万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

国債は再分配政策の道具となったのか

2010年04月12日 15時29分25秒 | 日本政治
現金給付の見直し検討=子ども手当-古川国家戦略室長(時事通信) - goo ニュース
 44兆円という巨額の国債を発行してまで、”ばらまき政策”を実施する民主党政権。最近の国債発行を見ていますと、赤字財政の補填というよりも、再分配政策の道具となっているようなのです。

 再分配政策とは、個々の国民から税金を集め、それを、政策目的に合わせて個々人に分配するというものです。基本的な仕組は”集めて配る”なのですが、これに”ばらまき政策”と国債がセットとなって加わりますと、この機能は、さらに経済全体に及びます。何故ならば、個々の国民の預金までもが、金融機関を介して国債に吸収されることで、再分配の”財源”となってしまうからです。しかも、給付を受けた側には返済の義務はなく、この義務を負うのは政府、言い換えますと、税金を納める国民と言うことになります。

 見境のない国債発行と”ばらまき”政策は、本来、経済活動に要する資金までをも不足させ、また、給付に慣れた国民から、勤労意欲を奪いそうです。この状況が長期化しますと、経済の衰退というシナリオも現実化しそうなのです。

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コメント (12)
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