こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2016年1月29日 金曜日 音楽備忘録・コンパクトディスクの現在

2016-01-29 22:55:51 | 音楽帳
今どきではすっかりCDという記録媒体すらが風前の灯火になっている。そのことを強く思ったのが去年2015年だった。
「全部ダウンロードすりゃ聴けるしね」
そりゃそうだ。間違いではない。
他人行儀な言い方はしない。ボクもそうするし、CDを買っても結局聴くのは、パソコンに取り込んでmp3プレイヤーで聴いているケースが多い。CDという物体は手元に置いておきたいものもあるが、だからと言って何もかもがCDで無くても困らないんだろう。

だから、いずれ・・・という流れは分かっていた。
昨年「ええ?このCDアルバムまでもが100円!」という場面に多く出会った。それはブックオフだったり、中古CD屋さんとかで。中古CDは昨年劇的に大暴落した。少なくとも歩いて不意に入るお店の価格は総じてそうだった。

けっこうショックだったのは、ブックオフの100円コーナーにスケッチショーのファーストアルバムがあったこと。付いた価格が音楽の中身のレベルを意味してはいない。。。のだけど、いくら何でも100円は無いだろう。安ければうれしいということも多いが、値段の付け方に「やりすぎ」と思うこともある。「オーディオスポンジ」は持っているが「見捨てるわけにはいかない」と2枚目を購入した。

お店側がCDというメディアに見切りをつけたのだと思う。安くても価格では売れない時代に入ったから、300円程度の値段を付けておいて、セール時には200円、100円といった具合にして、何とかさばこうと、お店側は必死だ。
ブックオフもお店によっては売り場におけるCD在庫スペースを減らしているところが目立つ。悲しいかな、それが現実。

かつて書いた記憶あるが、CDはデジタルデータを収める過度的形態だから、元々消えゆくものだった。レコード盤とは違う。
レコードは容易に複製できないが、CDは個人で簡単に作れるようになった。コピー盤と本物の違いは、あくまで盤を包むプラケースに入るLOT印刷紙があるかないかの違いだったり、執拗にオリジナルに律義さを求める人の意識だけになってしまった感が強い。<紙ジャケットにしたりオマケ的なものを付けたり・・・といったコレクター仕様は、マニア以外不要なのだが。。。最近はサラウンド仕様で再発することも行われている。>

***

過去のレコード/CD売上枚数ベスト10をやることがあるが、やけに90年代のくだらないJ(じぇい)ポップ類が多い。何てことはなく、音楽産業が90年代潤ったのは、レコードから扱いやすいCDというメディアへ移行したことが大きな理由(あるいは悪しきカラオケ文化の蔓延)で、音楽の中身・質とは無関係である。安くて良い音が鳴る簡便なリスニング道具が拡散して、販売枚数が劇的変化した。それだけのことだ。

じぶんの部屋にうず高く積まれたCD類の雑多な塊は、買ったものと(ジャニスなどで)借りてコピーしたものがまぜこぜの状態。想い入れあるCDもあるけれど、昨年(雑誌も含めて)カビが発生していることを発見し、そこに諸行無常を感じてから処分するか否かの間で揺れていた。そんな悩む時間すらムダなのだが。
いくら大枚はたいて買ったものでも、ちゃんと付き合い面倒をみていないとこうなる。お花を育てているときと同じ。あるいは彼女との付き合いとも似ている。

迷った結論:全部を聴くわけではないので「モノによっては」処分方向。あいまいな言い方だが、これが今の精一杯。。。というか正しい言い回し。
じゃあ何を残すか?と基準に迷うが、やはり何度も聴くものは処分できない。YMOファミリーのアルバム類が別枠であるように、あるいは「流通する消耗品」では無い・消耗しえない音楽など。
マニアは希少価値・骨董品趣味の度合で残すものを決めるが、自分にとってそんな行為はもう意味が無い。

***

ボウイの死後、妙に醒めた感覚が訪れることがある。呆然とすることもある。ボウイは存在そのものが別枠なのだ。
それでもインターFMから流れるリアルタイムのポップスを聴き、うきうきする曲を発見してはニンマリし、渋谷さんの「ワールドロックナウ」を聴いてほっとしたりもする。先週はB・スプリングスティーンの「ザ・リバー」特集、良い放送だった。
「メインストリームの音楽なんか」と斜に構える姿勢は、昔と違ってもう無い。むしろ、素晴らしく広大な音楽がそこにある。そう思えるのは、年齢とともに音楽からくみ取れるニュアンスが広がったせいかもしれない。

もとを辿れば、そんな王道にはない不可思議でマイナーな音楽を見つけることを楽しみにしている面があった。道で拾いモノをするように、屁理屈抜きの発見がラジオやレコードからあった。そのせいで音楽に惹かれたはずであって、そんな基本に戻んなきゃな、という想いを新たに抱く。
有名無名・売れる売れないなんか気にしていなかったはずだ。
「これ、どうしても好きなんだよな」「これイイよ、オススメだよ」そんなあたりまえの感情・愛情をもって音楽を聴きたい。そんな気持ちを取り戻すべく深呼吸。
形がCDだろうがデータだろうが、そんな形式は関係がない。そんな気分になる。

■コートニー・バーネット「ペデストリアン・アット・ベスト」2015■
2015年出会えた、好きな1曲。
コメント (1)
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