恋の季節

2006-01-29 09:57:14 | Weblog
      恋猫

  
  恋猫の丹下左膳よ哭く勿れ 阿波野青畝

  恋猫と語る女は憎むべし 西東三鬼

  恋猫の皿舐めてすぐ鳴きにゆく 加藤楸邨

  恋猫に思ひのほかの月夜かな 中村汀女

  恋猫に夜闇の火の気いつまでも 飯田龍太

  のっそりと来て恋猫の胴のばす 能村登四郎

  恋猫のどろどろの声に家かこまる 秋元不死男


 はや1月も終わろうとしている。春の訪れは野山の自然ばかりではなく
 動物の中の本能(自然)をも息吹く。
 俳句は一行詩であるが故に、高名な俳人と言えどもその一句に「恋への思惑」が
 見え隠れしている。俳人の人となりを知るには大いにヒントになる。



      朝ぼらけ鉄路をわたる猫の恋  

      恋猫の勝者たる爪舐めつくす   ころころ
 
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