万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

救出難航―異民族支配が望ましくない理由

2010年04月17日 15時31分15秒 | 国際政治
中国青海省 地震死者1000人超す 酸欠、言葉の壁…救出難航(産経新聞) - goo ニュース
 地震災害により、多くのチベットの方々が犠牲になられ、心の痛む限りです。地震による被害者救出は、時間との闘いとなるのですが、救出作業は、言葉の壁にぶつかったと報じられています。

 民族自決が望ましい理由の一つには、言語の共有による円滑な統治の実現があります。言語が通じない異民族に支配される状況にありますと、人々の日常生活に関わる政府の活動は、様々な障害に直面します。災害の救出作業もその一つであり、政府が派遣した救助隊と住民の間に意思疎通ができなければ、救われる命も救われません。もし、チベットの人々が自らの救援部隊を設けることができたならば、こうした問題にはぶつからなかったはずなのです。

 中国政府は、災害発生に冷淡な対応をとりますと、チベットの人々の不満が高まりますので、熱心な救出作業を行ってはいるようです。しかしながら、言葉の壁問題は、異民族支配の限界と問題点をも示しているように思えるのです。

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