発明の多くは勘違いから生まれる。常套手段で行うステップは時間かかる。田中耕一ノーベル化学賞受賞者だ。「生体高分子の固定および構造解析のための手法の開発」タンパク質を質量分析する際にレーザーによるタンパク質の気化、検出することを世界で初めて成功した。「間違えて」グリセロールとコバルトを混ぜてしまい、「どうせ捨てるのも何だし」と実験したところ、見事に成功した。この「レーザーイオン化質量分析用試料試料作製方法」は1985年特許申請された。「ソフトレーザー脱離イオン化法」は2002年のノーベル化学賞受賞となった。田中耕一博士は血液一滴で病気を早期発見する技術の開発でアルツハイマー病を早期に見つける技術を開発した。2度目のノーベル化学賞を受賞するかもしれない。案外多い勘違い。先日も勘違いから提案書を出された案件を見つけた。コミ協の集会所は無料で使える。コミセン、コミハは光熱水費、人件費を自組織は無償で使えると勘違いしたらしいケースがあった。行政が全額補助している。そう思っていたらしい。コミ協が独自のコミセン、コミハを所有しているのは極く一部。もっていないコミ協の方が多いこと。集会所の管理が別の行政部署の管轄であること。通常の経費負担をコミ協が負っていること。それを知らない行政OB。縦割り組織の弊害だ。横の組織の事情を知らない。良い提案が為されたと思ったら諸条件の使い勝手を勘違いして理解していた。なんて事もある。本来、条件が異なる場所に提案。そこで異なる条件から新たに見つかる課題と成功。これがノーベル賞並の成果を生むケースもあるかも。そう思いたい。多くは現場サイドで見つかる課題だ。ひとつの理解不足から生まれた成果。偶然の成果。そこを活かす工夫と行動が成果の差となる。