Studio_Rosso 1/43 自動車模型制作日記1

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修理とホイールの原型の作り直し

2018-04-06 20:52:03 | Mini Cooper 998
本日の山陰はこの所の好天候とはうってかわって厚い雲が出ています、今にも雨が降りそうだと思っていましたらお昼頃からは降水確率が90%だとか・・・午後からは予定通り雨が降りました。
それでも出勤してすぐには風こそ強かったですが雨はパラつく程度だったので外仕事を進めましたよ。
そう!昨日の中庭の芝生の部分の際を刈っておきました
際刈りはほぼ完了しましたので後は芝を刈る位ですかね〜
これはまた後日お休みの時に天気が良ければチャレンジしましょう。

今日はミニのボディを研ぐ予定でしたが・・・キャストしているとどうも気になる部品が出てきましたので予定を変更しています。
まずは毎日のルーティーンになりつつ有る修理編からですね
これもまたお預かりしているミニカーなのですがケーニッヒテスタロッサ(BBSホイールつきというのかな!?)ですウインドウが外れてワイパーを押し上げると言う典型的な症状ですね。
テスタロッサ系の車は窓が大きいのかこの症状の物が結構有ります。

外れているウインドウを全て外します・・・
接着面を掃除しまして剥げたエナメル塗料をタッチアップします
まあいつもの作業です・・・

このケーニッヒテスタロッサは台のアルミ板まで剥がれていましたので一旦ミニカーを取り外しましてベース板に付いているアルミをを剥がして接着し直しています・・・と文章にすれば一行で済みますが。
実はそうじゃないのです。
アルミ板は曲がり易く一旦曲がってしまいますとどうにも綺麗になりませんので剥がすのがとても大変なのです
綺麗に剥げたらもう作業は終わった様な物ですね・・・
そしてミニカーを台に止めようとしたら右のサイドウインドウが浮いているのを発見しました・・・見て見ぬ振りは出来ませんからウインド一枚の脱着はサービスですね(笑)
見積もりに無い物は頂けませんから・・・


さて次は458GT2でメイクアップの限定版の物です
俗に言うMUEMの品番で始まる大変数の少ない限定版のミニカーですが・・・お客様のご自宅でネコに襲われてミラーが外れてしまったらしいです・・・何でネコが458GT2しかも貴重なミニカーだけを襲ったのか理由はわかりません(笑)
実はこのミニカーの片側のミラーは以前にも修理をしています取り付けのピンが大変細いしミラーのステーも厚みが無いから苦労した記憶が有ります・・・しかも今回は両方です。
今まで修理をしていない方はこの通り取付けステーの厚みのぶぶんに0.3mmの穴を開けて真鍮のピンを差し込んで接着します。

一度修理した方は穴ごと崩れてしまっていますのでもう穴を開ける事が出来ません
メイクアップさんに在庫が有ればミラーを取り寄せた方が良いのですがマットブラックなので艶がボディと同じ様になるのか若干不安です。新品の部品を取って直したのでは私の勉強にもならない訳です(笑)
そこでダメ元で真鍮ピンをハンダ付けしてみました
何とかなる物ですね〜(笑)
ハンダゴテは温調付きなのでいつもの450度から350度に設定を変えまして必要以上に溶けない様にしてみました
今までも小さなメタルの部品をハンダ付けしないといけない時は安全の為に温度を下げて作業をしておりました・・・

ミラーはハンダ付けをした後研磨して形を整えたらエアブラシでタッチアップしました
そしてボディに取り付けています
ネコの襲撃なのかどうかはよくわかりませんがミラーのステーが少し変形していましたのでこの後少し曲げて修正しています
しかし余り何度も修正しますとホワイトメタルが金属疲労をして折れてしまう事が有りますから余りしつこく修正をするのは厳禁ですね。
折り合いの良い所で作業終了します。
Aさん修理完了ですよ、息を詰めての作業が多く時間も結構かかったので今回はちょっと修理代が高いですよ(笑)

さてAさんの友人のE藤さんからお預かりした288GTOですがウインドウが3枚浮いてしまったらしいです
久々に箱から出したら・・・だったそうです、まあこう言う方は多いのでしょうね〜。
作業前の写真を撮っていましたがうかつにも消去してしまいました・・・(汗)
よって完了した所だけ・・・この車の場合再接着した時の押さえが難しいのですよ。
ウインドウの上側のデカールの部分にマスキングテープを貼りますと必ずデカールが剥げてしまうのでウインドウのモールの上を押さえます。
ウインドウが浮いてしまったらなるべく早く直しましょういつまでも放っておきますとウインドの透明なフィルム自体に癖がついてしまって直らなくなる場合も有ります。
さすがにこの車の部品取りは持っていないですからね〜。
少し前に修理したカウンタックなどもそれが原因で部品取りからウインドウを外して交換したのは記憶に新しいですよね。
まあ部品がある内は良いですけど部品取りが無くなってきますと新たに作る事になりますから高い物につく可能性が有ります。


さてここからが本日の本題ですね
タイヤのキャストをやっています
まあこれは普通通りなんですが・・・
私のブログにご訪問下さる方にとってはまあ珍しくも無いでしょう

珍しいのはここからです・・・
どこが?ってまたホイールを作っています
ホイールはもう原型を作ったんじゃないの?
作ったのですが複製をしますとリムの部分に薄い所が出来てしまうのです
これはシリコン型がレジンが硬化する時の熱で曲がってきまして原型のリムに近い部分が出来てしまいますとレジンでキャストした時にリムの厚みが不均一になってしまう現象なんですね〜
タイヤの内径を少し小さめにしてテンションを掛けてホイールに装着するやり方では強度が心配になってきます
まあテストでは何の問題も無く装着出来たのですが作品がお客様の元に行ってからホイールやタイヤに問題が出ると困りますから作り直しをする事に致しました。
私が作り直しをするのは大変珍しいのですが・・・

いくつか持っているボチュレットのミニのキットの中で一番出来の良いホイールを引っ張り出してきまして再び加工します
今度はリムの厚みをなるべく取れる様にしたいですね。
同じボチュレットのキットですがホイールのリムの形状が違っていました
前のはリムが真っすぐだったのに今度の物はリムの端の部分が少し開いた様な形状になっていてリムの外径も少し大きめの6.5mm・・・以前のは6.0mmだったのに・・・
ホイールのマイナーチェンジかな?

ミニは元々10インチだったのが12インチになった・・・と言うのとは違う感じですね
タイヤの事を考えますとリムの部分は真っすぐにタイヤが嵌る様にしたいけど外径は大きくしたく無い訳でしてリムの一番外側の部分を削って薄く挽いた真鍮の素材を被せて真っすぐにするという方法をとってみました

最初に作った真鍮のリムの部分はちょっと失敗です
ホイールと真鍮の部品の間に僅かな隙間が見えますね
この隙間が有るという事は外径が少し大きくなったという事につながりますからこの部品は没にします

もう一度作り直しをしました今度は隙間も出来ずに上手く収まりましたので接着しました
手で作った(恐らくですが)原型を持つ部品に旋盤で作ったリムを取付けるのはなかなか至難の業ですね〜正円は当然でていませんからね〜
ホイールの中心の穴はもう一度開け直さないと正確な位置になっていないと思われます
なのでメタルに近い固さのハンダ線を使って一度埋めておきましょう
埋めておかないと穴を開け直した時にキリが寄ってしまうので正確な加工が出来ないのです
1.6mmのハンダ線が良さそうですね〜

エポキシ接着剤でハンダ線を接着したらカットして穴埋め完了です


シリコン型の制作とキャスト

2018-04-05 21:46:58 | 40th Anniversary mini Pickup truck
本日の山陰は曇りで少し気温が低い感じですね
外に出ますと・・・昨日に比べますと確実に寒い!!
そんな寒さですが中庭の草を刈りました
途中で義父が来まして「タイヤを替えて〜!」と言いますのでタイヤの交換です
一応普段に日に時間が有る息子ですから・・・(笑)
親孝行はしておく物です

そんな事をしていたので中庭の草刈りは1/3程完了しただけですがお昼もご予約を沢山(全ての席がご予約で埋まってしまいました)頂いていましたので昼前には草刈りを終了して着替えてから厨房に・・・
お客様のご来店が時間差だったので出番は無かったですが、比較的ゆっくりと休んで午後からに備えられましたね。
明日も雨が降らなければ草刈りを続行します。

午後からはシリコン型の準備です
型枠を作ってからシリコンを流しました
下の画像はピンボケですが真空注型装置の中で真空状態の所です・・・泡が一杯でていますね〜。

真空注型装置から出してもしばらくはシリコンの表面が波だっていまして綺麗には見えません
しばらく置いておきますと表面の波立ちが無くなりまして綺麗な面になるはずです

・・・と、ここまでは昨日の夕方の事です
一晩このまま置いておきますと完全にシリコンが硬化しまして透明なシリコンゴムの塊になります
何と・・・綺麗になるはずだったシリコンの表面は泡だらけのまま固まっていました・・・何ででしょう!?
まあ部品の脇に気泡が無いので問題無く使えますけどね・・・
型枠を取り外しまして中の原型を取り外します
右の2つのホイールはまだ原型が入ったままですが・・・よく見えないかも知れませんね〜。

タイヤを作る樹脂は透明ですね
それを黒く染める為にカラーを混ぜます
このカラーですが必ず主剤の方に入れます
この順番を守らないと混合出来なくなってしまいますので注意が必要ですね
入れる量は主剤の3%までですが私は2%程混ぜています

主剤にカラーを混ぜてから調整剤を混ぜます
この調製剤は樹脂を固くしない物でして混ぜると硬化してもカチカチにはならずゴムの様に柔らかい樹脂になります。
そして硬化剤を混ぜてシリコン型に流します
深さは4〜5mm有れば十分ですね

上から流し込んでも肝心のタイヤの部分には黒い樹脂が流れ込んでいないのがわかりますね〜
このまま固まってしまうとタイヤにはなりません・・・まあ当たり前ですが・・・。

そして真空注型装置の中に入れて真空にしてやりますとこの様に表面に泡が沢山出てきます
この泡は樹脂を混ぜ合わせた時にかみ込んでしまったものが主になります
また硬化剤の中に入り込んでしまった水分なども蒸発しようという事で泡になって出てくる場合も有ります。

真空を解除する時にこの様にタイヤの部分にも綺麗に樹脂が流れます

少し前にRYUさんからご質問を頂いていますので樹脂をご覧頂きましょう
こんな樹脂を使っています
これが主剤ですね

そしてこちらが調整剤でしてこれを混ぜますと固くならないのです比率は40%〜50%程でしょうか。
当然ですが沢山混ぜますと柔らかくなりますし少ないと固くなります
どれくらいの固さにするかはご自分で試してみて下さい私は40%でやっています

そしてこれがタイヤを黒く染める為のカラーですね
これが手に付きますとなかなか綺麗になりません・・・なので手に付かない様に気をつけて下さいね
手袋をされるのも良い考えですよ。
この他に硬化剤も必要になります。
商品名は色々な物が有ると思いますので最寄りの樹脂業者の方に聞いてみられるのが良いかと思います。

シリコン型が完成致しましたのでホイールをキャストしてみました
まあキャストの画像は珍しくは無いので割愛しますが・・・樹脂が硬化したら脱型してシリコンの洗浄液の中に浸けて洗浄します

タイヤの樹脂の方は硬化するのに少し時間がかかります
普通のレジンの倍位でしょうか・・・
タイヤを脱型します・・・

こんな感じでタイヤが完成致しました
一度で7つのタイヤが完成しますね
如何でしょうか・・・タイヤ・・・。

トレッドパターンも綺麗に入っていますね

固さの方はこんな感じですよ

硬化が進みますと固くなりますがホイールに装着する時には少し暖めてやると柔らかくなりますから取付け易くなりますね。

明日はキャストとボディのペーパーがけを始めましょう

LSJ023 Ferrari F40 Prototype 1987 修理

2018-04-04 22:10:29 | その他
本日は定休日なのでお休み・・・ですが
午前中は畑の草刈りをしましたよ、昨日の草刈りの残りがやっと終わりました。
次に時間が有ったら中庭の草刈りが待っています・・・貧乏暇無しとも言いますね。
この4月というのは結構忙しくて毎日何か行事が入っています、本当に忙しい日々が続きますね。

午後からは雨の予報が出ていますのでアトリエの中で仕事を進めます
修理のご依頼が溜まっていましてね〜大変な事になっています。
1台でも時間のかかる物も有ればすぐに終わる物も有ります、そう言う意味で言えばこのF40は時間がかかりかかる物と言えますね
まだLSJの品番の頃ですから恐らく中国のセンチュリードラゴン製のミニカーですかね〜!?
かなり時間が経過しているらしくラベルも少し黄ばんでいると言う・・・

作業前の記念写真です!(笑)
フロント、リアのウインドとサイドウインド左右、そしてリアグリルメッシュとF40でダメになる部分は全てダメになっています。

リアウインドウから外しました
このリアウインドウはもう代わりがない物なので慎重に外します
このモデルはPrototypeなのでリアウインドウのスリットの数が多いのです
ふつうのF40はもう少しスリットが大きいのです・・・この部品は貴重なので他の物には変えられないのです。
他にもPrototypeはボディも違っている部分があります
例えばボディ後部サイドのスリットの数が多い、また左後部のウイングステーにF40の文字が入らなかったりと色々な部分に特徴があるのです。
リアウインドウ以外は間違えようがない・・・つまりボディがダメならもう直さないでしょうから・・・のでただの知識でしかないですけどね。

全てのウインドとリアグリルメッシュを取り外しました。
接着剤を取り除いて掃除します、そしてフラットブラックの部分をタッチアップします。
このフラットブラックはエナメル系の塗料で塗ってありますが今ですとクレオスのフラットブラックが同じ様な色味なのでそれを使っています。

下の画像は修理中の物に見えますが・・・本当は違います
下の画像の物は当方の部品取りの車体です
既にリアウインドウは無くなっていますね(笑)
今回フロントウインドウの変形が有ったのでこの部品取りから外して付け替えます
フロントのウインドウは上部にボカシの印刷の入った物なので普通のアニメセルに交換する訳にはゆかないのです
なので古いけど部品取りが必要なんですよね〜

修理品のフロントウインドウを入れました
これは部品取りの車体から外した物ですがこの部品の方が変形や歪みが無いので綺麗ですね。

リアグリルメッシュも取付けてみました
このリアグリルメッシュですが外した物を少しだけ削って取付けます
しかし、車体によってはいくら削っても入らない物も有ります
部品取りの車体の方もグリルメッシュは浮いていましたので付け直してみましたが少し削った位では所定の位置に納まらないのです。
ボディの縮みに個体差が有るのかも知れませんね〜

ちなみに下の画像が部品取りの物ですが両端をカットしてやっと入っています
メッシュの縁に赤い部分が有りますがここもエッチング製の部品でして黒いメッシュをカットして填めると自動的にこの赤い縁の部分もどこかでカットしなければならないのです、どこが一番目立たないのか検討中です・・・ちなみにこの車体では中央部分でカットしております

そしてリアウインドウも再接着しました
形状が少し複雑なので多めのテーピングで仮留めですね

ちなみに奥側のリアウイングが無いのが部品取りです・・・

一応部品取りにもフロントウインドウを付けておきました
ワイパーも元に戻しております
ちなみにワイパーですがもっと下に下がっている様な気がしますが修理前の画像を見ますとコレくらいに位置に止まっていますので修理前の位置に接着しております。


これでやっと修理完了ですね
思ったよりも時間がかかりまして・・・
まだ一台目なんですけどね〜

ボディのパテ修正

2018-04-03 21:26:50 | 40th Anniversary mini Pickup truck
本日の山陰も天気が良くて暑い一日でしたね。
花粉は少し少なくなった様で鼻や目の具合も少しマシになりましたよ。
完璧に終わったわけではなく薬が効いているだけかもしれませんが・・・

そんな中ですが今日は大変忙しくて昨日のブログの330P4も発送しないといけないし・・・近くに取り扱い店がないので集荷を頼みたいけど葬儀があってアトリエにいる時間がはっきりしないのです・・・仕方がないから少し離れた営業拠点まで足を運びました。
その後に自宅に戻って着替えて葬儀に参列しました
ちょっとびっくりしたのは突然代表焼香を依頼されそうになった事ですかね〜
町内会長が来られたのでそちらにお願いをしましたが・・・

アトリエに帰ってから少し草刈りをしましてそれから仕事です。
お休みの日の方が忙しい様な気がしますが・・・


まあ良いでしょう。
今日はボディのキャスト準備でパテを盛ります
まずはボンネットからですね
表側は綺麗なんですが曲がった部分のRを内側から修正したので傷が残っています
原型が悪いと全ての部品に傷が残りますからこの時点で綺麗にしておきます

シャーシも元々平面が綺麗に出ていなかった部分にフライスをかけて削ったものですから所々薄い部分がありましたのでパテをつけて厚みを均一にしておきます
厚みが違うとメタルの流れ方が変わってきまして綺麗にキャストができない・・・はずです

ボディのいたる部分にパテを盛っています・・・
ス穴があったり凹みがあったりしますのでね、この時点でできるだけ綺麗にしておきます

最終的に気になったのは右のドアです
何だか全体的に少し凹んでいます
・・・?と思って他のボディを見てみますと、他のボディも同じ様に凹んでいました
凹んでいるというよりも内側に反っている感じでしょうかね〜
おそらくキャスト時の問題かゴム型を作ったときに変形していたのかもしれませんね。

ここにきて、忘れ物を発見しました
リアのホイールハウスの内側にダンパーを避けるためのふくらみがあるのですがそれを付けていなかったのです
真鍮素材を使いますと場所柄整形が難しくなってしまいますのでプラ板を使っています。

パテで付け根の部分をなだらかに修正いたします
この部分は別のパネルになっている訳では無さそうなので綺麗に整形したいですね

ざっくりとパテを研いでみました
サフを塗ってみないと良いのか悪いのか・・・よくわからないですね。

とりあえずサフを入れてみました
サフが硬化しないと研げませんから・・・今日の作業はここまでですね。


明日はタイヤとホイールのキャストの準備をします。

GPM 1/18 Ferrari330P4修理

2018-04-02 21:07:11 | その他
本日の山陰は昨日と同じでPM2.5が来ているらしくどうもスッキリとはいかない天気でしたね
晴れてはいて日も射していますが空が青く無い・・・
薄曇りなのかそれともPM2.5なのかよくわかりません、相変わらず花粉症は出ていますので恐らくはPM+花粉かと思います。
それでも机に向かいますと集中力が出てくるのは有り難い事ですね。

今日は昨日の予告にも有りましたがミニカーの修理を行なっておきたいと思います
昨日は机の上が片付かないと書きましたがこの後の作業を考えると途中になっているミニカーの修理を完了しておいた方が都合が良いからです、もちろん他の修理も有ります(現在の所建機の塗り替えが1人1台、1/43ミニカーの修理が4人の方で19台程溜まっています)
少し前には一時的にゼロになったのですが・・・またご依頼が増えてきました。
少しでも早くお返ししたいので時間を見つけて修理も進めますのでご依頼を頂いた皆様今しばらく待ってやって下さい。

さて本日の患者さんは少し前にもリアサスペンションを修理した330P4ですね
あの時は時間が無くてリアしか手をつけられなかったので今度はフロント側とワイパーの制作ですね

今日はフロントサスペンションのローダウンからですね
GPMのサスペンションは実車と同様にネジ止めの構造ですサスペンションを最低限分解すればダンパーのスプリングは取り外す事が出来ます。
外すのはロアアームのアップライト側、ステアリングロッドのアップライト側、そしてスタビライザーのアップライト側のリンクの部分です。
緩めるのはアッパーアームのアップライト側の1ヶ所です。
このアッパーアームの部分はアップライトを動かした時に無理な力がかかって破損するのを防ぐ意味でネジを緩めています。
ロアアームを下側に降ろしてやりますとこの様にダンパーの下部が付いてきますのでこの状態でスプリングは取り外す事が可能になります。

そして2巻カットして分解と反対の手順で組み付けてやればそう難しくは有りません。
但し今回は正確に組み付けられていましたが同じメーカーのモデルでも前回修正した物は瞬間接着剤でギトギトになるまで接着されていましたのでミニカーによってかなりのバラツキが有るのかもしれません。
今回の手順通り出来るかどうかはそのミニカー次第ですので分解するまでよくわからない事を申し添えておきます
完成しますと車高は少し前下がりで当時のP4のスタイルを楽しむ事が出来ると思います。

さて車高は改善され増したので次はワイパーの修理ですね
ご依頼者の方はどうも誰かからこのミニカーを購入されたらしく入手された時には既にワイパーが曲がっていたらしいのです
下の写真をご覧になればよくわかりますね〜
GPMのミニカーのパッケージを見ますと左側にワイパーが止まっている様なのですがそれを左側にしたかったのでは無いかと思われます。
と言うのも実車の写真を探しますと右側に止まっている物が多いのです。
多分当時ワイパーはオートストップや間欠などの機能は無かったでしょうからどこでも止まったのでしょうけれど・・・走っているコースがオーバルコースだったりしますと視界の問題やドライバーの好みから右側に止められたのでしょうね。

しかもこのミニカーのワイパーは問題が有りますリンクの曲がりは直す事が出来ますけど、決定的にダメなのはワイパーのブレードが長過ぎますよね
ウインドスクリーンのほぼ上から下までの長さのブレードでこれが扇形に動くとウインドウからはみ出してしまいます(笑)
実車の画像でもミニカーの2/3くらいの長さですね


まずは取り外します
曲がってしまったワイパーを取り外さなければ何も始まりません
取り付けの穴の周りにはワイパーを一度取り外して接着した時の接着剤が付いていますのでこれも掃除をします。

ワイパーを外したら使う部分と使わない部分を決める為に分解致します
このワイパーは驚いた事にエッチングの1枚物でして全部が一体になっています。
分解はハサミで切り取る必要が有りました。

ワイパーブレードは洋白線から作り直しブレードのリンク部分と各アームのボディ側の取付け部分はミニカーのエッチングを部分的に切って使っています。
あくまでも元々のミニカーの素材を使って不自然にならない様にバランスを取って作ってみました。

ウレタンサフを軽く塗ってセミグロスブラックを塗装しました
この辺はいつもの工程なので何ら問題点は有りませんよね(笑)

ウインドウの面が少し曇った状態だったのでコンパウンドを使って磨いておきました
余り磨き過ぎますとプラスチックが疲労をして割れが入ったりしますので・・・素材がよくわからないので気持ち程度ですけどね。

ガラスを磨いてみますと誰かがワイパーを外した時に入ったと思われる傷が有りました。
丁度ピンセットの先の部分ですねこの傷は接着剤が付いた盛り上がりでは無く傷で少し凹んでいます

この部分だけ3000番のバフレックスで磨きまして・・・

続いてラプロスの8000番で研磨してからコンパウンドで仕上げておきました、傷はほぼ見えなくなりました
ワイパーの下とかに傷が有りますと如何にも修理した時に傷が付いたんだな〜!と思われると嫌なので(笑)
しかもこんな場所ですと結構目立ってしまうのです。

これでワイパーを取付けたら終わりかって?
普通ならそれで良いのかもしれませんが私はプロですから・・・
ワイパーを取付けていたピンを再研磨します
丸い頭のリペットの様なピンでワイパーが取付けられていますがこのピンは外す時に少し変形をしてしまいます
一応外す時は接着剤を緩める為にハンダゴテをピンに軽く当てて熱で接着剤が緩むのを待ちます。
しかしこのピンが洋白などの比較的柔らかい金属で出来ていますと頭が変形してしまう事は良く有る事
この変形を直す為にリューターにくわえておきまして頭の形状を修正して置くのです
先を急ぎたい気持ちは有りますが・・・そこはプロという事で細かい部分の配慮も忘れずにね

ワイパーの取り付けの部分にピンを接着しました
先にこちらに付けておく方が接着がやり易いですよね
ほんの僅かな瞬間接着剤を使って仮留めですね。

そしてボディにワイパーを接着します
付け根の部分はマスキングテープで仮留め
ブレードの方も薄めたクリアーボンドを僅かに付けてウインドウに貼付けています。

発送の時に外れてしまったのかエンジンルームの発電機がブラブラしていましたのでこちらも接着しておきました、硬化するまでマスキングテープで仮留めです
これはサービスですね(笑)

全ての作業が終わりまして接着剤も硬化しましたので仮留めのマスキングテープも剥がしました。
只今ご依頼者様の所にも何枚か修理後の写真をお送りしこのブログで作業報告をさせて頂き、何も問題が無ければ明日の発送で納品させて頂きたく思っています。

明日は自宅のご近所で不幸がありましたので葬儀に参列の予定です。
製作の時間は少し厳しいかも・・・しれません。