Remains of The Accidents

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海のそばで

2021年05月23日 | つれづれ


月末の予約を変えて伊豆にいってきた。

天気に恵まれて早朝、レンタル拠点を出発。

いつもどおり夜明けとともにMT-09にまたがる。

今回は、まず第三京浜から西湘バイパス経由真鶴で忘れ物を探すところから。

その後、R138で湯河原、熱海の喧騒をやりすごし、宇佐美という湾に降りてみた。

波もおだやか、温かい砂浜で楽しそうに親子が遊んでいる。

 

この海岸から江戸城の石垣に用いる石を運び出したという。

いまは穏やかな春の海辺、のんびりと休憩する。

以前と違って仕事に追われることはないが、年齢とともに違う形でストレスはやってくる。

ストレスを消化する唯一の方法は「楽しむこと」、楽しいことをしているときに脳はストレスを消してくれるのだそうだ。

最近の月に二回のツーリングはこのもやもやとしたストレスを消してくれているようだ。

「何が楽しいのか」と問われることも多い単車行。

昔は友人や先輩たちと適当な距離感を保ちながら目的地に出向くことやその道中の話題やハプニングを楽しんでいた。

いまは、ただ何も考えずに風を受けながら、普段見慣れなくなった景色を楽しんでいるだけだ。

 

 

単車に乗りながらではなかなかうまく手持ちの曲も聞けないのだが、シャカシャカと聞こえてくるメロディーと風景がかさなり、思い出がシールドのはるか先に浮かべば脳はストレスを消し始めてくれる。

速度を上げることもなく、ただ風を感じて進んでいく。

 

はじめて単車に乗って走ったのも明石のR28、神戸市の端っこから国道フェリーを経由して淡路島につながる道。

明石海峡大橋が懸かってからフェリーは廃止、海岸は埋め立てられてしまったが、あの頃は国道のすぐとなりが大蔵海岸だった。

初夏の海岸道路を原付スクーターで気持ちよく走ったものだ。

東伊豆を下っていったのだが、あまり進んでしまうと返却時間に間に合わなくなってしまう。

少し余裕をもって伊豆スカイラインに向かう。

冷川ICに近づくにつれ、そういえば亡くなった同僚の墓がこの近所だったなどと思い出した。

少し遠回りだが寄ってみよう。彼の実家で墓の場所をきこうとしたが人気はなかった。

たしか自宅から山を少しのぼったところに埋葬すると聞いていたのだが、結局そこはわからずじまい。

ご近所総出で田に水を引き田植えをしておられたので声をかけてみようかと思ったのだが
その勇気も時間も持ち合わせていなかった。

 

 

自分には墓はいらない、つれあいや子供たちが必要というなら埋葬してもらってもよいのだが

墓にはいるわずかな骨以外のものは捨てられているのも事実なら、手間はかけなくてよい。

あと何年生きていくのかわからないが、こうやってシールドの向こうの思い出たちと生きていくのか
リアルな世の中に楽しいことが起こるのか、まだよくわからない。

ただ、家族や旧友に依存しないで一人で生きていくことだけが大事なことだ。

母親の体から出てきたときから、結局一人なのだから。

コメント
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