11月 2日

2021-11-02 05:27:43 | Weblog
                        山茶花 < 季=冬 >


     山茶花は咲く花よりも散つてゐる           細見綾子


     山茶花に遺影の眼鏡はし光る             沢木欣一


     烈公の蟄居の庭や白山茶花              栗田やすし


     山茶花や縁切状の女文字               矢野孝子


     山茶花の冷たさに触れ父を恋ふ            倉田信子


     山茶花の闇へ火を噴く登り窯             朝生孝子


     白山茶花お百度石に薄日差す             菊山静枝


     散り敷きてなほ山茶花の花盛り            熊澤和代


     山茶花の真赤一輪朝の卓               花田紀美子


     湯けむりに濡れて山茶花艶めけり           前田昌子


     白山茶花かくれ信徒の水汲場             澤田正子


     山茶花のうすくれなゐや久女句碑           金田義子



          

          



     山茶花の咲くだけ咲いて星出づる           永井龍男


     山茶花の散る月光に畳職               黒田杏子


     小鳥来る山茶花一つ花咲かせ             山口青邨


     山茶花のこぼれつぐなり夜も見ゆ           加藤秋邨


     山茶花の夕日ひとひら剥がれけり           林 翔


     山茶花の大輪旦暮おだやかに             中村汀女


     山茶花に戀ならで病める女あり            正岡子規



          

          すべての規制が緩和されつつあります、ひきつつづき油断せず手洗い、うがい、
         マスクの着用を。あと少しです
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2 コメント

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山茶花 (夏子)
2021-11-02 13:35:08
小学生の頃、父から

「さざんか」は昔は「さんざか」と言っていたんだよ

と教えられたことを、懐かしく思い出します。

掲句のなかでは、細見綾子の観察力に敬服しました。
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さんざか ですか (ころころ)
2021-11-02 17:33:59
夏子さん、こんばんは
今、PCで「さんざか」と入れ変換したら
「山茶花」が出てきました
驚きです

綾子さんの句は私も実感としてこの景色を見ています
でもこのように俳句として表現できません
両国駅近くの回向院の垣が山茶花で、いつか仲間での
吟行でまさに『咲く花よりも散つてゐる』でした
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