中国と云う国は、その6000年とされる歴史において王朝交替を繰り返し、宮廷内でも激しい権力闘争を繰り返したこともあって、謀略に長けた国として知られています。今般、「逃亡犯条例」をめぐって香港では大規模な反中デモが発生しておりますが、北京政府が、全土における民主化運動へと発展する可能性を秘めた同運動を苦々しく思っていることは疑いようもありません。共産主義によって謀略性に磨きをかけた北京政府は、おそらく、香港市民の抗議運動に対しても何らかの謀略を仕掛けてくることでしょう。
流血の大虐殺となった天安門事件では、学生の民主化運動に反対していた最高指導者であった鄧小平氏は、ある策略によって軍事介入を正当化したとされています。その策略とは、人民日報において同運動を‘動乱’と決めつけて煽り、学生たちの行動を過激化させたというものです。言い換えますと、民主化運動を過激化の方向に誘導することで、‘軍による鎮圧も已むなし’の状況を創り出したのです。おそらく、この策略を首尾よく成功させるために、民主化運動の組織の中にも協力者を確保していたことでしょう。かくして残虐性を極めた天安門事件は、中国の歴史に汚点を残したものの、中国の一党独裁体制は、中国人民の未来のために命を捧げた学生たちの屍の上に一時の安泰を得たのです。
天安門事件は、中国共産党にとりましては‘成功体験’であり、国民の民主化を抑え込む一つのモデルとなったことは想像に難くありません。否、中国共産党は、体制移行を求める大規模な反政府運動が発生した場合、軍の投入しか鎮圧手段はないと見ているかもしれません。暴力を正当化し、暴力革命を実行した者は、暴力でしかその体制は維持できないと考えていることでしょう。となりますと、表向きは冷静を装いつつ、中国共産党は、今般の香港市民の反中運動に際しても、最初の一手を相手に打たせることで、人民解放軍の投入を目論んでいる公算は極めて高いと言わざるを得ないのです。
折も折、中国共産党による武力弾圧が懸念される中、香港では、一部の民主派の学生が過激化して立法会を実力で占拠する事件が発生しています。これを機に、北京政府は香港デモを本土でも批判的に報じるようになると共に、民主派の分断を模索しているとも報じられております。同事件は、過激な破壊行動を目の当たりにした一般の香港市民が抗議活動から距離を置く機会となるに留まらず、北京政府に武力介入をする口実を与えかねません。すなわち、結果として、暴徒化した一部の学生は、事態を北京政府にとって望ましい方向に導いているのです。
G20閉幕のタイミングで起きたことを考慮しましても、香港デモの過激化は、天安門事件と同様に、武力弾圧を目指す側の謀略である可能性は極めて高いのではないでしょうか。民主派の暴発を誘発して暴力で潰すという…。敵方に対する内部工作は『孫子』の兵法でも推奨される攻略手段なのですから、香港市民は謀略を警戒し、扇動や挑発には迂闊に乗らないよう十分に気を付けるべきではないかと思うのです。
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天安門事件は、中国共産党にとりましては‘成功体験’であり、国民の民主化を抑え込む一つのモデルとなったことは想像に難くありません。否、中国共産党は、体制移行を求める大規模な反政府運動が発生した場合、軍の投入しか鎮圧手段はないと見ているかもしれません。暴力を正当化し、暴力革命を実行した者は、暴力でしかその体制は維持できないと考えていることでしょう。となりますと、表向きは冷静を装いつつ、中国共産党は、今般の香港市民の反中運動に際しても、最初の一手を相手に打たせることで、人民解放軍の投入を目論んでいる公算は極めて高いと言わざるを得ないのです。
折も折、中国共産党による武力弾圧が懸念される中、香港では、一部の民主派の学生が過激化して立法会を実力で占拠する事件が発生しています。これを機に、北京政府は香港デモを本土でも批判的に報じるようになると共に、民主派の分断を模索しているとも報じられております。同事件は、過激な破壊行動を目の当たりにした一般の香港市民が抗議活動から距離を置く機会となるに留まらず、北京政府に武力介入をする口実を与えかねません。すなわち、結果として、暴徒化した一部の学生は、事態を北京政府にとって望ましい方向に導いているのです。
G20閉幕のタイミングで起きたことを考慮しましても、香港デモの過激化は、天安門事件と同様に、武力弾圧を目指す側の謀略である可能性は極めて高いのではないでしょうか。民主派の暴発を誘発して暴力で潰すという…。敵方に対する内部工作は『孫子』の兵法でも推奨される攻略手段なのですから、香港市民は謀略を警戒し、扇動や挑発には迂闊に乗らないよう十分に気を付けるべきではないかと思うのです。
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