行政の予算が厳しくなっている。4年前に整備が終わった道路改良工事。大きな予算をいただいて整備がされた下町の宝だ。整備完了までに333回を上回る地域住民と行政とで協議を積み重ねてきた。下町に水辺空間を。それが行政が求めた条件を受け入れた経緯もある。どぶ川を埋めた道路。どぶ川だった川底には暗渠があった。コンクリートの構造物が工事を難しくした。撤去工事に2年を要した。6年経過して維持管理が続いている。工事の進捗には紆余曲折があった。反対派が大多数だった勉強会。意見を丁寧に聞く姿勢を貫いた座長のお蔭で徐々に賛成派が増え、要望書に纏めることができた。完成時には多くの住民が集まった。市長も来て完成を祝った。完成後は下町の宝を維持管理する運動にウエイトが移った。当初は20名を超える維持管理のスタッフ登録があった。日常の維持管理に行政も求める作業報告書を必要とした。作業前、作業中、作業後の写真。参加スタッフの名前、作業内容の報告が義務だった。僅かな維持管理費用の補助があった。横やりが入った。「金をもらって作業をしている奴らだ」と地域の住民に喧伝する輩が現れた。ボランテイアでも有償ボランテイアのつもりだった。作業が毎日必要であり、行政の求める証拠写真・作業報告書のわずらわしさもあり、完全無償ボランテイアに切り替えた。地域の宝を維持したい気持ちがそうさせた。無償ボランテイアは誇りである。「金をもらって作業をしている!」なんて悪口は許せない。その心意気は変わっていない。ただ、行政との接点が薄れていった。区役所の担当部署の仕事が無くなった。地元ボランテイアでは手が届かない維持作業すら当初の予算がつかなくなった。道路の陥没、街路灯の球切れ、高木、低木の剪定作業、倒木の植え替え、側溝の溝詰まり、歩道ブロックの破損、目が届かなくなった。気がつけば従来の担当部署に連絡はしている。されどなかなか連絡内容の対応がとれていない。予算がとれていないようだ。無償ボランテイアに切り替えた事が原因だったとしたら本末転倒と思う。従来、行政で負担できていた作業が減ったのだ。無償ボランテイアで浮いた予算を本来行政がおこなっていた作業に加えてほしい。その気持ちすらあるのに、本来の行政が負担していた専門作業すら予算を削ったかの様な印象を受ける。行政の担当者の顔が限られてきた。パイプが細くなるとこの傾向はどこでも予測がつく。地元の議員が必要だ。政治の力。ここでも現場は声を上げる必要がある。開発だけでない、維持管理にも視点を当ててほしい。ボランテイアの育成予算。それは社協の仕事と逃げないで。