My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

KT88系真空管の聴き比べ。~GEC KT88~

2022-02-06 13:34:56 | 真空管いろいろ

今回のKT88プッシュプルアンプの改造を一旦終了としましたので、ここで手持ちの球を乗せ換えて、聴き比べをしてみたいと思います。

UL接続、Ip(プレート電流)は40mAに調整して統一。

体調の良し悪し、鳴らし込み時間を考慮し、2日間位聴き込んでから評価します。

いずれの球も過去に聴いたことがあり、今の状態での再確認になります。

最後に「比較まとめ」を投稿したいと思います。

 

最初にいきなり登場するのは、KT88の最高峰と言われる『GEC KT88』です。

Made in England(UK)。茶ベースでので正真正銘の初期版です。

印字、ラベルも残っています。印字から分かる通り1978,79年製です。

これ、はっきり言ってお高いです(自慢)。

確か、測定値付きを購入したと思う。

 

その音は、やっぱ「良いものは良いですね~。」

人気があり高価なだけの事はありますね。これで音が悪かったら泣きます。

音数が多く、響きが良いですね。

言葉で表現するのが難しですが、音楽の雰囲気が良いです。

ヴィンテージ管らしく中域から高域にかけて特徴があります。

かといって耳に刺さらない良い響きです。

聴き疲れしません。いつまでも聴いていたくなる魅力があります。

流石!、王様キングの貫禄です! "King of KT88!!!"

 

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6DJ8系真空管の聴き比べ。(6922/ECC88/E88CC)

2021-10-17 13:59:19 | 真空管いろいろ

真空管差動ラインアンプがひとまず完成したので、ここに使用している6DJ8系の真空管を簡単に聴き比べてみました。

多くは有りませんが、写真の真空管を所有しています。

以前(随分と前)にも紹介したのですが再度。

左から。

・EH6922(エレクトロ・ハーモニックス=通称エレハモ)

 現行生産品(Made in Russian)です。特に特徴も無く中庸的な音です。ちょっと甘めで良い感じ。

 私が最初に出会った真空管です。現行品なら、これかJJ/Teslaでしょう。

次からはヴィンテージ品になります。

・Amperex ECC88 (Bugle Boy)

 日本では「笛吹童子」とも呼ばれています。おそらく管壁の印刷からその様に呼ばれているのでしょう。Made in Holland

 音質も確かに高域が煌びやかで特徴的です。春風の様に吹き抜けます。これ、誰かがその様に表現していました。低域もしっかりと出ています。気持ち良い音です。

・Telefunken(ダイヤマーク付き) ECC88

 優等生です!。低域~高域までフラットです。しっかりとした音です。

 甘さとか厭らしさは有りません。それ故、面白く無い音かも。リファレンスとして使っています。

・Tesla(金足) E88CC

 Vp(max)がECC88/6DJ8の130Vに対してE88CCは220Vと高いです。ECC88の高信頼性管。

 繊細で緻密な音です。音の色付けは有りません。これも優等生です。

・SEIMENS(金足) E88CC

 柱に製造ロットの刻印が有るので正真正銘の本物です。

 Telefunkenと並んで最高峰と言われていますが、私が持っている球はエミ減なのか?それ程でも有りません。

・National 6922(Mullard)

 Made in USA。Mullardの製造設備を買い取って製造したとの事。

 欧州系の音ですね。しっとりとした感じです。高域が綺麗です。中域が物足りないです。

・Mullard 7614/CV2493

 Made in Great Britain。軍用のCVナンバーが付いています。

 金足、ディンプル付きのディスクゲッターです。

 欧州系の色気、暖かみの有る音です。

 

結果、プラシーボが多分にあると思いますが、以前に感じたのとほぼ同じ結果となりました。

6DJ8に関しては、現行生産品EH製でも充分な様な気がします。

 

最後に一言。

真空管の足(ピン)は、綺麗にしてから使いましょう。

特にヴィンテージ品は酸化して黒ずんだ物が多いので、本来の音が出ないです。

汚れが酷いと、場合によっては、ボソボソ・ノイズや雑音が出ます。ヒーターが不灯になる事も。

ピンの掃除には、これが良さそうです。

掃除した後は、無水エタノールで綺麗に仕上げましょう。

 

 

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真空管自体の修理 ~ステムリード接続不良~

2020-12-23 11:25:01 | 真空管いろいろ

購入したヴィンテージ真空管が使っているうちに(或いは初期から)、球の頭を軽く叩くと、スピーカーから「ガサゴソ、ボソッ」と異音を発した経験は有りませんでしょうか?

因みに「カーンとか、ピーン」と響くのはハーモニック・ノイズでこれとは別物です。

この球が、いつか大事故を起こして、他の部品に影響を及ぼしたり、場合によってはスピーカーを飛ばしたりするのではないかと、気がきで使いたくなくなります。折角、大枚を叩いて買った球がこれでは泣くに泣けません。

私も何度かこの経験をして、折角のヴィンテージ品なのに仕舞い込んでしまった球が有ります。

恐らく接触の問題なのでしょうけど、どこの接触不良なのか調べる方法も分からず、また分かったとしても修理方法も知りませんでした。今までやって見た事と言えば、端子ピンのアルコール掃除くらいでした。

ところが、GT管のベース(袴)やピンを眺めていて、最近ふと思いつきました。

取り敢えず、ステムリードとベース・ピンの接続を再半田してみよう!!!これで治れば儲けものだ!いざ実行!!

作業の手順は以下の通りです。

 

①ベースピンの古い半田を半田吸い取り器か吸い取り線で除去します。

  半田を吸い取ったら、細いステムリードが見えてきました。

    

  半田吸い取りには、いつものシュッ太郎を使いました。追い半田をすると吸い取り易いです。  

  これ1本あれば便利です。もう10年以上使っています。

 

②ステムリードの先端を極細ヤスリで磨きます。こんな感じ。

 

 この時、ヤスリの先端でリードを押し込んでしまわない様に、出来るだけ細いヤスリを使います。

 極細ダイヤモンドやすりが必要です。私が使用した物は軸径0.7mm品で、東急ハンズで購入したと思います。

 

 Amazonにも同等品が有りました。

 

③再半田をします。

  使用する半田はお好みで。良質な物が良いでしょう。

  半田を盛り過ぎると、ソケットに挿入しづらくなるので注意。

 

④ついでにピン(足)もエタノールで洗浄しておきます。

 

見事に修理が出来ました!!! 球を叩いてもスピーカーから異音が出ません。

異音の原因はやはりステムリードの接合問題の様です。

長期使用で問題が発生したのは、熱膨張収縮を繰り返して接続がルーズになったと思われます。

この修復作業は、道具さえ有れば2本で1時間も掛かりませんでした。わりと簡単に出来ました。

これはステムリードとベース(袴)のピンが半田で接続されているST管、GT管に共通して使える修理技です。MT管はガラス管内部で接続されているので無理です。

お役に立てれば幸いです。

なお、ヴィンテージ真空管マニアなら既知の内容と思いますので読み飛ばして下さい。

 

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ヴィンテージ品にはFAKEも多い。

2019-09-09 13:47:22 | 真空管いろいろ

前回の投稿で真空管E88CCの真偽について書きましたが、オーディオに限らずファッション関係(衣服、時計、カバン等)でも、世間でヴィンテージ品と呼ばれるものには、偽造品、模造品、また復刻品がなんと多いことか。

それを見分けるには、何度か痛い目にあった経験と本物を見抜く観察力が必要です。

模造品や復刻品とわからず大枚叩いて手に入れた品物が偽物だった時の精神的ダメージは相当なものです。

オーディオ部品に関して言えば、私は何度か痛手を被り、今ではある程度見抜ける様になったつもりです。

あまり参考にならないかも知れませんが、私の経験から模造品(FAKE)や復刻品(REISSUE)について、いくつかの例を挙げたいと思います。

具体的な見分け方の詳細は、波紋が広がるといけないので、ここでは敢えて伏せておきます。

 

(オペアンプIC)

有名なものでは、Burr Brown製のOPA627AP/BPが有りますね。

これは音質が濃厚でこのアンプを超えるものは無いとか、このICの存在でディスクリートでアンプを組むのをやめた人もいると言われています。オペアンプとしてはとても高価です。

私が最初に手に入れたものは、色々と調査していくとなんと中国製であることが分かりました。そしてその後本家米国から購入した物は本物でした。音質も違っていました。

見分け方のヒントは、電気特性(テスターでわかります)とパッケージの一部です。印字にも違いが。

ネットで調べてみて下さい。

中国製はシリコンマスクをコピーしたという噂もあります、、、。

このOPA627の本物は一時期入手難で高騰していましたが、今は入手出来る様です。本物かどうかは知りません。

他のICでも模造品があります。Burr Brown(バー・ブラウン)ブランドは特に注意が必要です!。

 

(真空管)

信頼性、品質が良く音質が優等生でとされているTelefunken(テレフンケン)が代表格ですね。

一般的には底にダイヤマークが有る物が本物と認知されていますが、果たしてそれが全てか?。

私は印字とダイヤマークで見分ける様にしています。

ECC83にはリブプレートとフラットプレートが有ります。

私は何本か所有していますが、音質的に優等生過ぎて面白味がないので、あまり使っていません。

テレフンケン品を安く手に入れる方法も有ります。それはOEM品です。この場合は印字では見分けがつきません。

またSIEMENS品にもFAKE品が有ります。

これは意外と簡単です。印字形状と製造ロット番号の印字です。

Mullard品にもFAKEが多い様です。

手持ちのムラード・ボックス・プレート。本場欧州から入手しました。

TESLAやMullardにはReissue品も有ります。

他のブランドでも有ると思います。真空管に関しては枚挙に暇が有りません。

手持ちのBRIMAR製。

真空管に関しては、製造年代が古いだけに当時の情報も不足していて、これが混乱させている要因のひとつでも有ります。

 

(コンデンサ)

ヴィンテージと言われるスプラグBlack Beautyにも模造品が有りそうです。

またWest Capには復刻品(REISSUE品)Arizona Capcitors製が有ります。

 

まだまだ他の部品にも沢山有りますが、兎に角、購入する時はよく調査の上、現物を慎重に確認するか、自信がない時は信頼のおける業者から購入する様にしましょう。


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掘り出し物を手に入れました。~E88CC TESLA金足 交換球として~

2019-09-03 13:51:35 | 真空管いろいろ

昨日、久々に地元の中古ショップに行き、なかなかの掘り出し物を見つけたので、すぐさま捕獲しました。

この店には真空管も置いて有り、ジャンクのMT管なんぞはプラスチックの箱に無造作に入れてあります。

何か目ぼしいものがないかと、この箱の中を漁っていたら、金色に輝く足を見つけました。

こ、これはもしやと思い拾い上げてみると、的中!TESLA(テスラ) E88CC金足品(ゴールドピン)です!

あれ、もう1本は?

必ず2本有る筈と信じ、別の箱を漁ると、有りました!。こちらも金足です。

今稼働している5998 PPアンプのドライブ段がE88CCなので、スペアとして購入しました。

確かに箱の中の他の球よりは高価でしたが、それにしても市場価格に比べれば格安です。

今回、購入したものがこちらです。ピンを綺麗に磨きました。

 

ヴィンテージの真空管は偽物も多いので、まずこのE88CCが本物のTESLA製であるか真偽を確認する事に。

このWebサイトやネットの投稿を参考にすると、大まかな見分け方は以下の様です。

http://www.jacmusic.com/JJ/803S-FAKE/

https://jacmusic.com/tesla/tesla-jj.html

 

さっそく今使っているものと比較しながら検証。

(ポイント1)

左右電極の間に有るシールド・プレートがアルミクラッドのグレー(偽物はメッキプレート)

どちらもグレーなので、これは問題ない様です。第一関門クリアー。


(ポイント2)

内部グリッド棒が金メッキになっているものがある。これは、TESLA製でも希少らしい。

https://jacmusic.com/tesla/tesla-jj.html

現在使用中のものが該当。

上マイカからの飛び出し。金メッキです。

下マイカからの飛び出し。金メッキ。

それに対して、今回入手したもの。金メッキではありません。

上マイカからの飛び出し。

下マイカからの飛び出し。

 

(ポイント3)

ガラスの頭頂部。

現在使用中(右)のものは丸みをおびた撫で肩になっています。

あれ?偽物? 角(ツノ)の形状も違います。入手品のほうが尖っています。

 

(その他)

それ以外にも違いがないか、さらに観察しました。

内部の配線材料

 入手品:綺麗です。

 現在使用中のもの:ザラザラしています。

ステム形状

 入手品:綺麗で盛りが大きいです。

 現在使用のもの:盛りが低くて雑の様な気もします。

ガラス

 今回入手品のほうが透明度が高い様な気がします。

印字

 現在使用品(右)は胡散臭い感じです。

裏側のロット等

 意味が良く分かりません。左2本が今回入手品。

 

以上、比較してみましたが、Webの情報を元にしても、現物の部位ごとに真偽が混在していて、結局私には真偽について総合的な判断が出来ませんでした。???

仮に偽物としたらRFT製かな?China製は無いと思います。

テスラの生産工場には、Roznov工場(cord32)、Trinec工場(cord37)がある様ですが、私はcord37の球に出会った事はありません。

また、軍用で剣(SWORD)マークのあるものも存在する様です。

 

音質は、どちらの輪郭のハッキリとした透明度の高いテスラの音です!

どちらも同じ音で私の耳には違いが判りません。

私的には、このE88CC系列のECC88、6DJ8、6922の中では、TESLA E88CCは信頼性、音質とも最高と思います。好みの音です。


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SIEMENS製 ECC83/ECC81を入手、差し替え。

2017-10-15 10:45:48 | 真空管いろいろ

SIEMENS(シーメンス)製のECC83(12AX7)とECC81(12AT7)を各2本づつ入手しましたので、さっそく使用してみました。

使用前に、まずピン(足)磨き、掃除を行い綺麗にしてソケットとの接続性を良くします。

今回入手した物は、箱の中での長期保管品だった様で、腐食(カビ?)しているピンもありました。

さすがに、このままでは使用できません。

 

汚れが酷かったため、今回のピン磨きには、メタルクリーナーなるものを使用しました。

これで酸化皮膜を取り除きます。

液を綿棒に付けて、ピンをゴシゴシと拭きます。研磨材が沈殿しているため良く掻き混ぜる必要があります。

AMAZONでも入手が可能です。

和光テクニカル メタルクリーナー MC13
←画像クリックでAmazonに移動が出来ます。
和光テクニカル

研磨後は、無水アルコールで研磨剤の成分を綺麗に取り除きます。 

結構、しつこい汚れでしたが、以下の写真を見てください。

左が掃除前、右が掃除後です。

2本とも磨いたところです。

ECC81も同様に掃除をしました。ピンの曲がりは後で修正しました。

さて、実装、差し替えです。

SIEMENSと言えば、Telefunken(テレフンケン)と並ぶ、高品質、高音質管として人気の球です。

以前にも使用したことがありますが、好結果でしたので、否が応でも期待が膨らみます。

 

ECC83は、プリアンプのフォノ・イコライザ回路の初段に使用しました。

松下製12AX7(Tマーク品)からの交換です。

暫く通電の後、音だしをしてみました。

結果はやはり優等生ですね。芯のしっかりとした質実剛健な音です。

くっきりはっきりな音です。テレフンケンの音とよく似ています。

 

ECC81は、パワーアンプFOX-BAT(6C33C)の初段SRPP回路に使いました。

初段に使うべきか、ドライブ段に使うべきか迷いましたが、良かったのかなぁ。

ECC82からの交換です。

ECC81はECC82比べ、増幅率が高いので音も大きくなり、少しゾリっとした感じなりました。

私の様に、ジャズ、ロック、ポップ系を聴くには、こちらが良さそうです。

しかし、こちらも芯のしっかりとしたテレフンケンによく似た音です。

 

この状態で暫くエージングをしながら様子を見ようと思います。

 

今回、FOX-BATの良い感じの写真が撮れましたので、併せて掲載します。Xperiaで撮影しました。

写真では、初段にECC802S、後段にECC81となっていますが、後で、入れ替えています。

 

 

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真空管の足(ピン)の清掃。 ~新アイテムを使う~

2013-03-24 12:11:09 | 真空管いろいろ

今回、秋葉原でゲットしたアイテムのひとつ。

メタルクリーナー MC13。 ラジオデパートの海神無線でぶら下っているのを見つけた。和光テクニカル製。

この手のもの、音質改善とか謳って、中には、少量で数万円もするものがあるが、これは、さほど高くない。

成分は、アルミナとアルコール系界面活性剤。 アルミナで研磨、アルコール洗浄し、界面活性させるもの。

ボトルは、こんな感じ。まさに、酸化皮膜除去剤。

真空管の足(ピン)は、金メッキ端子以外は、必ず酸化するので、精神衛生上良くない。

しかもVintage品になると、この酸化皮膜がなかなか取れない。

今まで、色々試したが、どうしても、この酸化皮膜が気になってしょうがない。

 

さっそく、このメタルクリーナーを実際に使ってみた。以下が私の使い方。

①真空管のピンに、このメタルクリーナを付属の刷毛で塗布。

②綿棒でピンをゴシゴシとこする。(研磨) 綿棒が結構真っ黒になる。酸化皮膜が取れているのがわかる。

③アルコールでピンを洗浄。説明書には、水洗浄と書いてあるが、水分が残るのは、次の酸化を起こしたり、絶縁性の面で嫌である。

④CARDASのContact conditionerを塗布。

⑤15分後、拭き取り。この時、また、細かい汚れが落ちて、綿棒が少し黒くなる。

⑥ついでに、真空管ソケットのピン穴を、歯磨きの歯間ブラシを使って、アルコール洗浄。

以上である。

ピンの酸化皮膜が見事に取れている。綿棒にかなり汚れがついている。

今回使用したアイテムと一緒に完成図。

こんなに汚れていたので、精神衛生上だけでなく、実際に音に何らかの影響が出ていた事が推測できる。

洗浄後の球を載せて、試聴してみたが、今までよりも、音がクリヤーになって、艶が出て、楽器や声が生なましくなった。

やはり接点は、音の通り道なので、重要である。常に綺麗にしておき、充分な接点を保ちたい。

音の世界は、半田を換えただけでも、音質が変わるので、微妙である。

端子が金メッキのものなら、あまり気にすることなく、アルコール洗浄くらいでよいが、それ以外のものは、メンテが必要である。

ビンテージ管は、高価なので、その性能を充分に引き出して使いたいものですね。

 

このキッカケはといえば、引越し前に、プリの管のうち、1本を触ると、「ガサゴソ」と音を発していたのです。

洗浄後は、「ガサゴソ」もなくなり、全体のノイズレベルも下がったような気がします。

 

 

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真空管のちょっと変わった現象

2012-12-31 16:44:23 | 真空管いろいろ

今まで真空管を使っていて、変わった現象に遭遇してきているので、紹介しておきます。

<外見上>

1.青色蛍光(ブルー・グロー)

夜、部屋を暗くして、真空管をよく眺めると、内部が青く光っていると言うか、青い炎を燃やしている。

これは、真空管の真空度が高い時に起きる現象らしく、カソードからプレートに飛ぶ電子が漏れて、ガラスに含まれる不純物(コバルトなど)に吸収されて蛍光するらしい。

私の手持ちの球のうち、出力管ではSvetlana製SED 6550C(4本全て)(下の写真)と同じくSvetlana製6H13C、小型管ではRaytheon製12AX7、Goldlion製12AT7が、この現象が起きている。

ロシア管に多く見られ、音質には関係ないらしい。

部屋を暗くして見ていると、幻想的でなかなか雰囲気があって良い。オーロラの様な感じでもある(オーロラは実際には見たことは無いが)。

~MC275の場合~

おお~、綺麗!!!  別のアングルからも。 JJ製12BH7からも青い炎が。

もっと接近して。 あ~あ、オーロラの様だ。。。 冬の空に良く見られる?今の時期? それにしても美しい。

 2.ヒーター(フィラメント)・フラッシュ

真空管が冷えている間は、真空管の内部抵抗が低くて、一瞬大電流が流れるために起こるためとも書いてあります。寿命等には影響無いらしい。むしろ、この現象があった方が音が良いという説も?

この現象が起き易いのは、欧州管に多いとか、米国管ではまず起きないとか、松下管にもあるとか。

私の手持ちの球では、松下製12AX7(2本の内1本だけ)とSiemens製ECC83(1本)で、このヒーター・フラッシュが起こっています。これって当たり球かも?

電源を入れた瞬間、この様に閃光を放つ。

その後、通電中は、こんな感じ。 いたって普通。


<聴感上>

3.マイクロフォニック・ノイズ

真空管を叩くと、「コン、コン」と音が出ることがある。これは、内部の電極(特にグリッド)が振動を拾っているのである。真空管の場合、これは避けられない。逆に、これがあるから、真空管はハーモニックス(倍音)の響きが良いとも言える。

ただ、その程度には差がある。この現象がひどくなると、ハウリングを起こす事もある。

私の場合、GEC製のEF86には苦労した。Dumperをつけてもダメ。結局、使いこなかった。

あと、叩くとコン、コン、と言うのは、古い管に多い。

但し、この現象は、エージングすると治る場合もある。

4.パキパキ音

真空管を長時間通電の状態にしておくと、偶に管本体から「パキッーン」、「ピキッーン」と音がする事がある。

これは、ガラスが熱収縮で出す音と思われる。私は心配しない様にしている。

また、電源を落とした時にも、スピーカーから「バリッ」「パキッ」と音がする物もある。

これは、スピーカーにダメージがあるのではないか?とちょっと心配している。

古いST管などに偶に発生するものがある。

 

~挨拶~

今年も、あと数時間で終わりですね。

私のブログを読んで頂いた方、まだ読んでおられない方、今年1年有難うございました。

皆さんは、この1年どんな年だったのでしょうか?そして来年への期待は?。

私は、来年こそ、日本の経済景気が良く成ることを願ってやみません。

特に、私も働く、この電機業界の堕落は、ひどいものです。

誰がこの様な事態を想像出来たのでしょうか?

日本には世界に誇れる優秀な、優れた技術が沢山あります。優秀な技術者も沢山居ます。

品質も良いと思っています。

なのに、何故、これで世の中の勝ち組に成れないのでしょうか?

スピード、スピードと言いますが、単にそれだけでしょうか?

その様な環境が整っていない、日本の政治のあり方にも問題があるのではないでしょうか?

政権交代で、景気が回復することを切に願っています。

尖閣諸島問題など、海外アジア諸国で働く物には、いい迷惑でした。

何故、急に、今の時期と思いました。???疑問だらけです。

これを書きながら、やり切れない怒り、日本の技術がビジネス上で世界に勝てない悔しさ、ジレンマ、苦しみ、同情で、涙が出てきます。

 

どうか、来年は、日本の技術の復権、そして皆様にとって良い年でありますように。

来年もどうぞよろしくお願いします。

コメントもどしどし下さい。喜んで待っています。

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真空管の端子(ピン)磨き~やっと見つけたぞ~

2012-11-17 13:13:55 | 真空管いろいろ

やっと見つけたぞ~!真空管の端子磨きに良い物。

今まで散々いろいろと試したが、今回のものが今まで一番良さそうだ。

真空管の端子(ピン)は、酸化の為かどうしても黒くくすんだ物が多い。

これは、音質的にも精神衛生上にも良くない。

そこで、今まで、重曹、ステンレスブラシとアルコール洗浄や、Nanotec製Gold contactやCardas Audio製contact conditionerなどを使ってきたが、今一つ満足の行くものでは無かった。

NanotecやCardasにしても、価格の割には、今一つ綺麗にならない。

Nanotec "Gold Contact"

Cardas  "Contact Conditioner"

実は意外と身近に良い物があった。

日本に帰国した時に、ホームセンターで台所周りとか金属製品用の磨き材を沢山見つけた。

最近は、ファインセラミックが使われている。これは良さそうだと銀磨き用を買って帰った。それがこれ。

そして、やっと今日、それを使って見た。

使い方は、この液体を綿棒の先につけて、ゴシゴシと端子を磨きます。端子に沿って綿棒を回転させるとやり易いです。

そして、仕上げはアルコールで洗浄します。

出来上がりは、とても綺麗に端子に輝きが出て来ます。

こんなに綺麗になりました。銅の素の輝きが見えます。

左が磨いた後、右が磨く前。

そして汚れもこんなに取れました(綿棒の頭を見て下さい)。

調子に乗って、他の真空管もやって見ました。ほら、こんなに綺麗に。(RCA 12BH7)

 なんと、こんなに身近に有ったんですね。灯台下暗しって感じですね。

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私蔵真空管の紹介~第7弾E80F/E86F~

2012-10-07 12:24:29 | 真空管いろいろ

今回は、私のプリアンプの前段に使われている5極電圧増幅管のE80F/EF86です。

この球はQUADⅡで使われた事で有名です。音質の良い5極管の一つです。

私のアンプでは3極管接続として使われています。

現在私の持っている球は、左から①Marconi製EF86、②GEC製CV4085、③Phillips MiniWatts製E80F、④Phillips MiniWatts製E80Fの4本です。

①Marconi製EF86

Lot刻印からMullard Blackburn工場での1958年8月製造。Square Getterである。NOS品。

Meshも綺麗である。但し、メッシュ密度は、②よりも荒い。管径は他よりも少し太め。

私のアンプにはギリギリ刺さった。

音の印象:

まろやかで太く高音も綺麗である。が、少々ダイナミックな音なので暫く聴いていると少し疲れる音。

それに、私のアンプではヒスノイズが多い。管を叩くと「キーン、キーン」とマイクロフォニックノイズもある。少々発振気味?

②GEC製CV4085

どうしてもGEC製のものが聴いて見たくて近所の球屋さんから購入。短時間使用の中古品。

EF86のCVナンバー品。

Meshは、①よりも細かく、見た目はさらに綺麗である。O Getter。

KB/Zと印刷があるので、「MOV(Mariconi Osram Valve)Hammmersmith工場」での製造、製造ロットは83**とあるので、1983年製?

①はMarconi製だけどMullard工場製造、こちらはGEC製なのにMarconi製造。なんだか、ブランドと製造メーカーがクロスしている。

音の印象:

①よりも高音が綺麗で響く感じがある。こちらもヒスノイズがあるが、①よりは少ない。ただ、マイクロフォニックノイズは、こちらの方が大きい。響きに余韻がある。

何とかしたくて、チューブ・リングやさらに大きな面積を包むクール・ダンパーを購入、装着してみた。

クール・ダンパーでは、マイクロフォニックがかなり減るが、それでもまだ残る。

ちょっと響き過ぎの感じがあり、長時間聞くと疲れる。

私のプリアンプとの相性が悪いのか?他の機器で使ってみたいが、私は、今のところ、プリアンプしか使う用途が無い。

③Phillips Miniwatts製E80F

購入時に付けて貰ったものである。これが音が良いと店主に付けて頂いた。

O Getter、金足である。Phillipsの⊿マークもある。

音の印象:

バランスの取れた繊細で上品な音である。音の一つ一つが聞き取れる。①、②の様な、きついダイナミックな音でもない。長時間聴いていても疲れない。

ヒスノイズ、マイクロフォニックノイズともに無し。

さすが、店主のお勧めだけある。

④Phillips Miniwatts製E80F (Pinched Waist)

Webを見ていたら、偶々、真空管にはPinched Waistといって、ガラスが途中で括れているものが有る事を発見。そして、それは音質が良いと書いてある。Phillips製に多いようだ。でも、希少品。

GetterもSuare Getterである。値段もまたもや1万円オーバーだが速攻で海外から購入。Phillips製の証の⊿マークもある。当然、金足品。

音の印象:

③のMiniwattsの通常品よりも、さらに繊細で上質な纏まった音がする。ハイファイな感じである。

もちろん、ヒスノイズ、マイクロフォニックノイズともに無い。

今のところ、これが1番のお気に入りで使用している。これの上を行くものが今後現れそうにない。満足している。

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