1950年代頃にプラモデルというものが世に登場して以来、約60年が経ちます。
プラモデルの歴史と私の人生は、ほぼ重なります。
その間、色々な波や流行、浮き沈みもありましたが、今のところひとつの趣味のカテゴリーとして確立され、それなりの活況を見せていると思います。
静岡のホビーショーも大盛況でした。
さて、プラモデル ・・・ 中でも「スケールモデル」はこの先、どうなっていくのでしょうか?
私の個人的な結論から先に言いますと、「 衰退の一途 ~ やがて消滅 」ではないかと想像します。
・この先、画期的な新しい模型技術や、予期しないような歴史の流れの大きな変化が無く、現状の延長線上で推移していくことを前提として・・・のお話です。
・また、海外の事情を知らないので、国内だけのお話です。
理由1
プラモデル人口そのものが明らかに減少トレンド
現在のプラモデル人口の大半が中高年(40歳代以上)であり、10~20代は極わずかしか居ません。 世の中の少子高齢化どころの話ではありません。
今の40代の方々が製作限界年齢(70歳くらい?)に達する、30年後くらいには現在の1/10程度に減っているのではないかと思います。
つまりマーケットがそれだけ小さくなるということです。
理由2
現在のようなプラモデルは今の30代以下の年代の方には作れない。(勿論、一般論であって、一部器用な方などは別です)
今の10~20代の人は、一部の方を除いて、ナイフをはじめとする色々な道具を使った経験がほとんど無かったり、霧吹きなどの基本原理を殆ど学習されていないというように聞いています。
つまり、
・ナイフやヤスリを上手く使えない。
・エアブラシの原理なども理解できず、上手く使いこなせない。
・合わないパーツを調整して組み立てるというようなアナログ技術の土台が無い。
ということだと思います。
これは「良い、悪い」の問題ではなく、私たちの世代が今の若い世代の人たちのようにITを使いこなせないのと同じ事かも知れません。 つまり「時代の流れ」です。
・・・となると、そういう技術や基礎知識が必要な今のプラモデル作りはできなくなるということです。
理由3
プラモデルが産業(ビジネス)として成り立たなくなる。
理由1、2の結果として、今のスケールモデルのようなキットはビジネスとして成り立たなくなるでしょう。
以上のような理由から、プラモデル人口が減る→メーカーや生産量、販売店が減る→マイナー化が加速する ・・・という悪循環が、どこかで始まるでしょう。
その時がプラモデル(スケールモデル)の終わりの始まりです。
あと50年もすると、博物館の片隅で「昔の玩具の一種」として、ひっそりと紹介されているだけになるのかも知れません。
勿論、そうならないことを望みますが・・・。