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民衆会議/世界共同体論(連載第19回)

2017-12-02 | 〆民衆会議/世界共同体論[改訂版]

第4章 民衆会議の組織各論②

(5)民衆会議と経済計画 
 民衆会議の総合的な施政機関としての特色を示すもう一つの柱として、経済計画の承認という任務がある。真の共産主義的経済計画は、計画対象企業体による自主的な共同計画として、民衆会議とは別立ての経済計画会議が審議・策定する(拙稿参照)。
 経済計画会議で最終的に議決された経済計画案は、その後、全土民衆会議に送られたうえ、審議・承認されて初めて発効する。 これによって、経済計画は法律そのものではないが、単なる政策要綱でもなく、法律に近い拘束力を持った準則となる。
 なお、以上は全土レベルの生産活動に係る生産計画の場合であるが、地方ごとの消費に係る消費計画に関しては、各地方圏(または準領域圏)ごとの消費事業組合が計画案を策定し地方圏(または準領域圏)の民衆会議が審議・承認する(拙稿参照)。
 こうした構制からして、別連載『新計画経済論序説』では「政経二院制」という構想を提唱したところであるが(拙稿参照)、政経二院制とは、旧ソ連のような行政指令型ではなく、企業体による自主的共同計画という構想から計画経済を主導する経済計画評議会と、政治を主導する民衆会議とを併せて「二院」と総称したものである。
 もっとも、この構制では、民衆会議と経済計画会議とは全く役割・性格を異にする機関であるから、「二院制」という諸外国の上下両院や日本の衆参両院を指す用語と混同されてはならない。

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