クリーチャー、モンスター系を中心にラインナップしているエクスプラスの1/8、メトロポリスが完成しました。
製作期間4週間、正味製作日数10日くらいです。
1926年にドイツで製作され、翌27年に公開されたモノクロサイレント映画「メトロポリス」に登場するアンドロイドで、「マリア」というのはアンドロイドが化ける生身の女性の名前で、アンドロイド自体には名前はありません。
映画の詳細については私が下手な解説をするより、こちらでご覧頂いた方が良いと思います。
メトロポリス (1927年の映画) - Wikipedia
コンピューターでカラー化されて、日本語字幕の付いた映画全編の動画がYouTubeで観られます。
私が大いに参考にした動画です。
METROPOLIS 1927 メトロポリス 日本語字幕 [カラー] COLORIZED FULL MOVIE Eng sub - YouTube
この映画は色々な所でモチーフにされたり流用されたりしています。
スターウォーズのC3POはこのアンドロイドがモチーフだと思われますし、BtFのドク・ブラウン博士のキャラクターもロトワングをモチーフにしていると思われます。
クィーンのレディオガガのPVや、Zager & Evansの西暦2525のPVにも流用されています。
Queen - Radio Ga Ga (Official Video) - YouTube
Zager & Evans - In the Year 2525 - YouTube
実は私がこの映画を知ったきっかけは、このZager & Evansの西暦2525のPVなんです。
色々調べていくうちに素晴らしいSF映画であることを知り、興味を持っていたところにエクスプラスでキット化されていることを知って、即購入、製作開始となりました。
キットは上下2段に分かれたプラ製台座と椅子、その下に置く厚紙製の展示台、アンドロイド本体という構成です。
製作にあたっては、映画の雰囲気をできるだけ再現する事に注力しました。
特に気を使ったのが本体の「色味」と台座の照明です。
結果的にキットをそのまま使ったのはアンドロイドの本体部分だけです。
台座の上下2段のプラパーツ部分については電飾を仕込みました。
上段下段それぞれに3mm電球色のLEDに光拡散キャップを被せて電球のようなボンヤリした光になるようにしました。
また、この部分は上に行くほど明るい色にするために、Mr.カラー28番の黒鉄色に8番シルバーを混ぜる度合いを調整して塗装しました。
椅子の部分は少しグラデも掛けています。
厚紙製の台座は強度・大きさ共に使い物にならなかったので、プラ板でスクラッチしました。
ついでにYouTube動画で気が付いた下方からのスポットライトを追加しました。
結局、使用したLEDは電球色3mm砲弾型8個です。
電源はACアダプター経由のDC12Vです。(単三電池8本の12V電源も使用可能です)
背面の立て板部分はキットの厚紙をスチレンボードに貼付けて使用しています。
また台座前面の銘板もキット付属の厚紙から切り抜いて使用しています。
これに色を合わせるため、最下段の台座はMr.カラー28番の黒鉄色に赤を少々混ぜて調色しました。
アンドロイド本体は素組みですが、塗装はYouTube動画(コンピューターでカラー化された物)と小説版の「銀色の骨格にクリスタルガラスのような外皮がかぶさっている」という記述を参考にしました。
イメージとしては「金でも銀でも無い、その両方を取り込んだ曖昧な色味」です。
具体的な方法としては2018年9月に製作した「蒸気機関車 ジェネラル号」の真鍮部分の塗装で習得した方法を活用しました。
全体をグロスブラック(2番)で塗装した後、Mr.カラーのメッキシルバーネクストを全体に吹きました。
その上からクリアーイエローとクリアーオレンジを6:4くらいの割合で混ぜた色を吹きましたが、この時の吹き方がポイントです。
全体に満遍なく吹くのではなく、上方45度くらいからフンワリと様子を見ながら吹いていく感じです。
そうすると上の方がホンノリ金色を帯びて、下の方、下に向いた部分が銀色っぽく残ります。
これを台座に立てると下からの電球色の電飾の効果で下の方も電飾の色で微妙に染まります。
ついでですが、このメッキシルバーの上にクリアイエロー/オレンジの混色を吹く方法は、混色の比率や吹き方次第で色んな色味表現が自由自在にできるので良いです。
更にクリア塗料なので塗膜が強いという利点もあります。
前置きが長くなってしまい、申し訳ありません。
それでは完成写真です。
先ずは電飾フル点灯です。
次は光の当り方を変えてみました。
スポットライトだけにするとこうなります。
周りを暗くしてみました。
アンドロイドのアップです。
最後に悪戯で、デジタル加工してみました。
長々とお読み頂き、ありがとうございました。
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完成おめでとう御座います㊗️
映画そのものの雰囲気が醸し出され、各ライティングにより、台座を含め無機質な金属の塊の中にも生命が宿っているようで、不気味さを感じます。素晴らしいです!金属表現は多いに勉強になりました。ありがとうございました。
◯◯◯◯写真。しろくろ/モノクロでした。クラキンさん、ありがとうございます!
皆さん書かれているように、いろいろ工夫されたことが、それぞれ素敵な効果を生み出していますね。
じっくり見させていただきました。眼福でした!
私が目指した雰囲気を感じ取って頂き、そこをお褒め頂けて凄く嬉しいです。
この金属感の中に秘められた危うさ、不気味さの表現を目指して、ほぼ満足のいく出来になりました。(←自画自賛、自己満足😂)
師匠の境地には到底及びませんが、これからも自己満足をモットーに楽しみます。
よろしくお願いいたします。
やはり「モノクロ」でしたか。
モノクロというよりセピアになってしまいましたが・・😅
光の当て方と電飾の付け方で色々と雰囲気が変わります。
個人的には、薄暗い中に下からの照明だけでぼんやり浮かび上がって見えるのが一番好きです。
光の当て方でシルバーとゴールドの色味が表情を変えてくれるのが狙い通りになりました。
そこをお褒め頂けて凄く嬉しいです。
メッキシルバーの上にクリアカラーを重ねる方法をマスターしておいて本当に良かったです。
途中コメントを入れられませんでしたが、エアブラシの技法や電飾の考え方など、興味深く拝見しておりました。
最初から照明を前提として塗装色を調整されるなど、クラキンさんのキャリアとセンスを感じます。正直感動ものでした、流石です。
映画の方は10年くらい前に出張で泊まったホテルで見ました。
戦前の無声映画とは思えない出来の良さに感激しましたが、機会があれば劇場で見てみたいです。
レスが遅くなり申し訳ありませんでした。
蒸気機関車の製作で憶えた金色の塗装方法とエアブラシの吹き方でグラデっぽい感じを出す方法が今回役に立ちました。
自分が選んだやり方が当って、ほぼ狙い通りの結果が出ると凄く達成感がありますし、そこをお褒め頂けるともの凄く嬉しいです。
メトロポリスをホテルの部屋で観られたというのは驚きです。
こんな古い無声映画をやってるんですね。😲
コンピューターでカラー化して日本語字幕が入ったバージョンをYouTubeで観られますから、よろしければどうぞ。
完成写真を拝見して、まるで本当の金属でできているように見えます。
さらに照明を効果的に使っていらして、独特の雰囲気を醸し出していますね。
この辺は電飾の豊富な知識があってこそと感服いたしました。
youtubeの情報、ありがとうございます。
この映画は観たことがなかったのでじっくり味わってみようと思います。
拘って力を入れたところをお褒め頂き、凄く嬉しいです。
LEDの電飾はこういう場合には光が強すぎるので向いていないのですが、今回は「拡散キャップ」という新兵器を手に入れられたので助かりました。
SF映画の原点のような作品なので、ジックリと楽しまれて下さい。