Studio_Rosso 1/43 自動車模型制作日記1

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さて本日も早めの更新です(笑)

2012-11-11 11:14:59 | Wolf-Ford WR5 1978
本日の山陰は早朝より冷たい雨が降っています。
降る時には結構な勢いで降って来ますのでアトリエの前の溝は満水状態になっていますし隣のガレージの屋根から下に落ちた雨が結構溜まっていますので少し溝を掘って排水致しました。
ここに水が溜まるとガレージ内の湿度も上がりやすいので・・・。
何の為にも良くないですね。

さて本日の更新です。
本日はコクピットサイドの削ってしまったバルジを復元しておこうと思います。
この様に最初の段階で削ってしまった物はいつの間にか忘れてしまい後で気が付く事も多々有りますね。
本当は削った時に作っておくのが基本かもしれませんが大きさとか位置関係を調節しなければならない事も有りますので理想通りには行かない事も有ります。
バルジの素材は色々考えたのですが真鍮板の0.2mmを叩く事に致しました。
例えばですがこんなバルジを復元するのにパテを盛るとか、メタルの板から削り出すとか、アルミ板を叩くとか色々な方法が有ります。
一難安易なのはパテ盛りですが・・・他の部分を真鍮板で作り直していますのでここにパテを盛るのは避けた方が良いかと・・・。
叩いて作る場合に2種類の方法が有りますね。」オス型を作って叩くのかメス型を作って叩くのか・・・今回はメス型を作ってみました。
理由は左右で同じ物が欲しいので高さや形状の他にボディとの合わせ目の寸法が正確に欲しかったんです。
だからメス型に致しました。
鉄の塊にリューターで掘り込みを入れます。
ビットはダイヤモンドの物で鉄でも簡単に掘り込む事が出来ますね。

真鍮板は叩く前に焼き鈍してからになりますのでターボライターで焼きました。
掘り込んだ穴の中に丁度収まる様な矢坊主や削ったドライバーの先を使って叩きます。
焼き鈍して有るので結構柔らかいですよ。
そうそう、最初にある程度の形状が出るまではマスキングテープで型に真鍮板を貼付けておくとズレが無くて良いですね。

作ったバルジを切り取ってザックリと削って見ました。

ここでお客様がお一人見えました。
何でもヤフオクでプロバンスムラージュ製のプジョーのラリーカーを購入されたらしいのですがライトのレンズ(透明レジンの塊)が片側無かったらしいのです。
どうにかなりませんか~!?と言われるのでボディにマスキングゾルを塗って乾かしてからプラリペアの透明を使って作ってあげました。
たまにはこんな事も有りますね・・・山陰は1/43人口が少ないのですからお客様を育てないとね(笑)
まあ1/43キットでこんな事はいつもの事ですし・・・むしろ困ったのはライトをどうやって再現したらより良い物になるのか・・・?と言う事ですね。
私ならバキュームでライトをレンズだけ作って内側にカットを入れてライトの反射板は掘ってクロームを塗って再現ですかね~。
お客様はそこまでは望まれなかったのでキットと同じ物を作ってお渡し致しました(笑)

さて制作に戻りましょう。
作ったバルジをさらに削ってボディに取り付けてみました。
このバルジですがどのタイミングで取り付ければ良いのかちょっと迷いますね。
クリアーでダルくなる事を考えれば2度目のクリアーの前あたりなんですが・・・検討致しましょう。

反対側も同じ形状で・・・



オイルクーラーの開口部のまわりを掘ったのは昨日ですがここのメッシュを作りましょう。
キットにはエッチング製のメッシュが付属しています、確かにスッキリとは仕上るかもしれませんが微妙な表現力についてはやはり本物のメッシュを使った方が良いと判断して・・・大きさも違って来ていますし・・・自作品をつくることにいたしました。
まず枠の部分ですが、余り太く見えては全体の雰囲気を壊してしまいますので0.3mmの真鍮線・・・強度的に可能であれば0.2mmの洋白の方が良いかな~・・・ただ強度は無いでしょうね~。

強度の為に0.3mmで作りました。
今度はメッシュに貼ってゆきますが当然ハンダ付けです。
このハンダ付けで大事なのは下側は不燃材である事ですが押さえを木でする事ですかね。
金属で押さえると熱が奪われてしまいハンダが奇麗に流れなくなってしまいます、なので押さえは木で行なっています。
木は焦げてしまいますが・・・。

四辺ともハンダを流すとこんな感じになります。
メッシュにハンダ付けをした当初は内側のメッシュにもハンダが流れてしまわないかという事が問題でした流れてはいけない部分にマジックで線を引いてメッシュを汚しておく事も行ないましたが温調式のハンダゴテで420℃程でハンダ付けをしていますが何もしなくてもハンダが流れる事は無いようですね。
ただしフラックスが内側に流れているとハンダが流れる事が有るかもしれませんが・・・。

切り取ってボディに取り付けます。

やっぱり全体を見ないとわかり難いですかね(笑)
如何でしょう~?


明日からホビーフォーラムですね

2012-11-10 11:16:06 | Wolf-Ford WR5 1978
明日は11月11日で全国のモデラーの皆さんは最後の詰めが忙しいのではないかと思います。
また関係者の方は会場の準備に追われていらっしゃるのかな~!
私は今この時間島根で仕事をしていると言う事は今年も行けないという事ですね。
何年か前に伺った事が有りますが素晴らしい作品が沢山並んでいて参考になる事が沢山有りましたね。
どうしても見方がどうやって作っているのか・・・と言う事に片寄りがちでは有りますが・・・ある程度それはしょうがない事なのかな~職業病みたいな物かもしれませんね(笑)
参加、見学の皆さんはせっかくですから十分に楽しんで頂きたいですね。

さて今日も制作開始です。
WR-5はもう少しで塗装に入る事が出来そうです。
WR-5はコクピット部分のカウルが脱着出来ますからその模型の場合でもそのサイドに取り付けられるオイルラインは何らかの方法で固定しておかなければなりません、実車でも何か白いタイラップの様な物を使って固定している様にも見えて来ます。
さすがに模型にタイラップという訳にいかないのでカウル上面に0.4mmの穴を開けてここに金具を差し込んで固定しようと考えています。

金具は0.3mmの真鍮線を幅が広くなり過ぎない範囲でロールで潰した物を折り曲げております。
またボディ側の穴は0.4mmですから0.3mmの線を潰せば0.4mmの穴に入り難くなりますから差し込み部分は幅を狭くする方向に時計ヤットコを使って潰してやります。
画像は見難いですから
よく目を凝らしてご覧下さい。

先ほど作った金具を切ってオイルホースを固定してみました。
この金具はJ型をしておりますのでボディ側の穴は1個だけボディ側にも余り飛び出さない様に配慮しております。
普通は割ピン状にしてホースを固定されるかと思いますが割ピン状にするとホース自体がボディから僅かに離れてしまいホースが浮いて見えてしまいますのでこんな形状に致しました・・・。
なかなか良い感じではないでしょうか!?

反対側も・・・
写真が2枚ですが本当は時間は同じ程かかります(笑)


次はフロントのオイルクーラーの前に付くメッシュの取り付けについて考えてみます。
実車ではボディ面の上にオーバーラップして付いているかもしれませんが1/43の場合は縁付きのメッシュをそんなに薄く作る事が出来ませんから取り付け部分はボディ面から少し段を付けて下げておく必要が有ります。
メタル製のボディの穴のまわりをノミで掘ります。
先日メンテナンスをして頂いたのみがここで本領発揮致します(笑)
穴のまわりを掘る様な場合片側はメタルが無いですよね~こんな場合に斜めに研がれていると曲がってしまうんです。
手向きの事も有りますが・・・奇麗にメンテナンスされたノミは硬めのメタルでもスッキリと削る事が出来ます。

ついでに入り角の部分を0.2mmのノミで浅い溝を掘っておきますと塗料が溜まるのを防ぐ事が出来ます。
まあ塗りにも十分に気をつけないと塗料が溜まってしまいますが・・・。
この部分に塗料を付けたくない場合は1度目のウレタンクリアー時にマスキングをしておくと良いですね。




フロントウイングからコクピット周りです

2012-11-09 21:09:05 | Wolf-Ford WR5 1978
本日夕方以降に私のブログにご訪問を頂いた方はバイクの記事の更新をしてありましたので『また仕事をしてないよ~』なんて思われた方も(私の息子を含めてですが・・・笑)いらっしゃったかと思います。
大丈夫です仕事がメインでバイクは時間の合間を縫って行っています。
一見連続して作業を行っている様ですが、実は意外と部品待ちで時間がかかるのです。
プラグにしてもB7ESらしいのですが、かつてはどこのホームセンターにも有ったのですが今では自動車部品商にもすぐには無い有様です。
バッテリーも随分変わって来ておりまして6Vはもう通販サイトにしか無い様ですし、12VもAR用はもう台湾や中国/タイ製のものしか無いのです。
だから次の作業をするにしても時間がかかる訳・・・です。

さて、
昨日だったか・・・ご依頼者の方からメールを頂きました。
さすがにご依頼者の方!フロントウイングが違う事に気が付かれた様でして・・・(笑)
実はこのキットはカナダGPとドイツGPの仕様が作れるキットでしてカナダGPはフロントウイングが大きな物、ドイツGPは小さなものなのです。

今作っているのはドイツGP仕様なのでウイングは小さなものなんですね。
しかしウイングパーツの裏側を見るとこんな感じで段が付いているのです、しかも段が付いているのは後ろ側の薄い部分でして段が無くなるまで削ってしまうとウイングの後ろ側が無くなってしまい小さなウイングが更に小さくなってしまいます。

大きなウイングも同様の段が有るのですが大きい方のウイングを削って段を直し全体を削って小さなウイングを作ろうと考えたのです。
とりあえずボディに取り付けだけを考えて加工していましたからまだ大きさを揃える事をしていなかったのです。
でもさすがですね、少し大きさが違うのを画像から判断されたなんて・・・素晴らしい観察眼ですね。
ウイングを小さく削っておきました。

次はエンジンの前側のマウントですね。
DFVエンジンの搭載車はカムカバーから前側のシャーシに向って三角なプレートでエンジンを固定しているのを良くご覧になった事と思います

これはエンジンをシャーシの一部として使う為にある程度の強度を持たせて有る訳ですね、この部品が元キットには付いていなかった・・・。
しかもこのプレートが取り付く部分の斜めのパネルも無かったのでまずこの取り付け部分をアルミ板で作っています。

そしていよいよ、カムカバーとシャーシの間のプレートをアルミ板で作りました。
やはりこれが無いといけませんね・・・このマシンはエンジンとシャーシの間にオイルタンクを挟んでいますからこのプレートが無いと不自然に見えてしまいます。


次はコクピット前のオイルクーラーですね。
ここはスペースが無いので調節をしながら作らないと納まらなくなってしまいます。
素材は1.0mmのメタルの板で厚みの部分にオイルラインの入る穴をあけておきます。

中心に0.8mmの穴をあけて穴の周りを面取り致します。
コクピット前側に仮止めしておいてカウルを載せてみます・・・どこも当たらなければOKですね。
中心に開けた穴をガイドにしてコクピット前側に穴を開けますと取り付けピンを正しい位置に取り付けて下穴も正しい位置に開ける事が出来ます。面取りは取り付けピンにハンダの流れを良くする為ですね

今制作したオイルクーラーにタメオのエッチングパーツをさらに削ってオイルクーラーに合わせた物を接着しますと良くなって来ましたね。
ついでにコクピットサイドのオイルラインも仮組をしておかないといけません。
オイルラインは仮組を余りしないとこの間書いたばかりですがこのラインはコクピットカウルの下側に穴をあけておかないとダメなので仮組は必須ですね。
素材は0.5mmのハンダ線ですが一寸細い様に感じますが後で塗装をする事を考えるとこれくらいで良いのではないかと思います。



暇を見てバイクを直しております

2012-11-09 17:49:47 | その他
天気が良くて暖かい日だけの限定(変な限定ですが・・・)でバイクを直しつつ有ります。
キャブのオーバーホールとプラグの交換、点火時期のチェックそして新しいバッテリーを取り付けてみましたがアイドリングが続かないですね~。
もう嫌になるほどキャブをバラしましたが・・・原因が分かりません。
最初と比べると随分下側の回転は安定して来ましたが・・・。
プラグも点火時期も正規の通りになっています、火花も飛んでいますからやはりキャブしか考えられませんが・・・次はKSR2のキャブを入手して交換して見ようかな~。
点検中に見つけたちょっと怖い画像です。

わかりますか?
ダンパーの向こう側にメインのワイヤーハーネスが見えますよね・・・見えましたか問題が!?
ダンパーに擦られて断線していますね・・・それもかなりひどい状態です。
これは多分メインワイヤーハーネスを通す部分が違うのではないかと思います。
AR系のリアサスペンションは当時最新の物でユニトラックと呼ばれていた1本ダンパーの物ですがそれがフレームのエンジン後の中央に収まっているのです。その脇をメインワイヤーハーネスが通っているのです。
普通はダンパー上側は固定され例る為に動かないというふうに思い込みがちですがユニトラックの場合は下側を固定して上側が動く構造なんです、ですからこんな部分に通してはいけないのです。
このフレームの上側にはガソリンタンクが乗っているのですがその中央には広い空間が有るのです・・・タイでこれを組み立ててる人にはわからなかったのかな~タイカワのマグナムに乗っている方はこの辺りを一度確認された方が良いかもしれませんね。
このバイクは5000km程しか走っていなかったのですがこんなトラブルが有って不動になってしまったのかも・・・。
仕方が無いから修理しておきます。
後ろ側のワイヤーハーネスを外して・・・と思ったらこちらもあちこちで断線しています。
これじゃあウインカーも点かないしストップやスモールも果たして点いていたのかどうかかなり怪しいですね。

フレームの上側を通す様にしておきますと修理もしやすいですね。
完全破断が1本、半分切れかけているのが1本、被覆が無くなっているのが2本で合計4本の配線に問題が有りました。
フレームと当たったら火花が出たでしょうね~。このバイクは6Vでは無く12Vですので結構な火花が出た事と思います。
ガソリンタンクはすぐ上ですから火災にならなくて良かったですね。
走行中にお尻の下から出火って怖いですね。

後々は交換するのか他のハーネスを探すかしないといけないのですが取り敢えず短くなってしまう配線に少し継ぎ足しをしてつなげておきます、勿論つなぎ目はハンダ付けをしてチューブをかぶせて絶縁しておきました。


もう一つ外側から見て問題だったのがラジエターのパンクですね。
エンジンをいじっていると手の上に熱くなったクーラントがポタポタ落ちて来るのはどうも良くないですね。
エンジンを掛けている間はヒートにも注意をしなければいけませんし・・・注意散漫になってしまいますから問題点は一つずつ潰しておく事が大切です。
ラジエターを外してみましたら何かがぶつかった様な凹みが有りましてここからクーラントが漏れていました。
ラジエターは銅製なんですが漏水している部分の金属はかなり脆くなっていまして危ない状態ですね。
最終的にはコアを替えなければなりませんが取り敢えずの所ハンダ付けで穴を塞いでおきましょう。


それにしてアイドリングをしないのはなぜでしょう??
スロットルで少しアクセルを開けておくと回っているのですがキャブのパイロットで調節すると回転が上がり過ぎて・・・アイドリングを決めるスクリューを緩めて回転を下げるとアイドリングをせずに止まってしまいます・・・。
やっぱりキャブかな~


ファンネルを持ち上げる加工をします

2012-11-08 17:26:35 | Wolf-Ford WR5 1978
昨日、ファンネルの位置が低過ぎる問題が発覚したWR-5ですが、まあこんな事も有りますのでファンネルの差し込みピンを長くしておいて良かったでしょ!?最初からわかっていたから差し込みのピンを長くしていたんじゃないかって?いやいや本当に気が付いてなかったんですよ。
しかも差し込みのピンは外径が0.8mmですからもうワンサイズ太くしていたらこの上のサイズのアルミパイプが無い所でした。
サイズが無かったら旋盤で挽かなければならない所でした。
スライドバルブの下側のスペーサーを作ります、厚みは1.0mm程で良いですね。
内径が0.8mm外径が1.2mmのアルミパイプを素材に致します。

同じ寸法にスペーサーを加工しなければならないのでいつものカミムラさんの方法を使います。
1.0mmのプラ板を用意して1.2mmの穴を開けておきアルミパイプを差し込みます。

この時に注意をしたいのは出来るだけ両面を削る事ですね。
片面だけ削ると寸法が奇麗に揃わない場合が出て来ます、寸法がまちまちではファンネルの高さがバラバラになりますからね~見た目が非常に良くないですからね。


厚みが均一に削れたらプラ板から外さずに中心の穴を0.82mmのキリでさらいますと具合が良いですね。
穴の寸法は0.8mmでも良いのですがクリアランスが無いと組み立て難くなる場合も有りますから・・・安売りのドリルセットの物で十分なので少しだけ大きめの穴にしておきます。


ピンセットの先でつまんでいる部分のすぐ上側がスペーサーですねこれだけ上に持ち上がる訳です。
スライドバルブを挟んでいるとスペーサーもファンネルの一部に見えていますよね。

エンジンに取り付けて見るとこんなに上に上がりました。
手前側はスペーサーで上がっています、その向こう側の右バンクのファンネルはまだ上がっていませんから高さの違いがかなり出ていますね。

両方とも1.0mm程かさ上げを致しました、これなら良いですね。

ボディカウルを取り付けても干渉無しで収まります。