前回は、「今のままでは、国内のプラモデル(スケールモデル)はジリ貧→消滅ではないか」という手前勝手なお話をいたしました。
今回は、罪滅ぼしも兼ねて「どうすれば日本のプラモデル(スケールモデル)が再興するか」ということについて、またまた勝手な意見を言わせていただきます。
まず、何といっても日本のスケールモデル再興のカギは「プラモデルファンのすそ野を広げる」こと、つまり一部のマニアだけのマイナーホビー(「オタクの世界」)ではなく、だれでも知っているメジャーホビーにすることではないかと思います。
最近の例では、アオシマの「ハヤブサ」やバンダイの「しんかい6500」の成功例が参考になるのではないでしょうか。
キーワードとして以下の3つがあると思います。
1.ミリタリー物偏重から脱却する
2.世の中が注目するテーマを題材にする
3.誰でも簡単に作れるものにする
では各キーワードについて、少し説明します。
1.ミリタリー物への偏重から脱却する
まず、なんと言っても現在のスケールモデルの9割以上がミリタリー、つまり兵器であるということが、スケールモデルファン=ミリタリーオタクという、暗くて時代に逆行したイメージを作り出すことに繋がっていると思います。
まずは、これを払拭する必要があります。
興味のあるもの、珍しいもの、話題のものが、スケールダウンして自分のデスクトップに飾れる楽しいホビー・・・というイメージにできればよいのではないかと考える訳です。
大雑把なバランスで言えばミリタリー/それ以外が半々くらいでちょうど良いかもしれません。
2.世の中が注目するテーマを題材にする
じゃぁ、ミリタリー以外にどんなものを題材にすればいいかということですが、一言で言えば「受け狙い」です。
やはり、世の中の大多数の人が関心を持つ、話題になるテーマだと思います。
アオシマの「ハヤブサ」や一連のスカイツリーのプラモデルのヒットなどは、この典型例でしょう。
平泉が世界遺産に認定され、話題になれば「金色堂」を題材にするなんてのもいいかもしれません。
マスコミやドラマとのタイアップ企画なんかもいいでしょう。(もしも大河の「清盛」がヒットしていれば「厳島神社」とか・・・)
多くの人が、「あっ、面白そうだな」、「作ってみたいな、飾ってみたいな」と思うようなテーマを、露出度を高めてアピールするということです。
別な言い方をすれば、一部のマニア向けのマーケッティングから、一般大衆向けのマーケッティングに変えるということでしょうか。
3.誰でも簡単に作れるものにする
せっかく、良いテーマを選んで、アピールしても、いざ買って作ってみると「難しくて断念」では、逆効果です。 「もう二度とプラモデルなんか買わない」ってことになってしまいます。
そういう意味では、今のスケールモデルはあまりにも「難しく、マニアックで、お金も掛かる」ホビーになってしまいました。
もっともっと「敷居を低くする」必要があります。
(私も含めて現在のスケールモデルファンや雑誌類が敷居を高くする片棒を担いでいるような面があるかも知れません・・・反省)
バンダイの「しんかい6500」のヒットはヒントになります。
ガンプラの技術を活かして、難しい塗装や接着をしなくても、そこそこ満足のいく完成品が、だれでも(子供や女性でも)簡単に作れるということです。
大げさな道具も要らないし、クサイ臭いも無いし、部屋も汚れない。
まずは、こういうものから始めて「プラモデルって面白いな」と思ってもらうことが大切でしょう。
その後、どんどん深みに嵌っていくかどうかは、個人のお好み次第ですから。
このような方法で、スケールモデルのファンを増やして、その中の何割かの人が今のスケールモデルのような少しディープな世界に入ってこられれば、これからも末永く続いていくのはないかと思う次第です。
裾野が広がり、マーケットが大きくなれば、メーカーも利益も出し易くなり、ビジネスとしても成り立っていくでしょう。
勿論、今のようなスケールモデルも残して行って下さいね。