踊る小児科医のblog

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ネットの匿名性と実名利用は古くて新しいテーマ

2005年06月28日 | こども・小児科
ネットの匿名性と実名利用については当サイトの主要テーマの一つとして開設当時(10年近く前)から取り上げてきたつもりですが、ここにきて自殺サイトや爆弾のつくり方などの犯罪性の高いサイトの悪影響が更に目立ってきていることもあり、主に批評的観点を養いながらメディアの利用の仕方を学ぶ(メディアリテラシー)ことを中心とした報告がなされるようです。6月10日に書いた「ブログはそんなにクールだろうか」の中でもブログやSNSは確かに従来の掲示板などと比べると匿名性が高くないという利点についても触れました。

今回の報告は、同じく総務省「情報フロンティア研究会」の最終報告書のなかでブログやSNSの活用を中心にした実名でのネット使用を推進し、信頼性を高めることを目標としているようです。

もちろん、それでも匿名サイトは残るし問題はなくならないわけですが、ここで取り上げているのは、そういったサイトを含めて自ら取捨選択できるようになるということでしょうか。
何を今さらという気もします。『実名』だけを強調しても意味ないし、その欠点も下記記事のようにあるわけですから、ポイントは、きちんとその区別がわかるということなのでしょう。
普段からブログなどである程度自分の書いたことに責任をもってネットに接していれば、ネットに対して自ら律する回路が出来てくるのかもしれません。

それよりも重要なのは、確かにメディアリテラシー教育は必要ではありますが、それ以前の問題として、小学生にはインターネット利用は基本的に不要であるというポイント。
別になくてもいいじゃん。外で遊んでればいいし、調べものは本や新聞でいいよ。ウミネコについてネットで調べるよりも、蕪島に登って1周してみた方がいいし、携帯もメールもいらないでしょう?
問題は、外で遊べない子どもばかりになっていることの方だと思う。
小中学生にSNSなんて、本気で必要だと思っているのだろうか。
(実は私もSNSは利用できていないのですが…)
『夜のピクニック』読んだ方がいいと思うよ、この委員の方たちは。

報告書が本日掲載されていました。骨子の方をざっと眺めた限りでは、教育関係では最後の提言に「義務教育におけるブログやSNSの導入」と書かれていましたが、それよりも地域社会や自治体など地域コミュニティでのネットワーク利用の方が有用ではないかと感じました。

『ネット利用は実名で』小中校でブログ教育を
 総務省は27日、自殺サイトなど「有害情報の温床」ともいわれるインターネットを健全に利用するために、ネットが持つ匿名性を排除し、実名でのネット利用を促す取り組みに着手する方針を固めた。匿名性が低いとされるブログ(日記風サイト)やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)を小中学校の教育で活用するよう求め、文部科学省などと具体策を詰める。今週初めに発表する総務省の「情報フロンティア研究会」の最終報告書に盛り込む。
 国内のネット人口は増加する一方だが、匿名性が高いために自殺サイトの増殖や爆弾の作製方法がネットに公開されるなど、犯罪につながる有害情報があふれている。総務省はそうしたマイナス面を排除し、ネットを経済社会の発展につなげていくためには、実名でのネット使用を推進し、信頼性を高めることが不可欠と判断した。
 研究会の提言は「匿名性が高いためにネット社会への心理的な忌避感が広がっている」ことが、情報技術(IT)利用の障壁になっていると指摘。子供のころからネット社会のモラルについての「しつけ」が重要と位置付け、小中学校の児童・生徒がブログや、知人だけが入れる「知り合いサイト」SNSを使い、実名または実名に準ずるネット上の名前で情報発信する仕組みを全国で導入すべきだと提案した。
 また地域活性化のために、地方自治体や自治会単位でもSNSを導入する必要性を訴えた。ただネット上での実名使用はプライバシー保護の観点から課題もあり、今後議論を呼ぶ可能性もある。
<メモ>
 【SNS】 ソーシャル・ネットワーキング・サイトの略。米国から流行し始めた会員制のコミュニティーサービスで、参加者が互いに友人を紹介して新たな友人関係を広げることが目的。友人からの紹介がないとサイトでの参加者のやりとりに入れない仕組みになっている。実名性が高いことが特徴で、多くの人が顔写真や本名をサイト上で公開している。

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