やはり気になるレコードのワウ・フラッター、音の揺れ。
アンプの性能が良くなったためか、以前よりも余計に気になる。
気になり出したら止まらない。原因究明しなくては精神的に落ち着かない。
そこで取り出したのが、「DENONのテストレコード」。こんなレコードを持っていた事をふと思い出した。
12インチ(30cm) 45回転 PCM録音です。
このレコードをひと通り再生してみました。
それぞれのテスト項目毎に評価の説明があります。
B面は、実際の音楽ソースによるチェックになっています。
内には、写真では見難いですが、音楽ソース毎のチェック内容が記載されたリーフが入っています。
今回の音揺れチェックは、A面の5番目の項目。
ワウ・フラッターの項目では次のように解説があります。写真の下の方から。
下の写真の上に続きます。
「人間の耳は3kHz付近の音に対して一番敏感ですので、この信号で殆ど音の揺れが感じられない様であれば、音楽を再生する上では全く問題ないと考えてよいでしょう。」---3kHz ラテラル信号--- と書いてあります。
なるほど~、、、。
で、実際に再生して、耳を研ぎ澄ませて聴きましたが、全く問題なさそう。
これは、どうも再生系、システムには問題がなさそうと判断。
となれば、次は音源、レコードそのものに原因があるのではと思い、揺れの目立ったレコードを再生してみる。
再生したレコードは「Time after time / Cyndi Lauper」のシングルEPレコード。
言わずと知れた名曲です。なのに音揺れが発生。悔しい~。
顕著なのが、バックのストリングスの音です。音程がフラフラします。
ふと、再生している間、トーンアームを見ると、カートリッジが左右の大きく振れています。
もしや、これが原因では?
何でもっと早くこれに気が付かなかったのか?曲に集中し過ぎたのか?
確かに、左右に振れる事で、線速度が本来あるべき状態(カッティング状態)から変わってしまっている。
揺れの原因は、円心のズレ。所謂音溝の偏心と考えられる。
しかも、音揺れは内周部分ほど顕著になる。内周ほど線速度が遅くなるため?。
このレコードはEP盤なのですが、ドーナッツ盤用のアダプターは必要なく、LPと同様にターンテーブルにセットします。
よく見ると、中心の穴とラベルもズレています。ラベルは最内周の土手に対してズレは有りません。加工ミス?。
取り敢えず機械的測定。溝終わりから中心穴外周まで「54mm」、反対側は「55mm」。1mmの差があります。
そこで、ターンテーブルの軸と中心穴の僅かな遊びを使って、出来るだけ偏心が無い様に盤をセット。
再生してみると、揺れは少なくなりましたが完全には無くなりません。 やはり、この偏心が原因です。
さて、どうしたものか。
穴を広げて、セットする都度に調整すると言う荒業もありますが、今後の事を考えレコード自体を買い直す事にしました。
参考までに、偏心については、ここにも書いてありました。
今回の事で思ったのですが、レコード盤が反ってした場合はどうなのでしょうね?。反っているだけなので、トレースさえ出来れば、線速度は本来あるべき状態と同じ?
そこで、局部的にかなり反りの有るLPを再生してみましたが、音揺れは感じなかった。
因みに、このレコードは、以前のDP-1200では針飛びを起こしていましたが、今のトーンアームSME 3009では問題なくトレース出来ます。 さすが、SME 3009はトレース能力が高い。
しかしアームの上下運動を見ているとトレーニングには良さそうですが、少々可哀そう。過酷。(笑)
いやぁ~、レコード再生は難しいですね。 難しいから愉しみがあるとも言えますね。