Studio_Rosso 1/43 自動車模型制作日記1

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マットビハイクルの修理 Ver.2

2020-12-17 20:44:37 | ミニカー修理
本日の山陰も雪ですね。
そう大雪では無いですが・・・中庭はこの通りです。

まだ気温が高いのか雪も水分が多くて重い雪です。
芝生の上でこそ白くなっていますが駐車場やその入り口のスロープ部分はゼリー状の雪が5cmほど積もった状態なんですね。
凍結していない辺りを見ても気温はまだ高めという事が出来るんじゃないかと・・・
よって除雪機の出番はまだ有りません・・・
こんな雪の場合は・・・スコップを使い手作業で除雪します。
駐車場/スロープ/Cafeの玄関前までの歩道全て手作業で除雪完了です・・・1時間くらいかな。
粉雪なら服が濡れなくていいのですがこんなベトベトの雪ですと頭は濡れるし・・・帽子の上に積もった雪が溶けて襟元に入って来るし・・・汚いのですよね。
長靴の左側が浸水している事にも気が付きました・・・1年以上働いてくれましたが・・・水が入る様ですとそろそろ買い替えなければなりませんね。

それでも午後からは晴れ間も見えて陽が当たる室内では暖かだったですね。

本日も本業を始めます

ハンドルを修理しようかと・・・
ミニカーをケースのベース板から取り外して、目を疑いました。
あれ?
ビスが無い・・・
通常ならシャーシとボディを連結する為のビスを解いてシャーシを分離すればコクピットの部品を外してコクピットにアクセス出来るのですが・・・
ア〜そうそう古いモデルはこうだったのを思い出しました(笑)
でもね人間が作った物ですから分解出来ないはずは無いのです。
現実に接着しているステアリングホイールが分解してしまうのですから・・・。

ハイこの通り・・・
シャーシを分解しますとシートとかはシャーシ側に付いてきますのでいきなりセンタートンネルが現れますね。
外れてしまったステアリングホイールのグリップ部分も机の上に転がっています。

それにしてもこの時代のステアリングホイールはスポーク部分が付く凹みが無いんですね〜
見た目はちょっと不自然かもしれませんが・・・
まあ目立たないからこれで良かったんですね。

ウイングステーの取付け部分の左側は塗料を調色してタッチアップしておきました。
同じ色でタッチアップするだけでもこれだけ見えません・・・
右側は瞬間接着剤の痕を磨いておきました全く見えないなどという事は有りませんが目立ってしまう事はなくなりましたね
フロントウインドウに貼って有るマスキングテープは少しだけ浮いていたフロントガラスを接着したマスキングテープです。

ちょっと迷いましたが・・・
リアウインドウのモールを外しました
と言うのも思っていたよりも浮きが酷かったのですよね。
まあ前が浮きますと後も浮いてしまうのは仕方が無いですよね〜同じ程劣化は進んでいますから。

ついでに磨きました
上の写真と比べますと下の写真のモールは輝きが良いですね。
新品の時はこんなに輝いていたのでしょう・・・。
ミニカーも人間も同じかもしれません。

磨いたモールを取付けました
やっぱり綺麗なモールは良いですね〜
引き締まった感じがするのは私だけでしょうか??

続いてリアウインドウのモールです
こちらも磨いています、せっかく外したのですから磨いて取付けた方が絶対に良いですね。
接着剤が硬化するまでマスキングテープで押さえておきましょう
このモデルのドアハンドルは外れてはいませんでしたが・・・下の写真ではドアハンドルが無いですが・・・
接着が弱いのではないかと思って一度外して古い接着剤をクリーニングをしてからエポキシ系の接着剤で取付けておきました。
強度はアップしたのではないかと思いますね。
まあ転ばぬ先の杖という物です


フロントウインドウが付いたら・・・次はワイパーですね
こんな感じで古い接着剤が茶色にこびりついています
これを爪楊枝でクリーニングしまして取付けます
ここでちょっとびっくりしたのがワイパーの浮き上がり防止の為にフィン付きのワイパーブレードになっているのですが・・・これって別部品だったんですね。
知らなかったですね〜
まあ考えたらエッチング部品で一体には作れませんよね。

ワイパーも曇っていましてね
リューターを使って磨いておきました
実車の場合は少し曇っていた方が眩しく無くていいのですが・・・やはり模型的にはピカッとシャープな方が良いですよね。

ワイパーを取付けました
接着剤はゴム系接着剤です。
この部分はブレードにも少し接着剤を付けて固定しますからこの接着剤で十分でしょう。

2台目の修理もこれで完成ですね
・・・と眺めていたらちょっと気になる部分が・・・

左フロントタイヤの側面がゴムが劣化していまして・・・目立つ部分なのでタイヤを回して劣化した部分をフェンダーに隠れる様にしておきました。
本来ならタイヤを裏返して付けておけば良いのですがホイールを分解しないとタイヤが外れない事がわかっていましたので・・・取り敢えず回しておきます。
回してフロントフェンダーの上側がタイヤにかぶっていますので少し見え難いかな〜
まあ完璧を期すなら交換しか無いですが・・・ホイールを支えている車軸を分解しないとタイヤを外せないのでこれはまた別の修理になってしまいますからね〜。


これで完成ですね。
明日には送り返せるはずです、お客様大変お待たせしました!!

1/43マットビハイクルの修理 Ver.1

2020-12-16 20:24:44 | ミニカー修理
本日の山陰も雪模様でチラチラ降っています時々強く降りますが、それでも銀世界にまではなりません。
道路にも雪はほとんど無いですし、これくらいならそう恐れることはないですね。

中庭が白くなっている程度ですが昼間は多少日射しも有ったせいか完全に解けて雪は無い状態だったのですが夕方には気温が下がったのかまたうっすらと白い中庭になってしまいました。
天気予報によりますと明日も寒くて雪の天気らしいです。
まあでも山陰は北陸や東北と違って1mも降る事は無いみたいですけどね〜
1mも降ったら通勤が出来なくなってしまいますから強制的に臨時休業ですよね〜(笑)

こんな天気ですと畑仕事もお休みです。
朝からいきなり本業開始ですね。
誰かから「また仕事をやっている」とツッコミが入りそうですが、ご依頼が多くてなかなかゆっくりも出来ないわけですよ。

今日は朝からフェイスブックがグタグタでして・・・コメントもなかなか入れられないしメッセンジャーも使えません。
昼からは大丈夫かと思ったのですが・・・やっぱり全くダメでした、夕方から夜になって回復したのは私だけでしょうか??
サイバー攻撃を仕掛けられているのかなにかの不具合なのかよくわからないですけどね。
PCの問題なのかな??

今日は栃木県から送られてきたLSJのマットビハイクルの修理です
この方、ミニカー全般がお好きと言うよりもウルトラマンのファンの方みたいですね、かってなわたしの思い込みかもしれませんがよくかりません。
色々な趣味の方がいらっしゃいますからね〜
私も今の若い人から見たら「車好きなんですか?変な人〜!!」などと言われかねない(笑)

2台もお持ちなのはなかなか無いかもしれません。
一見綺麗な状態なのですがもう古いモデルなので痛みも目立ちます。
ある意味ではもう仕方がないのかもしれませんね〜未来永劫新品の状態はあり得ませんからね。

まず問題の部分を見てゆきましょう。
ワイパーの浮きがありますね
このワイパーの浮きの場合はフロントウインドウやウインドウのモールが浮いていてワイパーを持ち上げている場合が多いのです。
ほとんどの場合はワイパーに問題があることは少ないですね
もうちょっと目を凝らしてみますと・・・
ステアリングハンドルのグリップとスポークが外れていますね〜
これはシャーシ側からアクセスして修理するしかないかな!?

リアを見ますと・・・
リアウイングが曲がっています。
このリアウイングは経験上レジン製でして時間の経過と共に曲がってきます。
誤解を与えない様に説明しておきますとこのモデルはメイクアップさんの販売によりますが現在のモデルはリアウイングがレジン製では無くホワイトメタル製になっていますので薄く作ってあっても事後変形で曲がってしまうことはありません。
多分この時期にはこんなに長く愛されるモデルになると想像されてなかったのかもしれませんね。

片方のモデルはドアハンドルが脱落して無くなっています。
このモデルのドアハンドルは無い物が多いですね。
接着面積が小さいのにゴム系の接着剤で取付けられているので指が当たると簡単の外れてしまうのでしょう・・・落下してしまった事に気が付かず無くしてしまうというパターンでしょうか・・・。


一通り検証しましたので修復にかかります
この写真のどこに問題が有るのかわかりますか?
バンパーが曇っていますね〜
おそらく時間が経過してメッキが曇ってしまったのですね。
この様な場合は綿棒で擦るだけで綺麗になります、コンパウンドは要りません。

こちらが綿棒で擦った後ですね
たったこれだけでこんなに綺麗になるのです・・・
こちらのモデルは余りにもくすみが出ていましたので気になって磨いておきました・・・お客様からは頼まれてないですけどね(笑)


次にこの部品取り(完品ですけどね)からドアハンドルを外して移植します。
が・・・この初期型L10A(後期型はL10Bです)をよくご覧下さい
ボディサイドのバンパーの高さのプレスラインが後までほぼ真っすぐですよね〜。

送って来られたモデルは後期型のL10Bですがリアホイールの中心位からプレスラインが上に跳ね上がっています。
これは実車がこの様なラインである訳では有りません。
これもレジンの事後変形で曲がってしまった物ですね。
保管状況などでもこの違いが出てきます。
リアの付いているアンテナがフロントウインドウの上側に止められていますがこの応力で曲がった可能性も有りますが・・・その証拠にバンパーも後側が上を向いていますよね〜
僅かずつだけど長い間に影響を受ける事は無いとは限らないですが・・・真相は不明です。
ちなみに余談ですが初期型L10Aと後期型L10Bはホイールベースが違いますしリアバンパーのサイドに回り込んだ部分の長さも違います、フロントバンパーの下側のインテークも勿論違います。

こちらのモデルは最初から無かったドアハンドルも取付けて完了ですね〜
ドアハンドルの接着は外れやすいゴム系接着剤では無くエポキシ系の接着剤に変更しておきました。
またもや余談ですが・・・当時の接着剤は完全に茶色く変色していましてね見栄えが良く無いので掃除は必要ですね・・・確か当時の接着剤はゴム系のバイソンキットという接着剤だったと聞いています。
元々淡黄色なので・・・はみ出すと綺麗じゃないのですが・・・はみ出しがよくわかるという点では正解なのかもしれませんね。

続いて状態が良く無い方に移ります。
問題の部分を分解します・・・まずはワイパーとフロントウインドウモール・・・
ウインドウ自体はバキュームなのか浮いているのはほんの少しでしたのでそのまま接着です。

次に曲がってしまったリアウイングですね
これはお客様が瞬間接着剤で修理されたらしいので取り外す時に少し冷や汗をかきましたが・・・何とか外れました。
ウイングのステーは接着剤でダンゴになっていますのでステーだけ取り外しましてアセトンで溶かします。
実はアセトンに浸けたらバラバラになってしまいました・・・(滝汗!)
中央付近が細いのに無理な力がかかったらしく破断していました(以前の壊れ方がわからないのでその時に既に破断していたのかもしれません)がまあ想定内ですね
壊れた物は作れば良いのですから・・・。

問題はこのリアウイングですね中央付近がボディに干渉しそうな程曲がっています。
本来なら金属板で作り直しをした方が変形しないので良いのですが・・・人によってはオリジナルである事を優先される方も有ります・・・一応電話で確認して今回はオリジナルを崩さずそのままの材質で修理という事になりました・・・。

ウイングを外したボディです・・・
右のウイングステーが付いていた部分には瞬間接着剤が付いています。
また左側のウイングステーの付く部分の目印の凹み(丸いもの)の前側に塗装の剥げた部分が見えますね。
今まではウイングが付いていたので気が付き難かったのですがウイングを外しますとどうしても良く見えます。
瞬間接着剤の部分は少し磨いてみましたが完全の取り去る程磨きますと下地を出してしまう恐れがあります、まあウイングが付きますとほとんど見えないので深追いはやめておきましょう。

まずは重傷のウイングですね。
ドライヤーで暖めながら曲がりを直してゆきます。
加熱が十分で無いとパキッと折れてしまいます、加熱し過ぎますとクニャっといきなり曲がって変形します。
少しずつ加熱して変形を直すしか方法が無いのですよね〜
但し熱で元に戻してもまた時間が経過すると曲がって来る恐れは有りますので次は作り替えが必要かもしれません。
下の写真ではもうかなり曲がりが無くなっていますね〜。
もうちょっとという所かな〜。


さて今日はこの辺りで時間になってしまいました残りの作業は明日ですね
明日は完成してお送りしたいですね・・・。

ホイールとブレーキの塗り替え

2020-12-15 19:40:47 | 某ディーラーさんからの仕事
本日の山陰は雪になりました。
朝起きた時点では自宅の周囲は全く道路に雪が無い状態だったのでひと安心・・・。
と言うのも昨日は事情があって夏用タイヤを履いたままのスマートで帰宅しちゃったんですよね。
雪が有ったら走れませんから

そして出勤しました・・・
アトリエに向かう途中で雪がパラパラ降り出しまして「あ〜初雪だ!!」などと悠長な事を言っていましたらアトリエに近づきますと道路の上にはゼリー状の雪が・・・
それでもスマートはリアエンジンなのでリアが滑って駆動が無くなってしまう事も無く夏用タイヤで無事到着でした。
ガレージに到着したら早速冬用タイヤを履いたスバルサンバートラック4WDに入れ替えておきました。
これなら少々の雪でも全く心配がないでしょう・・・雪よもっと降ってくれ・・・スバルサンバーも除雪機も万全の出撃体制は出来ています!!
今朝の中庭です、とても寒そうな雰囲気は伝わるかな〜。

そうそう、午前中に先日MP4/6のクリアーコートをお送りしたK岡さんからお電話をいただきまして・・・
喜んで頂いた様で心が温まりました。
コロナ渦でなかなか直接納品が出来ないのですがお客様から直電を頂くと言うのは正直有り難いですね
今日からまた心を引き締めて仕事をしたいと感じますね。


お休みだけど・・・仕事をします。
午後からは松江市まで買い物に行かなければならないのだけど・・・午前中に本業を進めておきましょう。
残ったら夕方仕事します。

今日の本業はアベさんのホイールの塗り替えです
ボディとコクピットの塗り替えはは一段落したのですが次はホイールですね。
ホイールのカラーも色々有りますから実車に合わせての変更は必要になりますね。
まずは分解します。
タイヤを外す時はそのまま外しますと固くてなかなか外れません。
超扁平の海苔巻きの様なタイヤですからね1/1でもタイヤ屋さんはなかなか大変だそうです。
1/18でも固くて結構大変なんです。
でも1/1とちょっと違うのは・・・このタイヤは暖めてやると外れやすいのです。
タイヤ自体の樹脂が柔らかくなる事や熱膨張する事などで外れやすくなる様ですよ、私は加熱し過ぎるのを嫌って乾燥機に入れる事にしています。

ホイール本体は脱脂してからサフを塗っています。
ここの加工でのポイントは脱脂ですね。
塗装の作業で一番困るのはホイールやタイヤにワックス等が付着している事ですね。
塗っても綺麗な仕上がりは望めませんからね。

勿論センターロックも外して塗装します
小さなセンターロックナットにもサフを塗っておきます・・・
勿論脱脂もしておきますよ・・・脱脂と塗装はセットですからね。

次はブレーキキャリパーですね
ミニカーは黄色なのですが実車は赤なのでここも分解して塗り直します
その時に困るのが・・・ブレーキキャリパーに付けられているランボルギーニのロゴですね。
デカールを作ります
デカールが作れなければシートの赤い部分を塗った時と同じ方法で塗っても良いですが・・・質感が違ってきます。
私は自由にデカールが作れますから・・・サクッと作って置きます。

キャリパーにもサフを塗っておきましょう
元々はサフなしで黄色が塗られていましたし・・・何と凄い事にキャリパーの裏側(ホイールの奥で見えない部分)には全く塗装がされていない・・・ダッシュボードの下側と同じノリですね〜!
こりゃあ完全に手抜きですね〜(笑)

サフが乾いたら塗装に入りましょう
ホイール本体はグロスブラックに

ブレーキキャリパーはグロスレッドに塗ります
何故グロスか・・・ランボルギーニのデカールを貼らなければならないからですよね。

ちょっとだけ迷ったのがセンターロックナットの部分ですね
実車の写真で少し小さい写真で色がわかり難かったのです・・・
分解前のミニカーではフラットで少し濁った赤で塗られていたのですがこの色が正しいのかはよくわからないのです。
仕方が無いので実車の写真を探してみますと
少しメタリックっぽい赤というよりは少しオレンジ色の艶は半艶か艶消しみたいな感じ・・・

なので塗料を調色して塗ってみました
最初の色とあまり変わりがない様な気もしますが・・・少しオレンジ色が強くなった様な気もしないでは無いですが・・・。

次にウレタンクリアーを塗っています
実車のホイールも艶がありますのでグロス仕上げですね。

キャリパーにもデカールを貼りましたのでウレタンコートをしています
オリジナルのミニカーではクリアーコートはされていませんでしたが・・・
ホイールにもクリアーを塗っていますし、クリアーコートをしないという選択肢は無いですね。


明日もお休みだけど・・・
久々にゆっくりしたいな〜と。
「いやいや・・・そうじゃないだろう」と言う私も・・・心が葛藤して居ます(笑)

内装の塗装

2020-12-14 20:42:39 | 某ディーラーさんからの仕事
本日の山陰は雨の天気です。
今週から冬型が強まりまして山間部では雪が降ると言われていましたが・・・
家内は午後からミゾレが降っていたのを目撃したらしいですが・・・少なくとも私の目の前ではまだ雪は降っていません。
しかしながら・・・大変寒いですね。
帰宅途中の道路の温度計が2°Cだったのは今年初ですね。
まあ12月もほぼ半ばなので・・・これは仕方が無い。
これは山陰の暗く寒い冬というものでしょう。


昨日、着色した木製ベースにウレタンクリアーを塗りました。
裏も表も綺麗に仕上げたいので持ち手が付けられない・・・片面ずつのウレタンクリアーになりますから時間は2倍かかりますね。
しかも乾燥機に入れられ無いのですよね〜、何故かって?
ウレタンクリアーを塗った後乾燥機に入れますと木の中の空気が膨張して出てきますのでウレタンクリアーが泡だらけになっちゃいます。
この部分だけは時間をかけないといけません、近道は無いのです。


ボディの塗装が一段落したアベさんですが・・・
ウレタンクリアーが完全硬化するまで時間が有りますので内装の変更に取りかかります
まずはシートの取り外しデスね
エナメルシンナーを流し込みまして数時間置いておきましょう。
実際には他の作業の間にこう言う待ち時間の必要な作業は行っておきます

外しました!
ゴム系接着剤なのでエナメルシンナーで溶けて来ますので最後はネチャ〜ッと言う感じで外れます。
何故外したのかと言いますと・・・
このシートに問題が有るのです
シートの両サイドに黄色い線が入っていますね
ディラーさんのご希望はこの部分が赤い線なのです。
この黄色い線をどうやって赤にするのか・・・

方法は色々有ります。
同じミニカーで赤い線の物を買って来て分解して必要な部分だけ使う・・・これが一番簡単ですが、高くつきますよね(笑)僕はお金持ちじゃないのでこれは却下
次に・・・この黄色い線をマスキングして赤に塗り直す・・・近いけど違いますこの黄色い線はデカールを貼ってありますのでこの周囲をマスキングしたらテープに黄色いラインごと剥がれてしまう危険性が高いですね。普通のデカールなら大丈夫かもしれませんが艶消しの塗装の上に貼られている物は密着が良く無いので特に注意が必要ですね。
私が採用した方法はマスキングせずに赤を塗るという物です。
大胆だと思うでしょ?
違うんですよ、赤は赤でもクリアーレッドにクリアーイエローを少し入れて調色した物を塗っています。
何故か・・・クリアー系のカラーはブラックの上に塗っても発色しないのです。
その特徴を逆手にとって調色したクリアーレッドを筆塗りしているんですね。
シートの向かって右側だけクリアーレッドを塗ってみました・・・

何故こんな方法をとったのか・・・
赤いラインデカールを見つけてありましてそれを貼り直ししようと思っていましたが分解してみたらセンターのコンソールのサイドにこんな黄色い線が入っているのを発見したんですよね。
この線は細くオマケに二重線になっていまして恐らく実車では線ではなくステッチなんだろうと思われます。
さすがにこれは無いので・・・今回の方法をとらざるを得なかったのです。
ここはさすがにマスキングして塗ってみました

マスキングはこの様に外周の部分だけしています
と言うのも前方の長い六角形の部分はデカールの二スが有りましてこの上にマスキングテープを貼れば剥がす時にデカールごと無くなってしまいそうだったのです。
ここでもう一度上の写真をご覧下さい長い六角形の中心部分はデカールのニスが有るので少しオレンジ色に染まっていますよね。
ニスはほんの僅かに白っぽいので塗った赤が発色してしまうのでしょう、下のフラットブラックの上に貼られていますから密着が良く無いというのも影響が有ると思います。
・・・がこの現象は想定内なんですよね。

拡大してみますと・・・
こんなにもシルバリングしています。
これは艶消しのブラックの上にデカールを貼ったからこんなに事になってしまうのです。
艶消しの塗料はを凹凸にする為にフラットベースを混ぜるのです、つまり艶有りと艶消しの違いは表面の凹凸という事なんです。

あ〜お話が脱線しました。
このデカールはMRコレクションの工場で貼られた物なので今更どうしようも無いですし・・・
そこ・・・この六角形の部分だけフラットブラックを筆塗りしました
マスキングが出来ないのは散々書きましたよね(笑)
筆塗りしか方法が有りません。

つぎに上側のスイッチのパネルの部分はマスキングしておきまして・・・デカールにかからない様に注意は必要ですよ。
ここで剥がしたら・・・新品を買って弁償するしか無いのです(滝汗!)
そしてフラットクリアーをパラ吹き・・・
どうでしょうか?
ラインは赤くなり六角形の部分も違和感の無い仕上がりでしょ!?
シルバリングも全く気にならなくなりました(笑)

上側のスイッチのパネルは・・・そのままです。
デカール1枚とスイッチの部品2つだけはディティイールアップをしてありますけどね・・・ちょっと寂しいかな(笑)
でもここを触る事はお客様が望んでいらっしゃらないので・・・。


ダッシュボードも黄色い線を赤くしなければなりません・・・
ここも筆塗りですよ・・・。
エアブラシで塗った方が良いじゃないかという声も聞こえてきそうですが・・・
エアブラシで塗ったらマスキングをしなければなりません、このラインはデカールなのでマスキングテープでデカールを持っていかれると補修が大変難しくなるのですよね。
色々考えた末に筆塗りです。

ダッシュボードの裏側ですが・・・手抜きなのか省略なのか塗料さえ塗ってない・・・
この調子だとサフも入れてない・・・つまり密着が今一歩良くないという事なのでマスキングするにも良く考えないとね・・・マスキングテープを剥がす時にバリバリッと塗装を持っていかれる恐れが有るという事ですね〜。

完成後には見えない所なんですけど・・・
またやってしまいました・・・得意の回り道です。
塗ってない部分を塗っておきます・・・未来のお客様へのプレゼント品なのでね・・・気が付いた部分は手を入れておきましょう。
きちんとやって叱られる事は有りませんから・・・
まだ塗装が乾いていませんので艶がありますが・・・乾きますとフラットブラックになります。

他の部品もフラットクリアーを塗りました
シートだけはセミグロスにして質感を変化させています・・・私はその方が良いと思ったから・・・。勝手ですが・・・(笑)
筆塗りのクリアーレッドは気にならないでしょ!?
こんな方法も有るのですよ・・・覚えておいて下さいね(笑)

コクピット内の部品を接着します
センターコンソール、シートも接着しました。
少しずつですが元に戻ってきましたね〜


本日最後の仕事です
本日最初の作業でウレタンクリアーを塗った展示ベースにペーパーをかけています。
今日はもう時間が無いので仕上げのラッカーまで塗れないかもしれませんが・・・時間一杯仕事をしておきましょう。


今日は寒くて天気が良く無かったせいかお客様も少なめでしたね〜
その分、本業が進むので有り難いですね〜。
明日から2日間はお休みなので多少余裕を持って仕事が出来ますね。
明日も楽しみながら頑張ろう!!

マクラーレンMP4/6クリアーコート完成です

2020-12-13 20:47:00 | その他
今日の天気は、本日更新の最初のブログで書きましたので・・・割愛します(笑)

昨日、献本頂きました。
いのこーさんいつも有り難うございます。
私のアトリエの方でお客様にご覧頂いています、でも一番先に拝見するのは私ですけどね(笑)
この本を見る度に井上さん(いのこーさんの本名です)がお元気でご活躍である事がよくわかります。
いつも自分で取材に行かれて自分の目で見て記事を書かれています、本当にアクティブですね〜、奥様もお元気で取材に同行していらっしゃるでしょうか?
山陰にいらっしゃった時ご主人が取材される隣で一生懸命メモを取られている奥様の姿が昨日の様に思い出されます。


さて本日2回目の更新はマクラーレンMP4/6のデカール加工です。
どうも気になっていたのですが・・・
サイドポンツーンの上側に最初からほんの僅かなクリアーの凹みが有りました。
普通なら小さな凹みは最初に(モデルカーの製造時に)ウレタンクリアーを塗った時にシリコンの付着が有って塗料が弾いているんですね。
どんなに気を付けて作ってもほんの僅かな弾きが有る場合も有ります。
こう言う場合はデカールを貼ってからウレタンコートをする前にもう一度脱脂をして少しペーパーをかけて塗れば平滑な仕上がりを得る事が出来るのですが・・・
今回はちょっと違っていました。
デカールを貼ってクリアーコートしても凹みが埋まらないのです。
つまり小さい凹みですが深かったんでしょうね〜。
シリコンを取り切れていなかったのか・・・このお客様は中古で購入されていますので前に購入された方がワックスを掛けておられたのかもしれませんね。
新品ならこう言う事はまず起らないのです・・・上記の様に処置をして塗れは凹みは埋まります・・・。
ではどうしようかと・・・
ボディカラーを削ってしまうとその再生は難しい物になりますのでウレタンクリアーの厚みの中で物事を解決しなければなりません。
写真は撮り忘れてしまいましたが・・・
凹みの周囲を限界まで削って脱脂をしてウレタンクリアーを塗り直しております。
そしてウレタンクリアーが硬化しましたので再び研ぎ出しですね。

コンパウンドを掛けていないので艶がないですが・・・こんな感じです。
もう目を皿の様にして探してもほぼ痕跡は無いですね。

コンパウンドで磨きまして
さらに艶を回復させるのはいつもの事です
ちょっと難しいのは完成品なのでリアウイングが邪魔をしてなかなか磨けない事ですね・・・ここで壊したら元も子もないですから。

ボディが完成しましたので部品を取付けようと思ったら・・・
嫌な物が目に入りました
ミラーの足はブラックに塗られていますがミラーの裏に筆が当たったらしく・・・ミラーの下側が黒くなっています。
見てしまうとこのまま取付けるのも気がひけます
幸いな事にエナメルシンナーで掃除をしてみます

綿棒を何本かと細い特殊な綿棒を駆使して綺麗になりました。
ラッカーだったらダメだったかもしれませんね〜

そして足を塗装しました
多分製造時にこの部分を担当しておられた美人のお姉さんがアクビでもされたのかも・・・多分ボディに取り付けてから足をブラックで塗っていたのだと思います。
見えないので付いてしまったんでしょうね〜。

オンボードカメラとミラーを取り付けますと完成ですね
ちょっと回り道をした様な気がしますが・・・まあ良いでしょう。

これで完成か?
と思われるかもしれませんがお客様は覚えていらっしゃるはず・・・
肝心で難しい部分をね・・・
と言うのもノーズのホンダのマークの下側にHONDAのロゴがあるのですが
それが欠けているのです
それも元々のクリアーの下側なんですよね
ほんのわずかなんですが・・・メイクアップ の眼力の良い方のチェックもすり抜けているのですよね。
流石にこの文字の修正は完璧に・・・と言うのは無理です
なのでクリアー後にラッカー塗料でタッチアップして補修します
マスキングに使うのはマスキングテープではなくブルーの保護シートの様な物です
マスキングテープは厚みがあってこの様な細かな文字の補修には不向きなんですね。
昔、カミムラさんが使っていらっしゃったので取り寄せていますが厚みが薄くこの様な補修には重宝します
なぜなら重ねて貼り付けないといけない場合に厚みがありますと塗料が滲みやすいのですよね。
しかもセロテープと違って色がついていますから貼り付け位置の確認が楽なのです。

なぜウレタンクリアーの後で補修しているのかと言いますと・・・
このタイミングでの補修ですとダメならクレオスのシンナーを含ませた綿棒で引き取りますと再びリセットする事ができるのですよね。
補修とか修理の場合には東方が一生懸命やってもお客様が満足できないこともあるかもしれませんからね〜
ウレタンクリアーを塗ってしまいますともう後戻りはできないのです。

一応これにて完成としておきます。
明日にはお客様のもとにお送りする予定です、喜んでくださると良いですね。


明日はウインドウ関係の修理を始めましょう
今回も盛り沢山ですよ。