Remains of The Accidents

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【読了】 兄弟 なかにし礼

2010年08月06日 | 読書
98年の作品、直木賞候補となった

自伝的小説なのか自伝なのかわからないが
直木賞候補ということであれば小説なのだろう
(そもそも小説という定義がわかっていない)

先に満州からの引揚話である「赤い月」を読了
しており、その書評から本作はいつか読もうと
決めていた

「赤い月」の主題が実母の人生であれば、本作
は実兄の話といえる
ストーリーは重複するものの自分自身に大きな
影響を与えた二人を描写しきることで自伝とし
たものではないだろうか

日本という国が実際に戦争という愚かな行動に
出た結果、その片隅で翻弄され続けた家族がい
て、その傷は戦後65年経過した今でも形を変
えて残っているということか




今日は広島の原爆忌

あのとき、8月6日に新型爆弾を投下されたの
だが、それでも戦争終結を選べなかった結果
9日に長崎でも惨事が起されることとなった
ただ、あの頃の情報伝達速度を考えれば長崎の
9日投下は最後通牒としていかにも性急であり
米国が戦争終結以外の実験的な意思を持ってい
たことは確実だ

戦争という名の下で想像のつかない愚行が行わ
れたことは必ず記憶に留めなければならない
たった一つの目的「二度と愚行にはしらない」
ということのために

コメント
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