
鳥肌立った12月中旬クリムゾンの来日ライヴ。
以降フリップ先生と仲間たちの音楽を改めて聴きこんでいる。最近の歩き旅の7つ道具には必ず入っている音楽。それがキング・クリムゾンとフリップ周辺なのだ。
また、調べているうち知ったトーヤとフリップ夫婦が出演したイギリス番組の動画。
ほほえましい2人の姿が好きで、疲れた夜によく見る。
昨夜、入院する親を見舞ったあと、兄と久しぶりにお酒を呑んだ。
シリアスばかりじゃ疲れてしまう。ボウイについて2人で語ったあとは、トーヤとフリップ夫婦の出演した番組を巡って大笑いし盛り上がった。
「先生があんな姿をしているなんて、まさか。。。と唖然となった。」
あのフリップ先生が自由奔放なトーヤのペースに巻き込まれ、尻に敷かれる姿がとても幸福に見える。
「英語は分からないけど、たぶんフリップが話した後に、トーヤは“この人いっつも妄想じみたワケわかんないことばっか言ってんのよ”そう言ってんのかもね(笑)」それでもお互いを大事に想い愛していることが伝わってくる良い映像だ。

調べる中で2人(トーヤ&フリップ)で1986年アルバムが創られていることを、30年目にして初めて知った。
雑誌類で紹介される新譜は、たいていジャケットくらいは見たことあるか、1曲は聴いたことある。そんなものがほとんどなのに、1986年の作品はまったく知らなかった。タイトルは「The Lady Or The Tiger?」。
現代がありがたいのは、それをYoutubeで視聴できること。
このLPをデータ化したものに12月に出会い、繰り返し聴いている。
A面
The Lady Or The Tiger? 29:48
B面
The Discourager Of Hesitancy
The Encourager Of Precipitation 19:13

特にA面の出来が良い。30分近い曲はその長さを感じさせない。
フリップのギターとフリッパートロニクス、しずかにリピートする音を背景にトーヤの語りが乗っかる。
そのトーヤの声がなんともイイのである。魅力的な声のトーン、語る間合い・拍子も飽きることがない。興味のある人にはオススメの1曲。人によっては、寝るときの睡眠導入になるかもしれない。
■Toyah & Fripp 「The Lady Or The Tiger?」1986■
トーヤ自身のアルバムは80年代当時ロクに聴いていなかった。雑誌広告では新譜が出るたび、ニューウェイヴのコーナーで紹介され、ジャケットワークは素敵だったがレコード評を見て終わってしまっていた。今ではベスト盤CDを持っているが、当時はそれ以外に夢中なものがあり過ぎた。
兄との会話。
「なにがフリッパートロニクスですか(笑)イーノが創った装置なのに。だいたいが先生、どこまでが本気で、どこまでがジョークかわからない。・・・でも、イイよね。」
「最近よく思うけど、音楽には時代を経たうえでしか見えてこないものも多いね・・・そして、キング・クリムゾンは確実に歴史に残る・過去無かった音楽だというのを、12月ライヴを視て感じたね。」
何十年経っても劣化しない稀有な音楽。その確固たる存在感。
それを目の前で感じられた幸せを噛みしめる。
音楽を巡る夢と冒険は、まだまだ続くのです。
