風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「月1万円の暮らしも厭いません=名古屋市民ギャラリー栄で油彩画家の個展」

2018-06-26 16:36:33 | アート・文化

 


描こうと思ったら夢中で描く。感動が冷めないうちに――をモットーに、月1万円の暮らしも厭わないという油彩画家の個展を、名古屋市民ギャラリー栄で見てきました。向山一石(むかいやま・いっせき)さん=57歳、名古屋市名東区在住。繊細なタッチと優しい色彩で描かれた作品に引き込まれました。7月1日(日)まで。

向山さんは青森県十和田市出身。武蔵野美術大学に進みましたが、家庭の事情で中退。「実家の負債を返すため、絵どころではなくなった」そうです。

新聞配達やさまざまな肉体労働を重ねること20年近く。「どうすればいいのか。このままの人生が続くのだろうか」と思いつつ、ふるさとを流れる奥入瀬川の川辺に身を置いた時でした。

岩をはむ流れ、森の木々の匂い、風の音、鳥の声…。「雄大な自然界に比べれば、自分が置かれた状況なんて、なんと小さなことだろう」と思うと、夢を描いていた大学時代を振り返り、思い切って絵筆をとったそうです。

学生の時に習ったことはほとんど忘れていましたが、誰に師事することもなくキャンバスに向かいます。
バイトで稼ぐと海外にも出掛け、1泊1000円ぐらいの宿で20日間ほど滞在して絵を描き、現地の人たちとのカタコトの会話を楽しむ毎日。帰国すると奥入瀬川に戻ります。

「川べりにガレージを立て、中に板を張りつけた程度の小屋です。電気もガスも通っていません。風呂はバイクをちょっと町へ走らせます」
「月に1万円程度で済みますよ。年に半分ぐらいはこんな暮らし。あとは、兄弟の仕事を手伝うため名古屋へ戻ります。置くところがないので大きな作品は描きませんが、20年間に仕上げなかったのを含めると1000枚は描いたでしょうね」

会場には、4~10号サイズの作品が90点ほど。姪や甥にせがまれて描いたという作品も並んでいます。

姪らにせがまれ、こんな絵も


 



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