踊る小児科医のblog

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司馬・大石・仲間が紡ぎ出す「功名が辻」の千代に期待

2006年01月11日 | ART / CULTURE
今年の大河ドラマ、司馬遼太郎原作の「功名が辻」が8日に始まりましたが、
「功名が辻」低調スタート 関東地区で視聴率19.8%
で昨年の「義経」を下回り、ヒット番組の目安とされる20%を切ったのは2001年の「北条時宗」の19.6%(関東地区)以来だとのことです。

今回は「山内一豊(やまのうちかずとよ、と昔は読んだ)の妻」という、一見すると戦前教育への回帰につながると誤解されかねないテーマなわけですが、最近司馬遼太郎を少しずつ読み始めていたところでもあり、昨年末に原作を買って読み終え、NHK出版のガイドブック「山内一豊と千代」も購入して事前に知識を得ていました。

もちろん、今回の制作意図は反フェミニズムでも保守反動でもなく、戦国時代を生き抜くサラリーマン夫婦出世物語という枠組のようで、確かに原作や伝えられる話をみても、内助の功と言うよりは千代が主役のドラマと考えた方がいいのでしょう。

第一話は、原作にもない少女時代のいわば「つくり話」なわけですが、これは1年間多数の人物が動き回るドラマである以上仕方のない部分だったのかもしれません。(しかし、いかにも嘘くさいのだが)

視聴率は、仲間由紀恵人気を持ってしてもこのくらいかもしれません。「利家とまつ」以来続いていた「トレンディ大河」と比べると、信長、秀吉、家康もいずれも登場時の年齢よりも相当年喰っているし(最初ちょっと違和感があるけど、話が進んでくればはまってくるでしょう)、脇役も武田鉄矢とか前田吟という渋さ。
「山内一豊の妻」という言葉も今の若者は知らない人が多いのかもしれないし、「功名が辻」というタイトルも、まあ、わかりにくい。

また、西田敏行は吉宗、秀忠、家康と使いまわしすぎだし(秀吉もやったか)、秀吉(香川)が忍びの者に、石田三成(江守)が今川義元になるなど、戦国時代を短い間隔で取り上げすぎじゃないかというこれは構造的な問題もある。(そうでないと大河を永遠に続けることは不可能)

いずれにせよ、次回以降に期待。原作は面白いし、何しろ戦いが多い。桶狭間は別として、主要な戦場に常に出陣して目立った武功がほとんどない一豊という人物、伊達政宗とは全く対照的な大名だったのでしょう。(そういえば原作には正宗は登場しません)