長男の面倒を診ていたらオミクロンに感染してしまった。
マスクもせずに会話したりしていたのだから当然だった。
幸い症状は軽く、発熱も微熱、されど発熱外来を受診して見事陽性患者に認定された。
長男に一部屋充てているため、普段家内の寝室としている和室を隔離部屋として隔離生活に入った。
不用意に感染して「穢い」者になったことで、家内の機嫌は頗る悪くなった。
具合を案じる言葉はなく、ただ「食事っ」「お茶っ」とだけ声をかけ置いていくだけになった。
残る長女も感染を恐れて、どう振る舞ったらよいのか戸惑って、とうとう3時のおやつを襖の間から投げ入れてよこした。
感染症なのだから当然と、言い聞かせても感情は高ぶる。
また余計な言葉を発してしまいそうになり、落ち着くまでに少し時間がかかった。
隔離生活は精神を追い詰める。
大してすることもなく、ふとこのブログを開いた。
誘われるようにブログを始めた頃の記事を読んだ。
2005年宮崎にいた頃、まだ家族は三人、長女がおねしょシーツをひいて寝ていたころから始めていた。
毎日のエピソードは愛らしく綴られ、宮崎の公園や海を舞台に家族はすごく楽しんでいた。
心が落ち着いた。
それでも無言の暮らしは心に隙間を作る。
昼寝から目覚めると不自由さに少し心がざわつく。
久しぶりに映画を観よう。確かそういうサービスに入っていたはず。
AmazonPrimeで「The Bucket List」(2008/05)を観た。
J.Nicholson , M.Freeman の二人、ヴェテラン俳優ならではの安定した演技。
たまたま選んだのだが変に感情が移り涙が流れた。
泣くことはストレスという毒を分解するらしい。
このストーリーが心の底に残っていた澱をすくって出してくれた。
我が身一つの思いではないと。
2008年と言えば毎週のように家族連れで出かけていた頃だ。
この頃の映画を、このタイミングで、この状況で観ることになるとは、予想もしなかった。
当時はアンパンマンや戦隊モノのDVDばかり借りていた。
この映画のDVDは何度か手にとった記憶はあるが観たことはなかった。
そんな映画が待っていてくれたとは。
また、この歳になって観ることになろうとは。
ラストシーン近く、「世界一の美女にキスする」シーンで回収される伏線に涙が止まらなくなってしまった。
歳をとった。