・オブ・ジェントルマン、新生キング・クリムゾン、というリアルタイムに混じり、イーノと繋がった作品、フリップ&イーノやベルリン時代のボウイ、トーキングヘッズでのゲスト演奏、ピーター・ゲイブリエルとの曲など。
どうやったらあんなギター音が出るのか?そのテクニックとユニークな奏法がふしぎだった。知性を感じさせながら、音そのものは流暢で美しい響きを持っていて好きになった。
(リーグ・オブ・ジェントルマンには、頭でっかちでぎくしゃくとした頭痛する曲も多かったが。)

考えてみれば、プログレッシヴロックという歴史的音楽ムーヴメントが終わった後も、ニューウェイヴとの関わりにおけるフリップの存在は大きく、様々な新たな広がりと展開があり、つくづく偉大なミュージシャンだと認識する。それは文壇や音楽業界などという狭い世界で、院政を引く「大家」の言うことに左右されてしまう、といった縛りではない。
また、フリップのいる風景は、ミュージシャン同士のいさかいはあっても、「宗教・政治・広告屋ときちんと裏で握手連帯したマスメディア商売と購買対象」といったありていな構図世界の外側。汚泥にまみれた世間の外側。
虚栄心・すけべ心はあったとしても、純粋に音への真摯な態度が感じられる。

新生キング・クリムゾンが始まった後、1982年には、ポリスのアンディ・サマーズとコラボレーションした作品「心象風景」に出会う。
フリップへの興味は尽きぬまま、80年代中盤はデヴィッド・シルヴィアンとのつながりへ。周囲にろくでもない音楽が湧いてくる中、発表された2枚組「ゴーン・トゥ・アース」の持つ内発的エネルギーと魂の発露。
ここにおけるフリップのギターが加わった曲は、かつてイーノとの作品みたいに欠くことは不可能な存在と音であり、この時点ですでに後のシルヴィアン・フリップが生まれるのは時間の問題だったのかもしれない。

■David Sylvian & Robert Fripp 「Wave」 (1993年10月26日ライヴ)■

左上 デヴィッド・シルヴィアン 「遥かなる大地へ(ゴーン・トゥ・アース)」
左下 シルヴィアン・フリップ 「ザ・ファースト・デイ」
右上 アンディ・サマーズ&ロバート・フリップ 「心象風景」のLPポートレイト
右下 デヴィッド・シルヴィアン 「テイキング・ザ・ヴェール/アンサード・プレイヤーズ」 ・・・「ゴーン・トゥ・アース」からの四角いシングル盤。B面のギターはビル・ネルソン。


いずれも身近に置いて、繰り返し聴いて(眺めて)おきたいもの。
「ウェイヴ」オリジナル曲は、’86年作品『ゴーン・トゥ・アース』に収録された未だ愛聴曲である。
コメント
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